夫婦関係を再構築(リフォーム)するために“許し”はとても大切なツール。
しかし、いきなりそこを目指してもすぐには難しいもの。そこで、感情を解放してて心に余裕を取り戻すことはとても大切なことになってきます。また、一方で、離婚を切り出したご主人の心に注目すれば、見えない罪悪感がたくさん残っていたりもします。そうした状況を受容していくことで、絆の再構築が進んでいくのです。
さて、夫婦関係を再構築するに当たっては、どういう経緯であったとしても“許し”は必須アイテムです。
つまり、離婚を切り出した夫を許し、そうさせてしまった自分を許す、というプロセスです。
この二つは車の両輪のようにワンセットになっていると考えてくださいね。
どちらか一方では、まだ不十分なんです。
とはいっても、なかなかすぐにはむつかしいもの。
そこで、そのための準備が各種必要になってきます。
●心はとても疲れている
離婚する、しない、で揉めたともなれば、とってもハートブレイクしますよね。
不信感、理不尽さ、寂しさ、悲しみ、不安、怖れはもちろん、女性としての自信を失ってしまったり、男性不信に陥ったり。
精神的にバランスを崩して病院に通われる方もいらっしゃるくらいです。
そういうとき、まずは「体力」の快復を図ることはとても大切なものだと思っています。
ホッとして気を緩ませてはいけないものの、でも、緊張感をずっと保ち続けるのは辛いもの。そこで、少し自分を休ませてあげる、自分自身にご褒美をあげる、などのことは、むしろ、大切なことだと考えています。
特に離婚を回避するために頑張ってきた数ヶ月、数年があるとしたら、精神的にも肉体的にも相当疲れが溜まっているはず。
離婚問題の渦中では、それをあんまり意識しないですから、ご主人が戻ってきた途端、どっと疲れが出てしまったりするのです。
●感情の解放=心に余裕を持つために。
そういう時は、心の余裕がまったくない状態なんですよね。
だから、まずは感情を吐き出していくこととして「ご主人へのお手紙」をしたためてみることをおススメしています。
もちろん、渡すものではなく、心の整理をするものとして。
そこでは、自分に正直な気持ちを書いてみましょう。自分との対話になるはずです。
何度も何度も書き直したり、追記して構いません。
心がすっと軽くなっていくまで、繰り返してみてください。
カウンセリングでも、改めて、ご主人が戻ってきた後の感情と向き合うセラピーをよくやっています。シンプルなものですが、驚くほど色んな感情が出てきて、それを解放したときには、表情ががらっと変わっていたりします。
そうして、少しずつ心に余裕を取り戻していくのです。
心は感情を吐き出した分だけ余裕が生まれます。
その上で、前回向き合った「なぜ、この問題が起きたんだろう?」「これからどんな二人になりたいだろう?」そして、「どんな自分に成長していこうか?」といったテーマで自分を見つめて行くんですね。
ご主人に対して、優しくできなかった、理解してあげられなかった、とすれば、ご主人が戻ってきてくれたお陰で、今、それを実践する舞台はできつつあるわけですよね。
離婚問題の真っ最中には憚られたスキンシップや話し合いなども、今ならチャレンジできるかもしれません。以前よりもずっとできることが増えているわけです。
そんな風に、少しずつ変化していくことで「以前とは違う、新しい関係」を築くことができるのです。
●夫の中の見えない罪悪感
でも、ご主人にはご主人で罪悪感が残っていることが少なくありません。
それも相当量。(もちろん、こうした罪悪感は表面的には分からないことが少なくありませんので、要注意です)
そういう時はあなたが与えたとしても、素直には受け取ってもらえません。
「せっかく離婚問題が解決したのに、なんであんなにイライラしてるんだろう?」と感じたら、この罪悪感が邪魔していると考えてもいいくらいです。
ご主人からすれば、「妻を傷つけてしまった」と思っているわけで、その罪悪感から、逆に「居場所がない」「肩身が狭い」と感じやすいんです。
奥さんにも余裕はないかもしれませんが、彼にもやはり余裕はありません。
また、ご主人が罪悪感を感じるのならば、奥さんはいつ捨てられるか?また繰り返されないか?という不安を感じますよね。
それをご主人に慰めて欲しいと思うところですが、やっぱり彼にはその余裕はありません。
●受容
そうした状況を受け入れていくことが「受容」です。
多くの場合、離婚問題が一応の決着を見てから2,3ヶ月はこの段階が重要です。
お互い手探りながら、これからの関係性を模索していく段階ですが、ここでまた「やっぱりダメ」となってしまう夫婦も多いんですね。
ちょっとしんどい時期ですが、何とか自分を励まし、頑張って乗り越えたい時期です。
(いわば、新しい部署に異動してきた、新しい会社に転職したようなものと思ってみると分かり易いかもしれませんね)