リクエストにお答えして「執着を手放す」プロセスを紹介させて頂きます。
失恋や離婚だけでなく、仕事や趣味、嗜好など、あなたにとって大切なものを失ったとき、あなたの心の中には多少なりとも「執着心」が生まれてきます。それは私達の心を苦しめ、束縛し、自由を奪ってしまう辛い感情なんですね。
カウンセリングでも、様々な局面でこの手放しが必要な場面が出てきます。それは夫婦関係であっても同じこと。なぜなら、「手放す」ということは「別れる」ということは必ずしも同義ではないからです。
今回は連載(4回完結)を通じて、執着してしまう理由を考え、どうして手放すことが必要なのか?手放しにくくする条件を解説。さらには、私がカウンセリング(セラピー)の中でよく用いる手法の紹介しながら、手放した後にあなたが得られる幸せについてご紹介していきたいと思います。
◎リクエストを頂きました◎
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大好きだった彼を助けてあげたい、力になりたいと思って行動したのですが、残念ながらうまくいかなくなってしまいました。
そのため、新たな気持ちでスタートするために彼を手放そうとしています。
ですが、手放そう、手放そうと思えば思うほど彼を思い出したり、また彼が戻ってくるんじゃないか?と期待をしてしまうんです。
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●執着をなかなか手放せないのはなぜ?
パートナーシップでも、ビジネスでも、友達でも、自分にとって大切な何かを失ってしまうと自然と執着心が生まれてくるものです。
そこにはもちろん愛着、愛情といったポジティブな気持ちもありますが、一方では、慣れや惰性などの習慣性からくる執着もあります。
(つまり、一緒にいるのが当たり前だったから、いないのが苦しい、という感じ)
執着心というと、どろどろした、重たく、しんどい感情をイメージされるかと思いますが、情が沸いた分だけ自然と出てくるものですから、ごく当たり前な感情として捉えられる方がいいかと思うんです。
「あれ、惜しかったよなあ」とか「もし、ここにあいつがいたらなあ」とふと思い出すのも弱い執着心といえ、また、「あの時こうしておけば・・・」という後悔の念も広い意味で執着の一つの表現と言えるでしょう。
カウンセリングでお会いする方の中には、元彼に執着している自分を酷く嫌ってる、手放せない自分を攻撃している場合も少なくないんですね。
そういうお話を伺ったときに僕は
「それくらい好きだったわけで、執着が残るのもある意味当然といえば、当然です。聖人君主じゃないんですから、別れて、はい、さよなら、とはなかなかいかないものですよ」
なんてお伝えしています。
特にリクエストを下さった方のように、彼を助けたい、愛したい、という気持ちが強いと、その対象を失った痛みもすごく強く残るんです。
私達は愛を受け取ってもらえない時にすごく傷つきます。
だから、自分の愛のエネルギーの持っていく場が見つからずに「誰か私の愛を受け取ってください」と彷徨っている感じになるんですね。
だから、ある人は元彼を忘れるために他の人と半ば無理やり付き合って、でも、やはり誰も元彼の代わりなど務まらないので、また深く傷ついてしまいます。
また、彼を助けたかったのに助けられなかった、という罪悪感があると、自分を苦しめることで、それを罰としてしまうことも少なくありません。
つまり、大好きな彼をまるで見殺しにしてしまったような感覚があるわけです。
「私が力になってあげなかったのに、力不足なばっかりで・・・」と思うんです。
そして、そんな罪人の自分は幸せになってはいけない、と思ってしまうのです。
でも、本当はそんなことないんですよ。
あなたもそのままで幸せになっていいんです。
自分を牢屋に閉じ込めておくのも、また自分です。
その罪悪感の牢獄から解き放って自由になってもいいんです。
そのことを何度も自分に教えてあげること。
それが執着を手放す大切なアプローチになるんです。