コミュニケーション上手になる方法4~表現のバランス~

自分の思いを伝えるのって、意外と難しいものだと思ったことはありませんか?

相手への配慮をしていると、配慮しすぎて自分の伝えたいことを言えなかった経験もあるんじゃないでしょうか?自分の気持ちを伝えることに関しての講座です。

私たちは、コミュニケーションをとる時に、相手に誤解されたり、気を悪くさ
れたりしたくありませんから、“言い方”というものを気にします。

言い方、話し方、言い回し、と呼ばれるもので、コミュニケーションをとる上
で、大切な技術です。

これを気をつけていないと、「失礼だわ」と思われたり、「へ~、そう思って
たんだ~」と誤解されたりしてしまいますね。

逆に気をつけていると、「いい人だわ」と思われたり、「そう思ってくれてた
んだ」と本当の気持ちをわかってもらうこともできます。

言い方、話し方、言い回しを、ちょっと意識してみると、コミュニケーションが
驚くほど円滑になるときもあります。

意識してみるということは良いことと思いますが、時には意識し過ぎる時もあり
ますね。

特に、ケンカをした後の仲直りの時や、別れ話から復活劇を狙う時等は、
特に“言い方”というものは気になると思います。
相手の様子が気になるタイプの方もすごく気になりますね。

バランスの問題だと思いますが、気にしすぎてしまうとしんどいものです。
僕も、気にし過ぎてしまって気疲れをした経験があります。
疲れますよね~(>_<)。

『どんな風に言ったら良いか?』と言い方を気にし過ぎてしまうと、
自分の気持ちを伝えるコミュケーションというよりも、
自分が伝えたことで相手の気持ちがどうなるのか?を気になるので“技”的な
ものに走ってしまいがちになります。

それは、自分の気持ちを伝えられないので、その場のコミュニケーションは、
上手くいったように見えても、自分の心の中にモヤモヤが残ってしまいます。

時間が経つにつれ、自分から、『どんな風に言ったら良いか?』という”技”的
なものを重視した話し方を選んだにもかかわらず、自分ばがりが相手に会話を
合わせてしまっているような感じがしたり、我慢をいっぱいしているような気
がしたり、まるで犠牲をしているような感じがする時もあります。

また、小手先の技に走ってしまうと、相手の心に響かず気持ちが伝わらない
コミュニケーションになりがちです。

言い方を、すごく気にしてしまい、ちょっと気持ちをうまく言えていないと
思う時、ちょっと技的なものに走りがちになってしまう時、勇気がいります
が、バランスを取る為に感情を伝えるコミュニケーションにチャレンジしてみ
ると良いと思います。

カウンセリングの中でも、
「自分の気持ちを相手に伝えてみることにチャレンジしてみられてはいかがで
しょうか?」と提案することがあります。

●ぶつけると、伝える●

でも、ここで要注意!

「よし、気持ちを伝えよう。」と思った時に、「あんたって最低ー!」と、
今までの怒りや、不満をぶつけたり、いかに相手が悪いのかを証明するように
延々に文句を言ったりしてしまう方がいます。

すると・・・、結果は明らかですよね。

“気持ち<感情)を伝えよう”と“感情をぶつける”が一緒になってしまった
んです。

怒りや、不満をぶつけたい気持ちは、わかりますが、結果を見ると自己破壊的
な行動になってしまいます。

今まで、言い方を気をつけていたことが全部だいなしになってしまします。

これは、損しちゃいますね。

怒りや、不満を伝えてもいいんですが、やりすぎちゃうと危険です。
そして、本当に伝えたいことも怒りや、不満じゃないことも多いんです。
本当に伝えたいことは愛、寂しさ、悲しさだったりすることが多いんです。

●本当に伝えたいこと●

本当に伝えたいことは怒りじゃなくてなんなんだろう?
なんで、怒りや不満ができちゃったんだろう?
なんで、怒りや不満が大きくなるまで相手に言わなかったんだろう?

