人の目が気になるという問題を解消していく時、依存的な心の状態と投影に変化を起こすことが役に立ちます。
それらの変化を起こすのに共通して重要なのが『与える』ということです。
何をどう与えていくことで、どんなふうに変わってくるのかを紹介いたします。
人の目が気になる悩みに「投影」が関わっているというのを紹介しましたが、「投影」は、その悩みを解消していくのにも役に立ちます。
投影の法則を逆手に取って、良い影響の投影を作り出していくのです。
この良い影響の投影を作り出していくことと、先に紹介した依存時代の過去の痛みを癒して自信を取り戻すことには、ある1つの共通した重要なポイントがあります。
それは、『与える』ことです。
●与えることと「自分の目」
依存時代の心の状態というのは、「いかにして承認や評価を得るか?」といった、“もらうモード”“求めるモード”が強い状態です。
ところが、自己承認や自己評価ができていないと、いくらもらっても満たされることはなく、「もっともっと…」と、際限なく求めることになります。
「いかにして承認や評価を得るか?」という取り組みから、自分の価値や魅力の部分に目を向けて、自分に承認や評価を『与えていく』という取り組みにシフトすることで、外部の評価や判断に振り回されない、本物の自信が持てるようになります。
そして、投影の影響の部分に関しては、(自分自身のことも含め)誰かを否定したり嫌ったり責めたりするのとは反対の気持ち、すなわち、認めたり誉めたり愛したりする気持ちを『与えていく』ことで、今度はそれが投影されるようになっていきます。
それだけではなく、自分を愛して自尊心が高まる分だけ、自分を愛する気持ちや尊重する気持ちを相手に投影して、相手から愛されていたり敬われていたりするように感じられるようになったり、相手のその気持ちを受け取りやすくなります。
昔自分のことを嫌った誰かと、昔誰かを嫌ってしまった自分には、許しを『与える』ことでネガティブな感情が解放されます。
そうすると、昔誰かを嫌ったり誰かから嫌われた昔の自分が、昔の誰かの化身のような相手と接するのではなく、今の自分が、今、目の前にいるその人と接することができるようになります。
そして、今ある対人関係の中で、目の前の人に承認や評価や賞賛、感謝の気持ちなどを『与えていく』ことで、「私が承認や評価や賞賛、感謝の気持ちを持っているのと同じように…」という枕詞の後、「相手も同じように見てくれているだろう」という投影が作用するだけでなく、良好な対人関係を築いていくことができるようになります。
・『与える』ことで自尊心を育むこと。
・承認や評価や賞賛、感謝の気持ちを『与える』ことで、良い影響を与える投影を作り出すこと。
・良い影響の投影を作り出すだけではなく、実際に相手に『与える』ことで、実際に良好な対人関係を築いていくこと。
こうして『与える』ことで、これまで人の目が気になって問題になっていた部分が、「見てくれていてうれしい」と喜びや幸せに変わっていくのです。
このように、人の目が気になるという問題を解消していくには、「自分自身や他の人を見る時に、どんな目でその人を見ますか?」という『自分の目』、そして、『与える』ことが重要なポイントになります。
(完)