どうしてトキメキが無くなってしまうの?~ロマンスを取り戻す方法~

どんな関係性でも、落ち着いてきたり、慣れてしまうとトキメキが無くなるデッドゾーンに突入してしまいます。

その背景にある意外な心理とロマンスを取り戻すアプローチ、プロセスをご紹介します!

●トキメキ(ロマンスの感情)からデッドゾーンへ

最初はラブラブだった関係も時間が経つにつれてマンネリ化してトキメキを感じられなくなっていきます。
いつもドキドキしていたデートに“いつものパターン”が生まれて、それに流されるようになり、「つまらないなあ、退屈だなあ」なんて気持ちがお互いを支配するようになります。

多くの恋愛はここで終わってしまい、どちらかが別のパートナーを見つけることになったり、浮気したりするようになります。
でも、結婚していたり、子どもがいたりすると、マンネリしていてもなかなか動く事ができず、「まあ、結婚なんてこんなもの」「夫婦にトキメキを求めるなんておかしい」と自分を押さえ込んでしまうことも少なくないのではないでしょうか?
そして、我慢や抑圧がお互いにとってごくごく普通になってしまうんですね。
そうするとパートナーシップはまるで「我慢大会」のようになってしまいます。

まだケンカやセックスがあるうちはマシで、それらが無くなってきた「デッドゾーン」に入ると相手は空気のような存在になり、お互いが無表情で、いても居なくても同じような感覚になります。
(そして「亭主元気で留守がいい」なんて風になるのかも。)

●トキメキを作るものとは?

恋愛や結婚の始めはどうしてドキドキしていたのでしょう?
もし今パートナーがいらっしゃる方は知り合って、付き合い始めた頃のことを思い出してみるといいかもしれません。(思い出せますか?(^^))

相手の気持ちに自信がなくて不安になったり、自分の気持ちで胸が張り裂けそうになったり、なんとか気を引こうと頑張ったり、デート前には入念にメイクをチェックしたり。

実はトキメキには「これから先どうなるか分からない」という不安や怖れは必須要素なんですね。
分からないところが多い分、不確定要素が多い分、私達はドキドキします。

それはサスペンス映画やミステリー小説でも同じで、分からない、見えない、聞こえないといった不安があるところで私達はドキドキするんですね。
そこに相手への興味や恋愛感情、もっと知りたい、もっと近付きたいという気持ちが入るとトキメキとなるわけです。

ところがその状況が長く続くと、慣れてきたり、相手の手の内が分かって先が読めたりするので不安がなくなるんですね。
サスペンス映画も何度も見て粗筋や展開が分かってしまうと面白くなくなるのと同じです。

●トキメキを無くさせるもの

私達は不安や怖れという感情はとても苦手、嫌いです。
だから、“(早く)落ち着きたい”という気持ちが生まれるんですね。
“落ち着いた関係”というのは、“お互いに信頼ができて受け入れあえる関係”というと聞こえはいいのですが、その実、“安定していて安心できるけれどトキメキがない関係”であることも少なくないんです。

恋愛を重ねてそれに慣れてくると「まあ、彼は○○なタイプよね」とか「あの子は△△な感じ」と枠にはめてしまうことも少なくありません。
もちろん、人生経験を積んで色んなタイプの人と出会った結果かも知れませんが、そうして分析することで安心感を得たい心理が隠れているのかも。

だから「彼は優しいその分、ちょっと優柔不断で、でも、性格的に浮気は絶対しないタイプだわ」と“分かる”(判断できる)と安心して、そういう目で相手を見るようになるんですね。
そうして決め付けてるときは、彼が突然強引に迫ってきたりすると「え?あなたはそんなこと、しない人でしょう?」なんてたしなめたり、まるで裏切られたように感じたりしてしまうんです。

でも、皆さんも誰かから枠にはめられたり、決め付けられるとあまりいい気分がしないように、そうした固定観念は安心感と共に、トキメキを失わせてしまうんですね。

これは「ちゃんと毎日メールしようね」とか「お互い隠し事をしないこと」というルールを作って関係を安定させようとするのも同じことです。
もちろん、それはお互いの信頼関係を創るためには大切なものかもしれないけれど、ルールにしてしまうとただそれを守るだけになってしまい“ルーティンワーク”になってしまうんですね。

仕事でもそうですが、同じことを単調に繰り返すのは安定的ですが、退屈して飽きてしまうものです。
仕事でもしんどいルーティンワークが恋愛にまで進出してきたら・・・ちょっとすごく退屈な人生になってしまうのかもしれません。

つまり、私達は不安が嫌なので“安心”を求めて、お互いの関係性を“安定”させようとします。
そのために相手を枠にはめたり、お互いのルールを決めたりするんですね。
その一方で、不安や怖れもないかわりに、ドキドキやトキメキがどんどん無くなって行きます。
そして、そうした“安定”はお互いの“自由”をも束縛するようになってしまうんです。

