亭主関白な旦那様というのは、日本には結構いらっしゃいますよね。
「新聞もってこい!」「メシは、まだか!」「俺の言うことは、正しいんだ!」どうして、そんなに偉そうに言うのでしょうか?
まるで、わがままな子供のように、人の事はおかまいなしに、命令口調で要求します。その要求に応える奥様は、とても大変です。
そして、そんなに偉そうにして何でもいう事をきいてもらっているのに、どうして浮気をするのでしょうか?
実は、亭主関白な旦那様は「○○して欲しい」と、お願いができないのです。そして、欲しいと思っているものを奥様からもらえないので、浮気をしてしまうのです。
◎リクエストを頂きました◎
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(一部を編集させていただいています。)
夫は結婚当初から自己中心的な人で、亭主関白を気取っています。
私も気が強いほうなので最初はよくケンカしましたが、何年も経ってくるうちに私も疲れてきて、酷い事言われても聞き流す・譲歩する・我慢する・・・
すっかり夫の意思が通ることがほとんどの夫中心の家庭になりました。
そんな力関係が 夫>妻 の状態で、夫が浮気しました。
私は、男性の心理を汲み取って上手に取り成したり、操ったりなんて事が全くできません。
浮気発覚後、私なりに努力してみましたが効果は無かったです。
「関白亭主の浮気の心理」「関白亭主の浮気がばれた後の妻に対する心理~離婚したい場合・したくない場合の違い」などを、知りたいと思っています。
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カウンセリングでご相談いただく中で、特に多いのが浮気問題や、夫婦の関係性についての問題のように感じます。
そこで今回は、いただいたご相談の中から、亭主関白な旦那様の浮気について、ご説明させていただきます。
まず、亭主関白と言うと、とても偉そうで家庭の実権を握っている独裁者のようなイメージがあるかと思います。
「メシはまだか!」「それは、俺の大切な物だ。触るな!」「お前は黙っていろ!」
などと、とても高圧的で、相手を力でねじ伏せようとしているかのような口調で、奥様に命令するような感じですよね。
では、先程の亭主関白の旦那様が言った台詞を、少しだけ変えてみましょう。
「メシはまだか!」→「僕のおやつはまだなの!」
「それは、俺の大切な物だ。触るな!」→「それは、僕のおもちゃだ!触っちゃだめ!」
「お前は黙っていろ!」→「僕のいう事をきいてよ!」
どうですか?亭主関白は見事に、偉そうな子供の台詞になってしまいます。
ご相談者である奥様は、そんな偉そうな子供のいう事を聞いてあげるお母さんのような立場になっていたのかもしれませんね。
それぞれ個々の状況や環境が違うので、一概には言えませんが、幼い頃、母親が何でもいう事を聞いてくれたという人が、亭主関白になるケースがあります。
幼い頃に、母親に向かって言っていた「僕のおやつはまだなの!」が、奥様に対して発する「メシはだまか!」になるわけです。
また逆に、母親が何もいう事を聞いてくれなかったという場合もあります。
何も聞いてくれなかったから、奥様に代わりにいう事を聞いてもらおうというパターンですね。
どちらにしても、奥様に母親の代わりをしてもらおうという事です。
ご相談者の旦那様は、何でもいう事を聞いてくれる(ニーズをかなえてくれる)母親役を、手に入れることは成功したのかもしれませんが、その分奥様は、ひどい事を言われても聞き流し、譲歩し、我慢する(ニーズを我慢する)という状況になってしまったわけです。
奥様の側は、とても犠牲的になってしまったのかもしれませんね。
「私の意見を言っても、どうせ聞いてもくれないし、我慢しよう。」
「ああまた言っている・・・反論しても怒るだけだから、聞き流そう。」
「本当は私はこっちがいいけど、それを言うと怒るから、譲っておこう。」
このように、夫婦の片方が自分のニーズを一方的に相手にかなえてもらおうとしていると、もう片方は、犠牲的になって自分のニーズを我慢してしまう場合があるのです。
この状況は、一見すると夫>妻の力関係に見えますが、実は、奥様が負けてあげている状態なのです。
では、自分のニーズを一方的にかなえてもらって満足しているはずの旦那様が、どうして浮気をするのか?
