「八つ当たり」されやすい私はどうしたらいいの?

「八つ当たり」についてご相談をいただきました。

自分自身のことを指摘されているうちに、いつの間にか他人に関することまで、ぶつけられてしまう・・・ということがありませんか?
「八つ当たり」してしまう心理、「八つ当たり」されやすい人とされにくい人がいるとしたら、なぜ自分は「八つ当たり」されてしまうのか?
「八つ当たり」に潜む心理と、「八つ当たり」されないためにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。

○リクエストをいただきました。
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私は人から八つ当たりされやすいのですが、なぜなのでしょう?

いつものパターンとして、親しくなって仲良くなった人から、私に対しての忠告や何かと一緒に、全く関係ない第三者への怒りをぶつけられて困惑します。
怒っている本人は、そのことに気づいていないように感じますし、ひたすら怒った後はすっきりするようです。
私に対する忠告は納得して聞けますし、ありがたいとも思いますが、それ以外に関しては納得できずに後から悶々としてしまい、最終的にその人を嫌いになってしまい、関係が悪くなってしまいます。

八つ当たりする人の心理と、八つ当たりされなくなるにはどうしたらいいのか知りたいです。
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「八つ当たり」に関するご相談をいただきました。

●「八つ当たり」とは?

「八つ当たり」とは、目の前にいる相手には関係ない人・モノ・状況・・・に対する怒りを、ぶつけたり、ぶつけられる状態、のことを言います。

された方は、当然ながら「なんで私にぶつけるの?」「私には関係ない!」と、感じますよね。
ところが、している方は、関係ない相手へぶつけていることに気づいていないことが多いようです。

●なぜ「八つ当たり」が起きるのか?

例えば、東京のイタリア料理店で食事をしているとします。イカ墨パスタが大好きなので、注文したところ、とてもおいしかった!

すると、「あ、イタリアに行ったときも、イカ墨パスタを食べたけど、アレと同じぐらいこのパスタもおいしい!」と思い出すことがありますよね。

「おいしい!」という味覚が、イタリアでの記憶を連想させ、今日、東京で食べたパスタが本場のイタリアで食べた逸品と同等になる感覚です。

これと同じように、あなたに対して感じた怒りの種類と、他者に対して感じた種類が同種であって、「怒り」という感情が芋ずる式に出てきているのです。

●八つ当たりされやすい人とされにくい人がいるとしたら?

心理学では、自分の周りで起きていることは自分が作り出している、と仮定して考えます。

ご相談者の例ですと、自分のことではないことについて怒りをぶつけられるわけですから、当然納得もできませんし、気分が悪くなり、ぶつけてきた相手との関係性も悪化しています。
八つ当たりをされることで、自分にとってつらい状況が作られているわけです。

ということは、他人を使い、あなた自身が自分を攻撃させている、と考えることができます。

ここにはあなたの「自己価値」に関わるテーマが潜んでいます。他人の問題を使ってまで自分をひどく扱っているのです。
長期的なテーマとして、あなたの自己価値を高める、ことが必要でしょう。

極端な例えになりますが、自分がある国の王様や女王様だと思ってください。王様や女王様に、八つ当たりする人はいるでしょうか?いませんよね。
自己価値を高めるというのは、究極は自分自身が自分の王様・女王様であること、だと思います。

それに、八つ当たりされやすいということは、相手の怒りを引き受けてしまうぐらい、あなたは優しすぎるということでもありますが、けしてあなたにとって心地いいことではありませんよね。

●「八つ当たり」に、どう対処していけばいいか?

もし八つ当たりをされているなと感じたら、まず「これは私が引き受けるべき問題ではない」「私は他人の問題を使って自分を攻撃することや自分を不愉快にさせることを手放す」という決意を何度もやってみましょう。

あなたが引き受けないと決めるだけで、その心的なエネルギーはおのずと相手に伝わります。

他人の問題について話が及んだとき、あなたがそれについてコメントや評価をしない、という態度がいいと思います。あなたが触れてしまうと、八つ当たりが始まったり継続したりします。

実は、八つ当たりした方も、その場では自覚がなくても、関係ない人に怒りをぶつけてしまったことで、後々になって罪悪感や自己嫌悪にハマったりします。

あなたの周りにいる人にそんな思いをさせないためにも、まずはあなた自身が「引き受けない」人になることからスタートしてみてください。

この記事を書いたカウンセラー