自分を変えたい(1)~変えようとすればするほど苦しくなってしまう!?~

カウンセリングの中で「自分を変えたい」というご相談をいただくことがあります。

「過去と他人は変えられない」「未来と自分は変えられる」と言われたりしますが、問題をクリアしていくのに自分を変化・成長させるというのは非常に有効なアプローチと言えます。

そうして、自分を変化・成長させることで今の状況を変えていこうとする中で、「自分を変えたいけど変わらない」というご相談をいただくこともあります。

今回の心理学講座では、「どうして自分を変えたいのか?」というところから「どうして自分が変わらないのか?」、そして「どうしたら自分が変わるのか?」というのを、心の中でどんなことが起こっているのか?という部分から見つめてみたいと思います。

カウンセリングの中で「自分を変えたい」というご相談をいただくことがあります。

「過去と他人は変えられない」「未来と自分は変えられる」と言われたりしますが、問題をクリアしていくのに自分を変化・成長させるというのは非常に有効なアプローチと言えます。

そうして、自分を変化・成長させることで今の状況を変えていこうとする中で、「自分を変えたいけど変わらない」というご相談をいただくこともあります。

今回の心理学講座では、「どうして自分を変えたいのか?」というところから「どうして自分が変わらないのか?」、そして「どうしたら自分が変わるのか?」というのを、心の中でどんなことが起こっているのか?という部分から見つめてみたいと思います。

●変えようとすればするほど苦しくなってしまう!?

自分を変えようとする時、多くの人が自分の中の嫌っている要素を否定して、切り離したり隠したりして、別の要素を付け加える形で自分を変えようとします。

具体的には、「今のこんな暗い私は嫌だから、○○さんみたいにいつも明るい人になりたい」といった感じです。

このやり方で自分を変えようとすると、自分の変えたいところ=自己嫌悪しているところに目を向けることになります。

例えば、「彼に依存的になり過ぎていたために彼とうまくいかなくなって、彼が他の女の子のところに行きそうになっている」という問題があったとします。

それをカウンセリングで相談したところ、「彼を変えることはできませんが、あなたが変われば問題をクリアすることができますよ」と言われたとしたら、「自分を変えよう!」と思いますよね。

そうして、自分を変えるチャレンジが始まります。

いざ、自分を変えるチャレンジを始めると直面するのが、「依存心が強くて彼に依存しすぎている自分」という、問題の原因であり、自己嫌悪や自己攻撃をしている部分でもあるところになります。

この部分に直面すると、とても嫌な気分になります。

「この部分があるからうまくいかなかったんだ」
「うまくいかなかったのは、この部分があるからなんだ」

と、そんな部分を持っている自分のことをとても厳しく責めてしまい、嫌ってしまうために、嫌な気分になってしまうのです。

そうして自己嫌悪の部分にきちんと向き合うことができたら、それだけでもすごいことで、きちんと向き合って直視できないことも少なくありません。

それは、きちんと向き合って直視できないくらい、その部分を嫌っているという証でもあります。

だから、自分の中の自己嫌悪の部分と真正面から向き合って、「自分の中にそんな部分があるんだ」「それが私なんだ」と受け入れるのには、大変な労力を要します。

大変な労力の末に向き合うと、それは自分でとても嫌っている部分なので、きちんと向き合ってきちんと正視するほどに、嫌な気分がどんどん大きくなって襲いかかってくるのです。

(ちなみに、この部分に真正面から向き合えない時には、「彼がもっと私の依存を受け入れられるようになればいいのよ」とか「私がこんなに依存的になったのは、親の育て方が悪かったからだ」と、自分以外の人に変化を求めたり、自分以外の人を責めたりといった形で出てきます。)

自分を変えようとして苦しくなってしまったり、うまくいかなくなってしまう背景には、こうした心の動きがあります。

そして、自分自身の自己嫌悪の部分を無くさないといけないというふうに思ってしまうのです。

しかも、依存的な部分を少し減らすだけでいいのかもしれないのに、0(ゼロ)にしなければならないと思うのです。

これは、完璧主義の部分が強いほど、そのように感じてしまいます。

しかしながら、実際のところ、全く依存心を持たない人というのはいませんよね。
大袈裟かもしれませんが、人が人である限り持っているものと言っても過言ではなく、それくらい、誰の心の中にもある感情や欲求なんですね。

それを0(ゼロ)にするというのは、超人になろうとするようなもので、あまり現実的ではありませんし、結果的には失敗してしまいます。

そうすると、失敗感と共に自信や意欲を喪失し、自己嫌悪と怖れが大きくなってやってきてしまいます。

こうして、頑張れば頑張るほど苦しくなっていって、自分を変えるのが困難に感じるようになるのです。

>>>「自分を変えたい(2)~自己嫌悪を無くしても自分は変わらない!?~」へ続く

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