前回は、私が愛されない理由というのが、無価値感と罪悪感という2つの感情から作られていること、そして、これらの感情をや理由を元に愛されるための努力をしてもうまくいかないことをご紹介しました。しかし、「愛されない」と感じる理由はそれだけではありません。
今回は、その努力が報われない理由とも関係している、「愛されない本当の理由」についてご紹介します。
前回、どうして愛されないんだろう?というその「愛されない理由」の背景には、無価値感と2つの感情が関係していることをご紹介しました。
「愛されていない」と感じた時、これらの感情をベースにした「愛されていない理由」を探し、それを元に愛されるための努力をするようになるのですが、その労力ほどは報われない状態になることが少なくありません。
どうしてうまくいかないのでしょうか?
一つは、無価値感や罪悪感といった感情を持ち続けていると、「愛されている」というのが感じられなかったり、受け取れなくなってしまうからです。
自分の中にあるそうした感情に向き合って、それらの感情を解放していくことで、「愛されている」と再び感じられたり、受け取れるようになります。
しかし、うまくいかないのは、それだけではありません。
「私が愛されない」と感じるのには、別の理由があるのです。
その理由は、「私が愛されない本当の理由」ともいえる、より本質的な部分になります。
●私が愛されない本当の理由
「私が愛されない本当の理由」というのは、心理学でいう「投影」が関係しています。
「投影」というのは、自分の感じていることや思っていることを自分以外の人や物に映し出すという見方や考え方です。
「私が愛されていない」と感じるのが、投影から起きている事象なのだとしたら、私が相手から愛されていないと感じるのは、私が相手を愛していないからなのです。
“自分が相手を愛していない”というのを相手に投影して、“相手に愛されていない”と感じ、また、“相手を愛していない私”を自分自身が愛することができない分だけそれを相手に投影し、“自分でも愛せないような私が相手から愛されるはずがない”と感じて、相手から愛されていたとしても、それを感じられなかったり、受け取れなかったりするのです。
『自分が(自分自身も含めて)誰かを愛することをしていないこと』
これが、私が愛されないと感じる本当の理由なのです。
よって、「私は男性に愛されない」と感じる時には、実は自分が男性を愛していない状態があり、「職場の人に大切に扱われない」と感じる時には、実は自分が職場の人を大切に扱っていない状態があり、「私は誰からも気にかけてもらえない」と感じる時には、実は自分が誰のことも気にかけていない状態というのがあります。
「私が愛されていない本当の理由」を聞いて、どんな気分になりましたか?
「自分が愛していないから、愛されていないと感じるんだ」と聞いて、どんな気持ちになりましたか?
おそらく多くの人は、不快な感情を感じられたことと思います。
私達は、自分が誰かを愛していないことというの状態をとても嫌い、できるだけそれに触れないようにします。
それは、嫌な気分になるからなんですね。
その嫌な気分を詳しく見てみると、罪悪感を感じていることが多いようです。
誰かを愛していないことに罪悪感を感じるということは、裏を返すと、その罪悪感の分だけ、「誰かを愛したい」という欲求があるということです。
(そして、誰かを愛したいという欲求というのは、あなたの持つ「愛」そのものと言い換えることができます)
「私が愛されている」と感じられるようになるのに一番大事なことは、この「誰かを愛したい」という欲求を満たしてあげることなのですが、この嫌な気分に触れないようにするために(これを心の防衛作用といいます)、「私には愛される価値がないから」「私は愛されるほどいい人間ではないから」といった無価値感や罪悪感、その他「自分が愛する」こと以外の部分に意識が向き、本質的な部分へのアプローチが難しくなり、その結果、愛されるために努力をしても、その労力ほどは報われない状態が生じてくるのです。
最終回は、愛されているのを感じるために必要なこと、そのアプローチやチャレンジについてご紹介します。
>>>『どうして愛されないの?(4)~愛されていると感じられる秘訣~』に続く