前回までは、投影の心理から、人に嫌われてしまったと思う時の心理を紐解いていきました。
今回は、また少し角度を変えて、依存心の心理から紐解いていきます。依存心が強いくなると、なぜ人の顔色が気になるのか、またどう成長していくことで人の顔色が気にならなくなっていくのかを解説します。
●前号のあらすじ
人に嫌われていないと思う投影を作るために、良い投影を作っていきましょう! という内容と、依存的なマインドが強くなっている時も、嫌われる恐れが強くなるという内容をお送りしました。
●依存的な人付き合いからの脱出
依存的なマインドが強いと、相手にどう思われているかとても気になります。
ですから、自分が心地よい気分で過ごせるか、しんどい気分で過ごすのかは、相手次第になってしまいます。
相手の動向によって、自分の気持ちが左右されてしまうわけです。
自分の気持ちなのにも拘わらず、自分の気持ちが、心地よくなるのか、不快になるかが、相手の動向に支配されるのは勿体(もったい)ないように思います。
もらいたい気持ちが強く、相手の動向が気になる心が作られるわけですから、逆に、与える気持ちを強く持とうとすることが、テーマになります。
相手から好きになって貰いたい、受け入れて貰いたいなどの、“貰いたい”から、相手を好きになってあげたい、受け入れてあげたい、自分から声を掛けて近づいてあげたい、相手を楽しませてあげたい、などの、相手に何かを与える気持ちを持ってみようとするんです。
貰う側ではなく、与える側になってみようとしますと、徐々に心が成長していき、依存的なマインドが手放されていきます。
すると、“相手にどう思われているかが気になってしまう度”のメモリが、徐々に減っていき、さほど気にならなくなっていきます。
だんだん、楽な人付き合いになっていくでしょう。
●受け取ってもらった時の反応が気になる時は、何かをもらおうとしている時
相手を好きになってあげたい、受け入れてあげたい、自分から近づいてあげたいと、自分から何かを与えにいく姿勢は、心を楽にしてくれます。
しかし、相手の反応が気になることが、あるかもしれません。
『近づいていって鬱陶しいって思われないかな?』などです。
相手の反応が気になる思いが強い時は、“何かを与えるから何かを貰いたい”という気持ちが、隠れている可能性があります。
例えば、『話しかけたりして、私から近づいてあげるから、私のことを好意的に思って欲しい』などの、貰いたい気持ちです。
与えるモードになっているようで、実は、もらいたいモードのままだったりするんですね。
相手の反応が気になる時は、もらいたいモードを隠し持っていないか、自分と向かい合って、心をチェックしてみるといいでしょう。
気付くことができれば、手放すこともできますから。
“他人にどう思われたいか”から、“他人のことをどう思ってあげたいか”に、意識を向けられる自分に、成長してみようとしますと、徐々にこころが成熟していき、恐れを手放していくことができます。
きっと、自分のことを、今よりもっと好きになっていることでしょう。
(完)