【癒着】は、自分の気持ちや、本当にしたいこと、生き方、価値観・・などが、自分でもよくわからなくなる状態のことです。
だれかや、何かの影響を強く受けてしまっていて、自分の中の深い真実や、自分の本来の感覚が生かせなくなってしまうのです。
一般に、癒着状態のチームは、協力し合うよりも、互いの足を引っ張り合うことになってしまい、成功を収められません。
心理学的見地からも【癒着】は非常によくないことだとされていますが、実際には、人と人が親密な関係になるために不可欠な、はじめの一歩のようなものでもあります。
【癒着】とは単に慢性化したパターンのことです。行き詰まった人生を悔いる以上に大切なことは、いま新たに、人生の選択権を自分に与え、行動を始めることです。
今回は、【癒着】の性質と、人生の選択権を自分に取り戻すための、はじめの一歩のお話です。
◎リクエストを頂きました◎
===================================
私の母親は早くに両親をなくし、また夫(母から見て)も仕事依存気味だったせいで、長男である私にかなり強く密着してきました。
そのため私は、母親の影響が強くなりすぎて、自分を母親に作り変えられたような気がするのです。
そういう自分が嫌いで、また母親に支配されてきたということで劣等感を感じます。
それとその母親に厳しくしつけられてきたせいか、「自分はつまらない人間」というのが、意識の根底にあり、何をやってもどういう結果を残しても、それが自信に繋がりません。だから消極的な人間になってしまいましたし、それがまた自分を好きになる機会を持ちにくくしているように思います。
自分を好きになるにはどうすればいいのか、教えていただきたいです。
===================================
リクエストをありがとうございました。
ご依頼者の方は、もう長年にわたって周囲に気を遣い続け、へとへとになっていらっしゃるかもしれませんね・・。
ずっと長いこと、自分自身の感覚を後回しにしてこられたのでしょうね。
そして、それが心の癖のようになってしまい、自分を偽っている毎日の中で、自分に価値を感じられなかったり、自分を嫌悪してしまったり、不自由な思いをしていらっしゃるのでしょう。
相手の感情と自分の感情がくっついてしまう現象を心理学の用語で【癒着】と呼びます。
【癒着】は、自分の気持ちや、本当にしたいこと、生き方、価値観・・などが、自分でもよくわからなくなる状態のことです。
だれかや、何かの影響を強く受けてしまっていて、自分の中の深い真実や、自分の本来の感覚が生かせなくなってしまうのです。
一般に、癒着状態のチームは、協力し合うよりも、互いの足を引っ張り合うことになってしまい、成功を収められません。
【癒着】は非常によくないことだとされていますが、実際には、人と人が親密な関係になる初めの一歩のようなものです。
例えば、お母さんと赤ちゃんを繋ぐ、へその緒。生まれたとき、お医者さんが切ってくれますね。
そこから私たちは、母親とは別個の個体になるのですが、感情面ではなかなか別個にはなりません。
小さい子は、お母さんの機嫌が悪いと、その子自体に何か良くないことがあったわけではないのに、不安になってしまいますね。
恋人同士でも、職場の人間関係でも、友達同士でも、感情を共有することはありますね。
これだけだと単に「仲がいい」ぐらいのもので、心配はありません。
問題になっている【癒着】というのは、例えると、「しっかり密着していないと、どちらかが危機的状況になる」というような、【不安感】が土台になっているのです。
例えば、一方が自由を求めて離れようとすると、もう一方は必死でつなぎとめようとします。
危機感を感じている側のつなぎ止め方は、相手を感情的に脅迫したり、劣等感を感じさせるようにコントロールしたりと、大変必死なものです。
気持ちの上で、ですが、【見捨てられること=死活問題】だと感じているからです。
初めはどんなに仲の良い関係であったとしても、癒着状態をそのままにして長期化すれば、両者の間には信頼関係は育たず、うらみつらみの感情を伴うものに変化していきます。
変化しないまま癒着状態に執着しているということは、相手から何かを奪おうとしているだけなのだということに気づかねばなりません。
これは、「自分は被害者で、癒着(執着)された側だ」という認識でいるにせよ、潜在意識のレベルでは同様のことが言えます。
被害者でいること、支配されている状態に心のどこかで何らかのメリットを感じている部分があるのです。
どんな【癒着】もいずれは、傷心と喪失をもたらします。
根強い【癒着】に気づいたら、たった今から、手放すことに取り組みましょう。
【癒着】からの脱却のためにすべきこと、それは、≪自分で物事を決めること≫です。
「今日は何を食べよう」とか、「どんな服を着ようか」とか、日常の小さなことからでいいので、始めましょう。
無意識のレベルでは、私たちは一瞬一瞬、自分の行動に制限をかけてしまっています。
ささいなことから、決断と選択を見直していきましょう。
毎日の習慣になるまで、意識的に徹底しましょう。
小さな一歩一歩が、あなたの自信へと繋がります。
そして、やがて
≪この人生は、私が自分自身で選んで歩いてきたのだ≫
≪これは私の人生だ!≫
こんな感覚がやってきたら、それは、自由、自己愛、自尊心、そして人生の幸せと成功を手にする入口まで、ようやくたどり着いた証です。
自分の身に起きたすべてのことを、まるごと「YES!」と受け入れる姿勢。
人生の新しいスタートは、いつもここから始まります。