皆さんは、○○をしよう、○○したいと思ったとき、目に見えない力が外から働いて、運命のようにそれができない状況になってしまうという経験はないでしょうか?
このような状況の全ては、実は自分自身が作り出しているのです。
○○をしようと思った通りに実行していないのは自分なのです。
でも、そうしないのには理由があります。それは、○○をしない方が心地よいからです。
そしてその心地よさは、深層心理に隠された自分の本当の気持ちが作り出しています。
しかし、この自分の本当の気持ちと向き合い、それを受け止めると自分の為に何を選択するかを考える事が出来るようになります。
そして、あたかも目に見えない外からの力が、実は自分の内側に存在していた事が理解できるのです。
◎リクエストを頂きました◎
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私は地方在住で小さい頃から東京が大好きでした。
でも、東京に移り住もうとする度に周りに不幸が起こり、東京へ行くことを諦める状況になります。
一度目は東京の大学に進学を決めましたが丁度そのタイミングで病気の祖母が亡くなりました。
二度目は就職で、東京で働きたかったんですが突然祖父の病気が発覚。ほどなくして祖父が亡くなり、親の願いを聞き入れて地元に戻って就職しました。
三度目はどうしてもまた東京に住みたいと思い、東京の会社に内定をもらいましたが、突然叔父が事故で亡くなりました。そのショックから内定を断り、今に至ります。
三度も不幸があり、また東京に行こうとしたら何かが起こるのではないかと怖いです。
私はずっと自分の望みを手に入れられないのでしょうか?
周りに起こる事の全ては私の心を映し出していると記事に書いてありました。そうだとしたら、これは私の心の何を映し出しているのでしょう?どんな癒しが必要なのですか?
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皆さんは、「自分が何かをしようとすると必ずこうなってしまう」とか「自分が何かをしようとすると必ずそれを邪魔する何かが起こる」などという事を経験された事はないでしょうか?
外から目に見えない力が働いて、運命のようにそうなってしまうという感じです。
このような状況の全ては、実は自分自身が作り出しているのです。
それはご自身で意識できていない何らかの言葉や行動のパターン(癖)が引き起こしている場合もありますし、自分では意識していない深層心理が働いて自身の置かれた状況を結果的に作り出している場合もあります。
戴いたリクエストを例に、ではなぜそのような事が起こるのかをお話ししていきたいと思います。
今仮に、リクエストしてくださった方をAさんとお呼びさせていただきます。
Aさんは東京に移り住もうと思う度に何か身の回りに不幸が起こって東京に住めないという状態になっておられます。
でも、本当にそうなのでしょうか?
ここで気がついて欲しい事は周りに不幸が起ころうとも、誰が止めようとも自分が東京に移り住もうと思えば移れる事なのですね。
でも結果的にそれを選択されていない訳です。
だから、東京には移り住めないのです。
では、なぜそれを選択されないのでしょうか?
答えは極めて簡単で、東京に移り住むよりもそうしない方が心地よいからです。
例えば、医者嫌いの人がとても酷い腹痛に襲われたとします。
医者嫌いですから、当然病院には行きたくありませんね。
「もう少ししたらこの腹痛は治まる」
「死んでも医者なんか行くものか」
と思いじっとがまんする。でもいよいよ本当に耐えきれなくなってきたとしたら・・・医者嫌いの人でも病院に行こうと思います。
中には、死ぬより医者に行く事の方が嫌いで気絶するまでがまんする人もいるかも知れませんが。
人は、どちらが心地よいか、置かれている状況に耐えられるかどうかでその行動を決めるのです。
ではAさんはあれほど「東京に住みたい」と思っておられるのになぜ東京に移り住みたくないのでしょうか?
Aさんはリクエストの中で「親の願いを聞き入れて地元に戻って就職した」と書かれていますね。
どうやらAさんはご両親の思いを振り切って地元を離れる事が心のどこかで引っかかっているようです。
そして、それを感じないために偶然に起こった不幸を「自分が東京に行こうとすると何か不幸が起こる」と関連を付ける事で、東京に移り住まない合理的な理由を見つけ納得する「合理化」を行っておられるのです。
「合理化」は、それを感じると辛くて感じたくない感情に蓋をする目的で、私達もよく使います。
例えば、誰かとケンカしたとき「だって、あいつだってあんな事をしたじゃないか」と考えてみたり、何か失敗をしたとき「だって私には難しすぎるから」などと考えてみたりと枚挙にいとまがありません。
Aさんのもう一つの問題は、全ての出来事を「東京に住もうとする自分のせい」とまるで自分が疫病神(やくびょうがみ)でもあるが如く自分自身で責任を負っておられる事です。
「自分自身のせいで○○になった」という感じ方をする人達の多くは、深層心理の中に、悪い自分(罪悪感)を感じておられる事がとても多いです。
「私が失敗したから取引がうまくいかなかった」
「私が悪いから彼が離れていった」
「私が悪いから子供がこんな風になった」
など、自分の中にある罪悪感を確認するかのように、その状況が起こったのは全て自分の責任と背負ってしまうのです。
確かに、それが期待通りにうまくいかなかったキッカケの1つ、2つは自分が作り出した事もあるかもしれません。
でも、全ての責任が自分にあるかというとそうではありません。取引がうまくいかなかった本質は、商材が悪かったからなのかも知れません。彼が離れていったのは、彼と私の相性が悪かったからなのかも知れません。
全ての出来事というのは、いくつもの関係が複雑に絡み合って生じているのです。
Aさんが晴れて東京に移り住まれるためには、ご自身の気持ちを合理化するのではなく、自分が本当に感じているのは何かを見つめられ、それを受け止めて向き合い、自分の為に今後の選択を行われる事がとても大切です。
そしてきっと、ご両親の思いを振り切って地元を離れる事ができないという事にもAさんの罪悪感が大きく影響している事が理解されるのではないでしょうか?
癒しという意味ではご自身の罪悪感が不要である事を理解し、自分のための人生を生きるという事を納得される事です。