就職活動に踏み出せません

相談者名
カエデ
はじめまして。
私は未婚女性です。

1年半前に転職に失敗してから、就職活動ができずにずっと無職のまま現在に至ります。
働くことはもちろん、就職活動もせず、必要最低限の家事と、読書やテレビをみたり、たまに友人に会ったり、という生活を続けています。

楽しいなぁと思ったり、これをしてみたいという気持ちはこの1年くらいは
ずっとありません。
とても無気力な状態です。

仕事をしなければと思うのですが、働くことが怖くなってしまい、一歩が踏み出せません。
転職する前は会社員として6年半ほど勤めていました。
新しい会社が決まって、そこを1日で辞め、またすぐ新しい職場が決まったのですがそこを今度は3日で辞めてしまいました。
どちらも自分がここでは働けないと思っての結果です。
誰のせいでもなく、自分の都合です。
それからは新しい職場に入っていくのが怖くなってしまいました。
また失敗するのが怖かったんだと思います。

何かしたい仕事があればいいのですが、全く思いつきません。
仕事以外にもしたい事は思いつきません。
したいとかしたくないとか以前に、生きるためには働かなくてはいけないということはわかっているのですが、働くのが怖いというより、今は働く気力が無くなっています。
死のう、とは思いません。
でもそれなら生きなければならないので、収入を得なければならない。
本当に自分は甘い人間だと思います。
こんな相談をすることがとても恥ずかしいです。
でもわかっていてもできないことが辛く、どうやって解決すれば良いのかわかりません。
働くことの意味は?などと考えてしまって、自分が考えるべき問題の中心がどんどんズレていっているような気さえします。
相談の趣旨がわかりずらいようでしたら申し訳ありません。
何かアドバイスをいただければ幸いです。

カウンセラー
寺島やすこ
初めまして、カエデさん。
カウンセラーの寺島と申します。
ご相談、ありがとうございます。

メールの内容からカエデさんが一生懸命頑張って、
お仕事をなさってこられたことがよく伝わってまいりました。
ご自分でも気がついておられないほど、ものすごく頑張ってしまったので、
その分の反動もあって、今は燃え尽きてしまったようですね。
といっても、今のやる気がおこらない時間は、長い人生における休憩時間ですから、
休む時はしっかり休んでおかれるとよいと思います。

まずは、なぜ、やる気がおこらないか?を説明させてくださいね。
それは、一つには疲れすぎてしまっていることが考えられます。
私たちの体は意外とシンプルです。
自然の状態であれば、無意識中にも、常に
自分の生命を守り、維持しようと働いてくれているのですね。

例えば、転んですりむいて血がでてきたとします。
でも、よほどの大きな切り傷でなければ、
血は自然に凝固して、出血を止めてくれます。
かさぶたになって、そのかさぶたの下で新しい皮膚が作られ、
やがてかさぶたがはがれて、傷は治るのです。
怪我でなくても、毎日も睡眠などもそうです。
私たちの疲れや、日々の体力回復をさせようと、体が私たちを眠らせ、
その間にメンテナンス作業をしてくれているのです。

ということで、今のカエデさんがなぜやる気が起こらないかというと、
6年間、働き続けてきて、相当頑張ってこられて、
体を積極的に動かす気力がわいてこないほど、ひどくお疲れになったのでしょう。
また、会社に勤める以前の学生時代でも、もとから頑張りやさんでいらっしゃるな
ら、
その頃からの疲れもたまっているはずですから、
その分、回復に時間がかかっている訳なんです。

> 死のう、とは思いません。
> でもそれなら生きなければならないので、収入を得なければならない。
> 本当に自分は甘い人間だと思います。
> こんな相談をすることがとても恥ずかしいです。

こちらの文をお読みした印象では、かなり苦労なさってこられたとも思われますし、
また、厳しい環境でお育ちになったのではないでしょうか?
“仕事せざるもの食うべからず”
“仕事のしてない人は人間失格である”
“死なないのなら、きちんと生きるべきである”
といったような考えの方にかこまれてお育ちになったのかもしれませんね。

