「質問」というのは、思考レベルで言葉を使って行われます。
しかしながら、その背景には、心で感じているものという感情レベルのものの影響が大きく反映されています。
心の持つ力学と共に、心が「質問」に与える影響についてご紹介したいと思います。
お付き合いをしている彼に対して、「私のこと好きなのかな?」と不安を感じる時にする質問。
その質問を通して手に入れたいものというのを探してみると、「私のことが好き」という彼の気持ち、その気持ちを感じることができた時の安心感などが挙げられるかと思います。
これが、質問を通して手に入れたいものになります。
「私のことが好きなのかな?」という不安を解消するためにする質問なのですが、心で感じているものや信じているもの、望んでいるものによって、質問の仕方が変わってきます。
心の中に「彼は私のことが好きなんだわ」という信頼があると、「私のこと好き?」という聞き方になります。
それに対して、心の中に「きっと私のことが嫌いなんだわ」という信頼があると、「私のこと嫌いなの?」という聞き方になります。
そうすると、その質問の仕方によって、相手に与える心理的な影響というのも変わってくるのです。
その相手に与える影響によって、手に入るものが変わってきます。
それではちょっと想像してみていただきたいのですが、大好きな人に「私のことが好き?」と聞かれるのと、「私のことが嫌いなの?」と聞かれるのとを比べてみると、どちらの方が気分がいいでしょうか?
その質問に答える時の気分を想像してみると、どちらの質問に答える時の方が気分がいいでしょうか?
大好きな人に「私のことが嫌いなの?」と聞かれると、自分の気持ちが伝わっていないように感じて悲しくなったり、寂しくなったりするような感じがしませんか?
では、続けて想像してみてください。
大好きな人に「私のことが嫌いなの?」と、何回も聞かれたとしたら、どんな気分になるでしょうか?
いくら大好きな人であったとしても、何回も聞かれ続けると、「ウザい…」と感じると思いませんか?
大好きな人なのに「ウザい…」と感じるのは、「きっと私のことが嫌いなんだ」という相手の心の中にある信頼から作り出された「私のことが嫌いなの?」という質問の仕方が、そのように感じさせるのです。
これが、心で感じているものや信じているもの、望んでいるものが質問を通して相手に与える影響なのです。
心の力学の1つに、
「心が感じているものや信じているもの、望んでいるものが現実の状況としてやってくる」
というものがあります。
先程の例にあてはめてみると、心が感じているものや信じているものが「きっと私のことが嫌いなんだわ」というものであると、「質問」というコミュニケーションを通じて、結果的に「ウザい…」と嫌われる結果がやってきます。
このように、「質問」というのは、言葉を使って思考的に行われるものですが、その背景には、心で感じているものや信じているもの、望んでいるものといった感情レベルのものが影響を与えているのです。
よって、よい質問をすることで欲しいものを手に入れるには、その背景にある、心で感じているものや信じているもの、望んでいるものといった部分に目を向けることが役に立ちます。