浮気には、不足原理があります。
満足しているはずの旦那様にも、まだ何か奥様からもらえていないと感じているものがあるのです。
それは、個々によって違うので、ここでは一般的に多いものを書かせていただきますが、「尊敬され、信頼されている感覚」「くつろげる安心感」「女性らしい優しさ」などが多いですね。
例として書かせていただいたものは、母親からはもらいにくいものです。
自分のパートナーである奥様から男性として愛してもらいたいという願いかもしれないですね。
ご相談者の旦那様が、何に不足を感じているかは、わかりませんが、何か不足を感じていて、不足している分を、浮気相手から調達しようとして浮気に走ったというのが、関白亭主の浮気の心理だと考えられますね。
では、「関白亭主の浮気がばれた心理」ですが、これに関しては、関白亭主であるかどうかは、ほとんど関係ありません。
浮気がばれれば、(ばれていなくても)罪悪感を感じます。
偉そうな態度かもしれませんが、浮気をした側は、罪悪感を感じているのです。
ただ、関白亭主で、普段から偉そうな態度をしているわけですから、「申し訳ない。俺が悪かった。」とは、言わないと思います。
「お前から、これをもらいたかったんだ。」と言ってくれれば、旦那様が不足と感じているものがわかるのですが、普段から偉そうにニーズをかなえてもらおうとしている関白亭主ですから、弱みを見せるようなことは、できないと考えられます。
ですから、浮気発覚後もおそらく態度は、偉そうなままです。
でも、何かしら奥様に与えて欲しいと願っているものが、必ずあるのです。
その与えて欲しいと思っているものを、うまく与えてあげることができたら、離婚したいと思っていても心は変化しますから、あえて離婚したい場合と、したくない場合では、区別せずに書かせていただきます。
何か不足を感じて、浮気をしてしまった場合、奥様から調達できるものと、浮気相手から調達できるものの2種類のものが存在するわけです。
例えば、奥様からは「全てを許してくれる母親のような愛」を、浮気相手からは「自分を男性としてみてくれる女性としての愛」を調達しているとしましょう。
実は、どちらも欲しいものなので、選べと言われても選べない。どちらか一方を選ぶということが、できないのです。
でもこれは、両方を奥様から調達できないと思っているからなんですね。
もしも、奥様から両方を受け取る事ができたとしたら、旦那様は浮気する必要がなくなるわけです。
関白亭主というのは、自分のニーズを表現するのが、とても下手です。
何かをして欲しいと思っていても、素直に「○○して欲しいんだ。」とお願いができないのです。
ですから、浮気発覚後も「許して欲しい。」とは、なかなか言いません。
たとえ心の中で思っていても、口に出せないのです。
さて、浮気した関白亭主との関係修復を望むのであれば、彼らのわかりにくいニーズを満たしてあげることが望ましいでしょうね。
偉そうな態度をどうしてとるか?
認めて欲しいのでしょうし、尊敬して欲しいのでしょうね。
「あなたは素晴らしい。」「あなたは、頼りになる。」と言って欲しいのかもしれませんね。
そのニーズが満たされた時に、関白亭主は偉そうにニーズを表現する必要がなくなります。
また、不足を感じて浮気をしたものを、奥様が与えてあげられるようになれば、浮気もする必要がなくなります。
ニーズの表現方法ですが、自分でやってみるとなかなか難しい事に気付きますよ。
「○○してよ!」と、相手に要求して突きつけるような方法を、私達はよくやっています。(関白亭主の表現方法です)
その表現方法では、命令されているようで、やってあげたいとは、なかなか思いにくいものです。
また、「どうせ、やってくれないから・・・」と、諦めて表現すらしない場合もあります。(ご相談者の状況です)
まずは、ご自分でニーズをうまく表現する体験をしてみましょう。
そうすれば、どうして相手がそんなに下手なのかが理解できますよ。