「いい人」をやめるには、「自分は悪い人」「自分は嫌われる存在」という自己概念を書き換えが求められます。
ところが、自分を愛するのって難しいんですよね。自己嫌悪しているところは特に。
思い込むのでもなく、言い聞かせるのでもなく、自分に嘘をつくのでもなく、心から「自分はいい人だ」と自然に感じられる状態を作るには、自分の中にある誰かや何かへの愛につながることが役に立ちます。
前回は、「いい人」をすることで求めているものを遠ざけてしまうというお話をしました。
今回は、「いい人」をやめるためのヒントについてのお話をしたいと思います。
「いい人」をすることで求めているものを遠ざけてしまうのだとしたら、「いい人」をする意味がありませんよね。
重く息苦しい鎧や仮面を脱ぎ捨てることで、軽く楽になることができるだけではなく、「いい人」をすることで手に入れようとしていたものを手に入れやすくなります。
だから、もうその鎧や仮面を脱ぎ捨てましょう!
…と言われても、脱ぎ捨てるのはなかなか難しいです。
それは、素っ裸で街中を歩くことが難しいのと同じくらい、難しいことです。
じゃあ、どうすれば脱ぎ捨てる決心ができるようになるのでしょうか?
その鍵は「信頼」です。
鎧や仮面の内側の「素の自分」を見られても嫌われないという信頼があると、脱ぎやすくなります。
その信頼は、自分で作り出すことができます。
鎧や仮面の内側に隠している自分のネガティブな側面と向き合い、そうした側面があることを受け入れ、そうした部分を愛することで、「嫌われない」という信頼が作り出されます。
でも、それが難しいんですよね。
それが難しくてできないから鎧や仮面を使って隠したり、自分でやる代わりに自分以外の人、特に、愛してもらいたい人にやってもらおうとするんですよね。
そこで、こんな質問をさせていただくことがあります。
「あなたが自分の自己嫌悪している部分を愛するのと、あなたの大切な人が自己嫌悪している部分を愛するのとでは、どちらの方がやりやすいと思いますか?」
そして、こんな提案をさせていただきます。
「やりやすい方からやってみませんか?」
この質問をすると、多くの人から、大切な人の自己嫌悪を愛する方がやりやすいという答えが返ってきます。
どうして大切な人の自己嫌悪を愛する方がやりやすいかというと、それは、自分の中にある愛につながっている状態だからなのかもしれません。
どうも、自分の限界を超えるチャレンジをする「意欲」や「勇気」というのは、愛の回路を通ってやってくるようなのです。
「信頼」そして「勇気」を得るには、あなたの中にある「愛」が鍵になります。
自分の中にある愛につながっている時、自己嫌悪をすることはありません。
自分の中にある愛につながり、その愛を表現している時だけが、自分のことを好きでいられて、自分のことを心から「いい人だ」と思える時なのかもしれません。
そしてその時が、鎧や仮面を脱ぎ捨てることができる時なのです。
「自己嫌悪をなくそうとするのではなく、自分の中にある愛につながる」
これが、「いい人」という鎧や仮面を脱ぎ捨てるのに、一番楽で速くて簡単な方法になります。
自分は「いい人」ではないと思っている時には、自分の中の「いい人」ではない部分が目が向いてしまいがちです。
その状態から「いい人」をスッパリやめるのには、とてもたくさんの勇気を必要とします。
「いい人」をやっていると、ついつい「ちゃんと」「うまく」「完璧に」やろうとしてしまったりするんですよね。
でも、一度に完璧に且つスマートにやることが目的ではありません。
真の目的は、「いい人」を頑張るのをやめることで、あなたがより楽で自由であなたらしくいられることです。
やりやすいところから少しずつ、あなたのペースで取り組んでみていただければと思います。
あなたが自由とたくさんの「ワクワク」と共に、自分らしく生きられることを願っています。
(完)