安定を求める結婚生活に子どもが誕生すると、お互いが「パパ」と「ママ」になり、同時に「男」と「女」ではなくなってしまうんです。
その言葉の魔力により、家族になった分だけ恥ずかしさが生まれてお互いの壁となり、セクシャリティがタブーになってしまうんです。その結果、セックスの問題が生まれやすくなります。そこを回避する、ちょっと勇気ある提案と、深層心理をご紹介します。
結婚後に生まれる慢心と安心。そして、大きな長男と良く出来た母親。
恋愛中は「何かあれば振られてしまう」とか「好きだから嫌われたくない」という怖れがたくさんありました。
だから、頑張れた事もいっぱいあるんです。
でも、そこで気を使いすぎると、結婚後に、その反動で、怖れが「もう大丈夫」という安心・慢心にかわり、相手の存在に胡坐をかくようになります。
今は離婚も多いし、気を抜けば浮気だって簡単にされてしまう時代と頭では分かっていても、つい、そこに甘えが忍び込みます。
そして、子どもが生まれると、夫は「大きな長男」に早変わりしてしまうところも多いでしょう。
男性は常に「母親」を求めます。
自分を面倒見てくれる存在。それがあって初めて、外で安心して仕事ができるような気がするのです。
特に日本には古来から女性が力を持ち、男性が家を守る女性に依存する文化がありました。
すなわち、自分が安心して住める「家」が「妻」の代名詞のようなものなんです。
子どもが生まれると、いつしかお互いを「パパ」と「ママ」と呼ぶようになります。
子どもの「パパ」なので、奥さんの「パパ」ではないはずなのに。
(夫婦の関係性に悩んでる方には、場合によってはお互いの呼び方を、独身時代のものに戻すように提案することがあります。シンプルなやり方なんですけれど、とても恥ずかしく、抵抗が大きい分、効果も大きいお勧めなアプローチです)
言葉には魔力がありますから、「ママ」と呼ばれると、旦那が徐々に「息子」に見え、少々粗相をしたとしても、「しょうがないわねえ」と子どもをあやすように反応してしまうんです。
言葉はとても大事。
できれば夫婦は名前で呼び合いたいもの・・・その方が、お互いを一人の人として尊重してあげられると思いませんか?
●夫婦の間に潜む“恥ずかしさ”の壁
そうして夫婦というより、男と女というより、「家族」としての絆が深まってくると、やがて二人の間に「恥ずかしさ」の壁が生まれるようになります。
女性陣に言うと結構怒られるんですけど、「奥さんがスケスケのセクシーな下着を着けてたらどう思う?」と夫に聞くと、「正直気持ち悪い」「ちょっと困る」「何で?と思う」などの反応がかえってくることも意外に多いんです。
でも、意外に逆も然り。
あるご主人は会社のパーティーの景品で“ビキニパンツ”を当てちゃったそうなんですね(ほぼ罰ゲームみたいなものだったそうですが)。
で、家に帰って、酔った勢いで、それを履いて奥さんに見せたそうなんです。
「どう、俺ってセクシー?まだいけるんちゃう?」って。
でも、その奥さんに「いいおじさんが何してるのよ」と冷たく突き放され、彼はすっかり酔いが覚めてしまったそうです。
なぜかというと、パパ化・ママ化している夫婦は、まるで自分の母親や父親が色気づいているような感じがしてしまうんです。
私達にとって親のセクシャリティは最大のタブーです。
だから、奥さんに母親を、夫に父親を強く投影している夫婦は、お互いのセクシャリティを非常に嫌悪しやすいのです。
そうして恥ずかしさが夫婦の間に生まれると、セクシャルなもの、色気のあるものがタブーになります。そして、セックスレスになってしまうんです。
(でも、欲求はあるから、家じゃなくて外にそれを求めると浮気、風俗、ホストクラブなどの問題になるんですね)
また、セックスはあってもお座なりな、性欲処理のための、あるいは、夫婦の儀式の一つとして粛々と行われるところも多いです。
そういう意味で、レスだったり、セックスに満足感が得られない夫婦というのは、けっこう潜在的に問題が進行しているとも言えるんです。
その結果、こうした不満が離婚や浮気へと突き動かされるのです。
>>>『結婚するとどうしてロマンスがなくなってしまうんだろう?(4)』へ続く