他人の目が気になる~自分を許して抜け出そう~

他人の目をネガティヴに意識すると「分離感」という拒絶感や他者からの批判、攻撃を感じることが多くなります。

しかし、時に「自分は嫌われている」という思いは、「自分が誰かに近づかない理由」になっている可能性があるのです。
このように感じるには、何かしら心に傷を受けたり辛い経験をしたのではないか?と心理学では考えます。

人によってその理由は様々ですが、過去に起きた出来事を今の自分で理解し、過去に感じた辛い経験や感情の縛りを解くことで、他人の目への過剰な意識や、自分が嫌われている感覚は少なくなっていきます。

◎リクエストを頂きました◎
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他人の目が気になる時ってどんなときなのでしょう?

誰かに陰口を叩かれているように感じたり、実際に言われたわけではないのに、「私は嫌われている!!」って決め付けている自分がいます。
自分だけがそう感じているので、誰かに相談しても理解してもらえず、かえって孤独を感じてしまったり、また「こんな私はおかしいだろうか?」と自分の考えや思い、感情まで疑う始末で結局誰も(私自身も)信じられなくなってしまいました。

これは日頃から感じている思いなのですが、同じように疎外感を感じたり、輪に入れないことで孤独に感じたりしていると思います。

この内容について心理学講座で取り上げていただけると幸いです。

(*一部編集させていただきました。)
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■「私は嫌われている」という思いの意味

他人の目が気になる。これは程度の差はあれど誰でも意識することなのかもしれませんね。しかし、どこか強く他人の目を意識するようになると、いろいろな問題が起きる可能性があるんですね。

特に他人の目をネガティヴに意識するようになると、自分の中で他人の目が「制限」のようなものになり、閉塞感や息苦しさを感じるようになる理由になることがあるんです。

今回リクエストにいただいたような感覚、心理学では「分離感」とよびますが、どこか私は拒絶されている、攻撃される、人とは違うといった感情を抱くこともあるでしょう。

さて、ここで出てくる「他人の目」なのですが、では私にとっての「他人の目」は一体どんな目をしているのでしょうか?

確かに私を嫌う人、否定する人も存在するでしょう。一方で、あなたに好意、好感を持つ人もいるでしょう。もちろんあまり興味を持っていない人も。いろいろなんですよね。それは自然なことなんです。

しかし他人の目をネガティヴに意識すると、相手の思いを確かめるのがとても怖くなります。他人の目をネガティヴに意識するようになればなるほど「拒絶される」という恐れが強くなりますからね。身動きが取れなくなるんです。

だから、常に「相手が私をどう思っているか?」の全てが「よく分からないまま」になってしまうのですね。

そんな時、私達の心は曖昧な状況を嫌いますから、何かしらの判断を下します。つまり、リクエストをいただいたような現象「私は嫌われている」という思いを強く持つようになる、と心理学では考えるんですね。

「自分はみんなに嫌われている」

例えば、過去に実際にそのような経験をすると心は傷つき、痛みを感じます。すると、同じような状況にならないように、同じ痛みを感じないようにするために人との距離を置くようになることがあるんですね。

そこで「自分は嫌われている」という思いは「自分が誰かに近づかない理由」になるんです。

これを心理学では「正当化」と呼びますが、自分がみんなに嫌われているという思いは「他人の目が気になって人に近づけない現状」を肯定する材料になるんです。もちろんそれが自分の本意ではないにしても、です。

それはどこかで自分が「他人と距離を取っていたり、他人をネガティヴに見ていることを知っている」からこそ必要になる思いなのですね。心理的には「罪悪感」~私が悪い~と感じている状況ですね。

そのような自分を自分で素直に認めることは難しくなりますから、更に自分に対する疑いが強くなります。すると、自分を肯定的に捉えられない分、更に他人の目をネガティヴに感じるようになるわけです。どこかネガティヴな心理ループにはまり込んでしまうのですね。

■あなたの誤解を解き、自分を許しましょう

さて、このように感じるようになるには、何かしら心に傷を受けたり辛い経験をしたのではないか?と心理学では考えます。

人によってその理由は様々ですが、過去に自分が拒絶された経験が元で、今もその時感じた感情を抱え続けている可能性があるわけです。

特に子供時代の経験は大きな意味を持ちますね。なぜなら子供時代の私たちには、大人の持つ理性も成熟した考え方も持ち合わせていないからです。目の前で起きたことをそのまま受け止めてしまい、事実を十分に理解できないまま、記憶や感情だけが残っていくんです。

ここで感じた感情が未処理になって今も自分の心の中に残りつづけることがあり、その感情を通して今も他人を見ているからこそ、人に嫌われていると感じてしまうケースがありえます。過去の感情が今に再現されてしまうわけですね。

特に今回のようなケースの場合、何かしらの経験を元に罪悪感ベースの自己評価、「自分自身が迷惑な存在である」とか「毒である」といった自己イメージを感じている可能性が高いんです。

しかし多くの場合、「自分は迷惑な存在と感じた」理由は勘違いや思い込みから始まっています。たとえ誰かに「迷惑だ」「ダメだ」と言われたとしても、それがあなたの真実であるとは限りません。むしろそれこそ他人の意見であり、あなたの本質は何も変わっていなかったはずなのです。

つまり、自分の中の誤解を探り、その絡まった糸を解くこと、過去に起きた出来事を今の自分で理解し、過去に感じた辛い経験や感情の縛りを解くことで、他人の目への過剰な意識や、自分が嫌われている感覚は少なくなるわけですね。

また、過去を理解すること以外に、自分で自分を肯定すること、自分自身を許そうと意識することで、現状から徐々に開放されていきます。

私たちは「人を愛し、与えること」で自己価値や自信を感じるもの。その愛をまず自分自身に向けることが問題解決の第一歩だと考えてみてくださいね。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。