今回の心理学講座では、「きき上手」という魅力をアップさせるヒントをお届けします。
「聞く」「聴く」「訊く」「利く」… 日本語には様々な「きく」がありますが、いずれの「きく」も、あなたの魅力となり、その魅力が円滑なコミュニケーションや豊かな対人関係に効きます。
全4回に渡ってそれぞれの「きく」に焦点を合わせ、それぞれの「きき上手」になる秘訣やヒントをお届けしますので、みなさまの魅力アップと豊かな対人関係のお役に立てていただければと思います。
●「きき上手」は「コミュニケーション上手」
今回のテーマは、「きき上手」です。
「きき上手」とひらがなで表記しているのは、日本語には様々な「きく」があり、それぞれの「きく」が上達する分だけそれが魅力アップになるところから、それらをまとめてひらがなで「きき上手」と表記しました。
「きく」というのは円滑なコミュニケーションに役立ち、それが豊かな対人関係を築いてくれるものになります。
「喜び」や「幸せ」というのは、そうして築かれた豊かな対人関係、そしてコミュニケーションを通してやってきます。
「きき上手」になることで、あなたの魅力がアップするだけではなく、「喜び」や「幸せ」もアップするのです。
●「きく」が難しくなる時
「聞く」「聴く」「聴く」「利く」… 日本語には様々な「きく」がありますが、いずれの「きく」も、基本的に他者を必要とします。
「きき上手」になるには、他者との関わり方というのが重要な意味を持っています。
他者との関わりが怖い・嫌い・苦手・面倒くさい・やりたくないなどという状態の時には、「きく」というのが難しくなってしまいます。
また、自立の状態が強ければ強い程、「きく」というのが難しくなってきますし、リーダーの位置にいる人もまた、「きく」というのが難しくなります。
例えば、生徒が学校の英語の先生に「この英単語は、どんな意味ですか?」と聞くのと、英語の先生が生徒に「この英単語って、どんな意味だっけ?」と聞くのでは、どちらが聞きにくいと想像できるでしょうか?
後者の方が聞きにくいと思いませんか?
「そんなことも知らないのか」と責められる度合いは、リーダーの位置にいる人ほど高くなります。
そういう意味では、いわゆる社会的な地位が高い人というのもまた、「きく」というのが難しくなるという側面があります。
●「きき上手」になる秘訣
心理学の言葉を使うと、「きき上手」になる秘訣というのは、自立を手放して相互依存(共同創造)へと、心の成長プロセスを進めることになります。
「自分だけで生きていきます」「人を頼りにしません」「信じられるのは自分だけです」という自立の状態から、もう一度依存を受け入れ、人に対する信頼を取り戻し、他人をあてにして頼る・お願いするというコミュニケーションを通じて、心理的な距離を自分の方から近づいて縮めていくというのができるようになるのが目標となります。
その過程では、自立する際に必要だった感情の抑圧を解き、感情を解放していくという心理的にリスキーな作業を求められるため、抵抗や葛藤が生じます。
簡単ではないことも出てくることがありますが、それらを乗り越えてハートをオープンな状態にしていく過程で経験したことの一つ一つが、あなたに強さや成熟さやオープンといった魅力となって、あなたの魅力がアップするのです。
次回以降は、それぞれの「きく」について紹介したいと思います。
>>>『魅力アップの心理学「きき上手」(2)~「聴き上手」になろう~』へ続く