今カエデさんを苦しめているのはこの強迫的な概念のようです。
これらの概念はあくまでも理想であり、実際的ではありません。
実際には、”仕事ができることは一つの価値ですが、仕事ができないからって、
人間としての価値がそれだけで決まる訳でもなく、甘いということもない”のです。

また、仕事ができるという評価は、いったいどれくらいやればいいのでしょうか?
高校生のアルバイトが放課後2時間皿洗いをしたのと、
お医者さんが1日患者さんをみたのと、
警察官が1日パトロールするのと、
お坊さんがお葬式でお経を読んでくれるのと、
サラリーマンが1日外回りにいくのと、どの人が一番お仕事をしたのでしょう?

また、例えば、中小企業に文房具を売るメーカーのセールスマンは、
消しゴム一つ100円、ボールペン1本100円と、
毎日毎日、いろんな会社をまわってセールスして、
一日の売り上げが、よくて数万くらいにしかならないこともあります。
また、鉄鋼の原材料を国際間でとりひきする大企業のセールスマンは、
1回の取引する金額が2億にもなりますが、
かわりにそんな取引は1-2年に1回くらいだそうです。
こんなに世の中には多様な場面があるって面白いと思いませんか?
そこには絶対の価値基準などないのです。

さらに実際的ではないという視点からも説明しますと、
“仕事のしてない人は人間失格である”などは、
例えば、”世界中の人間は全員仲良くすべきである”のような感じですね。
それはもちろんできたらそれに越したことはないですが、あくまでも理想です。
“世界中の人間は全員仲良くすべきである”が現実であれば、
今は世界で戦争など起こってないですよね?でも、現実には戦争は起きています。
なぜなら、人間の本能には、自己中心で暴力を好む、そういう要素もあるからです。
ですから、私たち人間は生まれながら不完全であり、
生きていく過程において未熟なところを克服するをチャレンジしているという話なの
です。

カエデさんがしっかり生きていこうと一生懸命頑張ってられている
マジメな方だということはよくわかります。
けれども、その行動において、すべてを完璧にやらねばー!!と、
頑張る気持ちが、逆にあなたを追い詰めてしまい、
エンジンをとめることができない状態になってしまっているようです。
車でも、ずっとエンジンを回し続ければ、機械が壊れてしまいます。
車だって、時々休ませて、油をさしたり、こまめに調整して、
メンテナンスしていかなければ、長く使うことができないように、
定期的に人間も頭と心をゆっくり休める必要があるんです。

> 働くことはもちろん、就職活動もせず、必要最低限の家事と、読書やテレビをみた
> り、たまに友人に会ったり、という生活を続けています。

それでいいと思いますよ。
必要最低限のことができているのですから、たいしたものです!!
楽しい気持ちがわいてこない、やる気がわいてこないのは、
まだ無意識の部分では疲れていて、余裕がないせいでしょう。
まず、生きていたら楽しいくあるべき、やる気がわいてくるべきと、
頑張ることからやめてみてください。
人間にはポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情も必要なのです。
そして、ネガティブな感情も恐れず受け入れて、感じきってしまえば、
やがてまたポジティブな感情がやってきます。
そして、それは必ず去っていき、またネガティブな感情がやってきて、
それも必ず去っていくという繰り返しなのです。
何より大事なのはネガティブな感情が訪れている時の流し方です。
とにかく、深刻にとらえないことが肝心です。

また、もし、体は動いていないけれども、
頭の中でぐるぐる自分のことを責め続けてしまうのであれば、
やはりそこでもエネルギーを使いすぎてしまい消耗してしまいます。
そうなってしまう場合は、半身浴や、ヨガを習ってみたり、
イメージによるリラックス法なども学ばれると効果があると思います。
※イメージによるリラックス法は心理療法として、
こちらでもサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。
ご自分のペースでゆったり試してみてくださいね。

ご相談ありがとうございました。

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