●リスクを犯す

そうした安定的な関係では、すべてが分かったような気持ちになり、新鮮味がどんどん薄れていきます。
それはあたかも同じ絵を同じ距離、同じ角度から眺め続けるのと似ているかもしれません。
どんなに素晴らしい景色でも同じところから、同じものをずーっと見続ければやがては飽きてしまいます。
(自然の風景の場合、季節や天気の移り変わりが彩を変えてくれるので飽きないのかもしれません)

ですから、何らかのリスクを犯すことがトキメキを取り戻し、新鮮味を蘇らせるのに役立つんです。
いや、むしろ、何らかのリスクを犯さなければデッドゾーンから抜け出せないと言っても過言ではありません。

ちょっと想像してみてください。

あなたがパートナーに言いたいけれど言えないこと(それは文句や不満でもいいし、感謝や愛情の言葉でもいいです)を、パートナーの目を見てしっかり伝える・・・と。

そこで「相手が向き合ってくれないから、逃げちゃうから」と相手のせいにするのはちょっと横においてみて。

どんな気分がすると思いますか?
ドキドキするかもしれないし、いやぁ~な感じがするかもしれません。
それでOK、何かが動き始めたはずです。

そしたら、今度はパートナーの顔をイメージしてみて、彼(女)を笑わせてみましょう。
やはりどんな気持ちがするでしょうか?

もうちょっと強引にするのならば・・・(このテーマを扱った心理学ワークショップでも意外な効果に皆さん驚いていましたが)、「○○してくれてありがとう!」の○○に当てはまる言葉を10個捜してみてください。
ちょっと無理やりにでも。
そして、それを声に出して言ってみるんですね。
直接相手に伝えるのがベストですが、独り言でもいいです。

きっとまた何か心に変化が生まれるはず。

そうして感情が動き始めるのをあなたはどう受け止めるでしょうか?

このエクササイズはまだリスクが少ない安全な方法なのですが、リスクを犯すというのは、実は怖いものです。
そう、その“怖れ”がドキドキ感を蘇らせてくれるわけですね。

その他にも実用的な方法をいくつかご紹介します。
・相手の喜ぶもの(好物)をプレゼントする(1度ではなく何度も)
・初めてのデートコースを一人で辿ってみる
・同性、異性との新しい出会いを作ってみる
・仕事や習い事を始める
・ファッションの趣味を変える

実は浮気をする要因として、このリスクを犯そうとする深層心理が動いている場合も少なくありません。
退屈し過ぎて新しい刺激が欲しくて、異性を求め、浮気をしてしまう・・・。
それは非常に高いリスクを犯す無意識的な心の選択なのかもしれません。

●心の変化のプロセス

ただ、もちろん、こうした方法ですぐにロマンスが蘇るわけではありません。
簡単に感情の流れ・変化をご紹介すると、まずは「何でそんな事しなきゃいけないわけ?」といった倦怠感やめんどくさい感じがやってきます。
先ほど「いや~な感じでしょうか?」と言ったのは、これを指します。
そして、この倦怠感を越えると次には怒りや不満などの先ほどよりももう少し“熱い”感情が動き出すことが多いはずです。

この辺では絶望や焦り、空虚感などのしんどい気持ちも出て来ることもありますが、何とかそこを越えていくと、今度は得体の知れない怖れが出てきて抵抗が出てきます。
でも、何とかそれをも頑張ってみると最後の壁“恥ずかしさ”が出てきます。
この恥ずかしさが実はとても苦手で嫌なものですが、ここまで来れば恥ずかしさと同時にロマンスの感情(トキメキ)が動き始めます。

なぜか分からないけれど、いい感じ、いい気分が出てきて、ほわーんとした気持ちになれるんですね。
(これがセクシャリティの解放と呼ばれるプロセスです)
そこでは愛おしさと同時に本当に安心する感じやぼーっとして緊張が緩んでいく感覚が味わえます。
これは極上のマッサージを延々と受けているようなもので、間違いなく虜になってしまうものです。

これは恋愛や夫婦などの男女関係だけでなく、仕事や趣味など、あらゆるジャンルに応用できる見方です。
もし、あなたが今、何かにマンネリを感じ、退屈しているとしたら、そのデッドゾーンを抜け出すために何らかの“リスクを犯すこと”が求められているのかもしれません。

その方法やアプローチが今分からなくても大丈夫です。
考えて浮かぶものではないかもしれませんが、必ず見つかりますし、動き出すこともできます。
それはちょっと怖い事かもしれないけれど、これから先の人生をきっとより良いものに変えてくれるスパイスになるのではないでしょうか。

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