心理学では、からだが表している症状と意識の間には関連性があって、意識の葛藤はからだに現れると考えられています。
個人差があるものの、生理中や月経前症候群としての心の乱れに関する悩みを打ち明けられる方が、たくさんいらっしゃいますが、生理の周期に合わせて、心が不安定になってしまうのは、一体どんな意味があるのでしょうか?
今回は女性特有の生理時の不安定な心にまつわる心理と対処法についてみてみましょう。
◎リクエストを頂きました◎
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女性であれば仕方のないことなのかもしれませんが、毎月の生理に伴うホルモンバランスで、イライラしたり憂鬱になったり、ハードワークになっちゃったりなどなど、気分を一定に保つことが難しいときが多くて困る時があります。
女性特有のホルモンバランスの心の乱れ(?)に打ち克つような心理学を教えていただけたら幸いです。
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リクエストのように、女性からのご相談の中には、生理中や月経前症候群としての心の乱れに関する悩みを打ち明けられる方が、たくさんいらっしゃいます。
生理の周期に合わせて、心が不安定になってしまうのは、どんな意味があるのでしょうか?
今回は女性特有の生理(月経)にまつわる心の乱れと対処法についてみてみましょう。
●“こころ”と“からだ”の意外な関係
心理学では、からだが表している症状と意識の間には関連性があって、意識の葛藤はからだに現れると考えられています。
からだの部位や症状から発せられるものを比喩という観点でみていくと、それ自体が何を意味するかだけでなく、症状が何を表現しているのかに気づくことができます。
例えば、下記のような部位に起こる不快な感じは、あなたにも思い当たりませんか。
□肩や首筋・・・責任を負い過ぎている。緊張。
□喉・・・自分をうまく表現できていない。感情を抑圧している。言いたいことが言えないでいる。
□胸・・・愛情の欠乏。孤独感。自信喪失。自己嫌悪。
□胃・・・やりたくないことを我慢してやっている。
□下腹・・・不安。怖れ。
このように心の中の葛藤は、周囲の世界で実演(投影)されるだけでなく、体にも表現されるのです。
表面意識では、そんなテーマを自分は持っていないと否認していても、無意識はこのようにからだに起こる症状を比喩として、そのテーマの存在を私たちに教えてくれているようなんですね。
●からだからのメッセージを受け取る
癒しのためにこれらの比喩を用いるなら、生殖器系は、胎児の受精、維持、誕生を司ることから、新しいレベルの誕生ということで創造性を意味します。
この部分にまつわる問題は、誕生させることへの怖れに関係しています。
これは女性に限らず男性にもいえることですが、自分自身を新しいレベルに誕生させることへの抵抗があることを意味し、人生全般への抵抗感を生み出します。
そして、感情的、心理的、性的にもあとづさりさせてしまうのです。
からだの症状が私たちに何かメッセージを伝えようとしてくれているとみた場合、女性特有の生理にまつわるネガティブな心の動きを伴う痛みや苦しみは、女性性の問題が抑圧されていることを教えてくれているようです。
実際に問題となる症状は、イライラや感情的緊張、不安感など、さまざまな気分の浮き沈みが起きるのが特徴ですが、私たち女性の中にある「女性性と男性性のバランスが崩れていませんか?」と言うようなメッセージが込められているようなんですね。
そして、多くのカウンセリングの中で実際に扱った事例でも、女性性の抑圧や心のバランスとしての自立と依存の間で大きな葛藤があることを反映していることがわかります。
また、その多くが親密感とコミュニケーションの問題、セクシャリティーや自己表現に関するもの、コントロールといった問題が隠れているようなんです。
その結果、ハードワークや完璧主義など、役割に関する問題や夫婦や恋人をはじめとした対人関係での競争や諦めといったことが起きていることも多いんですね。
必要以上に頑張り過ぎて自立的に行動してしまっているときは、人とのコミュニケーションや繋がりを円滑にしてくれるはずの依存心や女性らしさを抑圧(我慢)して、男性性を発揮しているときといえるでしょう。
生理痛を比喩としてみた場合、女性であることに対する自己攻撃が潜在的にあったりします。
これらにみられるように「私たち女性の中に抑圧している感情や無意識レベルに存在している問題や心の葛藤を生んでいるものが今ありますよ」ということを生理という浄化や循環のサイクルの時に気づかせようとしてくれているのかもしれませんね。
●自然のリズムを上手に受け入れましょう
私たち女性の中で脈々と繰り広げられる生理の周期は、初潮から閉経を含めて、そのすべてが当たり前で自然なこと。
この素晴らしく偉大で神秘的なプロセスをありのままに受け入れることが、上手に自分のからだや心と付き合っていくカギになるでしょう。
“女性性”というのは本来、“女性らしさ”に象徴される柔らかさ、繋がり、包容力、温かさ、優しさ、慈愛、平和、愛らしさ、無邪気さ、などです。
生理に関する問題(と感じるもの)をホルモンバランスの変化で起こる問題としてみるのではなく、潜伏していた女性性に関する問題を浄化するために何か教えてくれているのではないか?とみたとき、どのように自分に優しくしてあげることができるでしょうか。
●からだのメッセージから受け取る効果的な質問
「このイライラや憂鬱な感じは、私に何を教えようとしてくれているのだろう?」
「このイライラや憂鬱な感じを味わうことがないように、私はどうすればいいのだろう?」
「ちょっと、頑張り過ぎですよ!」
「ひとりで頑張らなくてもいいよ」
「少し、からだを労わったり、休ませてあげてね」
こんな答えが返ってくるのかもしれませんね。
からだや心の状態からのメッセージに耳を傾け、効果的に対処することで、問題からのギフトとして、バランスのとれた、より一層の幸せに向かえるのではないでしょうか。
ご参考にしてみてくださいね。