こんな風に、落ち着いた時にでも、ちょっと考えてみることにチャレンジして
みると、本当に伝えたいことが見えやすくなってきます。

例えば、
・すこし亭主関白チックな彼。大柄な態度は好きじゃない。
もっと丁寧に私を扱って欲しい。
でも、好きな人に嫌われたくなくて我慢した。それほど好きな相手。

・我慢してるのが、苦しくなってきた。

・その、苦しさを愛する人はわかってくれない
私ばかり頑張ってる気がする・・・悲しい。

・もうやってられないわ、バカー(怒)

こんな風に、好きだからこそ我慢してきたんだけど、
でも、その我慢の苦しさをわかってくれない悲しさがつもりにつもっ
て、怒りにしてしまうケースも多いんです。

この場合の本当に伝えたい気持ちは、
“相手のことをすごく好きだということ。”
“だからいっぱい我慢したこと”
“でも、我慢でなりたつ関係は悲しい”
“本当は、大柄な態度じゃなくて、もっと丁寧に私を扱って欲しい。”
ということですね。

それを
「今まで、私があなたに、どれだけ気を使ってたか知ってるの?(怒)
私が気を使ってるからといって、いい気になってるんじゃないわよ。(怒)」

こんな風に怒りをぶつけるという形で伝えてしまうと、
本当に伝えたい思いは伝わらず、自己破壊的な結果を引き起こし、
損をしてしまいます。

それよりも、

「あなたのことを好きだから、あなたが少々大柄な物の言い方をしても我慢を
してきた。
でも、その我慢は私にとって苦しかったし、我慢しなければいけないという
ことが悲しかった。
なぜなら、私は“おい”とか“おまえ”とかじゃなくて、ちゃんと名前で呼
んで欲しいし、もっと丁寧に扱って欲しいから。
“おい”とか”おまえ””とかで呼ばれるのは悲しいの。
だからもう少し丁寧に扱って欲しいんだ~。」

と伝えてみるほうが効果的だったりします。

“あなたの大柄な言い方は間違ってますよ”という言い方になってしまうと、
相手が、いかに間違っているかを追求する形式の言いかたになってしまいます。

それよりも、“私は、こう思うから、こうしてくれませんか?”というお願い
形式の言い方の方がいいですね。

なぜなら、追求形式だと相手も気分が悪く感情的になりますし、自分も感情的
になるのでコミュニケーションをとりにくくなりますからね。

“感情をぶつける”と、“気持ち(感情)を伝える”の区切りは、微妙なもの
で慣れるまで難しいかもしれませんが、ぶつけるのではなく、伝えてみようと、
ちょっと意識を向けてみるだけでも違ってきます。

そして、上手くできてるかどうかは、ちょっと横においてでも、その意識を向
けてみることの継続にチャレンジしてみることをお薦めします。
その継続が慣れを作っていき、自然と区別できるようになりますから。

感情をぶつけることなく、伝えることができれば、
お互いの関係が“生産的”になっていけます。

わかりやすい表現をすれば、より良い関係を作れていけるわけです。

区切りをつけていけるようになる為のキーワードを、ちょっとご紹介しますね。
感情をぶつけるのではなく、伝えるコミュニケーションにチャレンジする時の
目安として参考にしてみてください。
目安がある方が、チャレンジしやすくなるでしょうから。

○感情をぶつけている時の傾向
・相手がいかに悪いか証明したいということが目的になっている。
・相手が傷つくことをあまり考えていない。
・お互いの関係を良くしたいということよりも、相手に勝利したいということ
が目的になっている。

○感情を伝えるコミュニケーションをしている時のキーワード
・より良い関係を作ることを目的としている。
・怒りの感情の下に隠れている気持ち等の、本当に伝えたいことを伝えられて
いる。
・「あなたの言い分は間違っているから、こうしなければならない」ではなく、
ただ自分の意見を伝えてた上でのお願いになっている。
「相手が、それは私にはできません。」という意見を持つこともあるのを
認められている

●バランスが大切●

相手の反応を気にしすぎてしまい、会話技術的なものに走ってしまうのもコミ
ュニケーションの問題を作ってしまいますし、逆に自分の思いを伝えることを
重視しすぎてしまい、相手の気持ちを考えられなくなるのも問題を作ってしま
います。
この場合は、相手への配慮や、言い方を気にしてみることも大切なんですね。

要は、どちらか一方へ傾き過ぎないように、
自分の中で、“相手への配慮”と“自分を表現すること”の、
シーソーのバランスをとってやることが大切なんですね。

ちょっと、どちらかに傾いているな~と感じたら、
シーソーが平行になれるように、コミュニケーションのテーマを、
“相手への配慮”にするか、“自分を表現すること”にするか、その時々で、
切り替えてみられるといいと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。