やる気の心理学2(4)~静かに、静かに、~

あなたは「やる気」に対してどんなイメージを持っているでしょうか?

熱く、エネルギッシュで躍動的なイメージを持っている人が少なくありませんが、「継続」する「やる気」というのは、それとは少し趣きが異なります。
ちょっと拍子抜けしてしまうかもしれないそのイメージと、「継続」する「やる気」を感じ取るためのヒントをお届けします。

●「やる気」のイメージ

「やる気」というのは、自分の外側からやってくるものではなく、自分の内側から自然と湧き出てくるものです。

人から強制されて出てくるものではありませんし、自分自身で強制的に出そうとして出るものでもありません。

余談になるかもしれませんが、やる気がない人に「やる気を出せ!」というのは、ヒトという動物に「空を飛べ!」というのと同じくらい、無理な注文です。

そうした注文をする人というのは、「やる気」に対して、「出そうと思えば出る」というイメージを持っているので、そのような注文をするのであって、それ自体が悪いわけでも間違っているわけでもありません。

そうしたイメージを持っている人からすると、「出そうと思えば出る」と思っているわけですからね。

あなたにとって、「やる気」というのは、どんなイメージでしょうか?

人それぞれ違ってくるかとは思いますが、やる気満々の人というのは、エネルギッシュでテンションが高くて行動的であるというように、やる気を感じている時には高揚感が伴い、お腹の底から間欠泉のように噴き出してくるようなエネルギー、といったイメージを持たれている方が少なくありません。

それが間違いであるというわけではありませんが、「継続」する「やる気」というのは、少し性質が異なります。

上記のような「やる気」というのは、瞬発力はあるのですが、継続しません。

間欠泉のように、噴き出す時の勢いはすごいのですが、常に噴き出しっぱなしではなく、時間と共に勢いが落ちていき、次に噴き出すまで出てこなくなります。

「継続」する「やる気」というのは、山の奥深くでチョロチョロと湧き出す湧水のような感じです。

勢いや水量はありませんが、絶え間なく湧き出し続けています。

そのチョロチョロと流れる水の流れを見て「あぁ、水が流れているね」と思うのと同じように、この種の「やる気」を感じている時には高揚感は伴わず、「あぁ、そんな気持ちがあるね」程度のものだったりします。

これは、ひょっとしたらあなたが思う「やる気」のイメージとは違っているかもしれませんね。

もしよかったら、この“湧水チョロチョロ”のイメージを新たに加えてみてください。

それだけで、自分が常にギンギンでないことで自分を責めることがなくなるかもしれません。

●静かに、静かに、

自分の内側から湧き出る興味や意欲といった「継続」する「やる気」を感じ取るには、自分の内側にある“湧水チョロチョロ”の流れをキャッチする必要があります。

その流れは、無いわけでも涸れてしまったわけでもなく、今この瞬間もあなたの心の中を流れています。

それをキャッチするには、心をできるだけ静かな状態にする必要があります。

自分への批判や責める声、叱咤激励の声を張り上げるのをやめ、ただ静かに耳を澄まして聴くということが必要になります。

1人の時間を作る、何もしない時間を作る、静かな場所に身を置く等をして、自分の内側に耳を傾けやすい環境を整えて、静かに耳を傾けてみてください。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。