厳しい先輩

相談者名
yacchi
こんにちは。今、会社の先輩(40代女性)のことで困っています。

先輩は入社当時、会社の事務的な業務を一人で担当し、毎日夜遅くまで残業していました。社長も先輩のことは別格に認めており、事務部門のリーダーに昇格させました。
私も入社して半年間は彼女の下で働きましたが、指導の厳しさと感情の起伏の激しさについていけなくなってしまい、別の部署に異動しました。その後も短い間に何人もの女性社員が同じ理由で退職していきました。

まず先輩は、自分だけが正解で他人の考えは受け入れません。また他人に異常なほど厳しく、ミスなどは激しく罵声を浴びせ、相手の言い分は全く聞きません。しかし自分の場合は寛容で、何でもないように笑って流します。 また、会社を管理する部署のため自分の知らない仕事があることが大変気に入らないらしく、部下が独断で仕事を引き受けると激しく怒ります。先輩へ社長から直接指示があることも多く、いつでも「社長が…」と強引に進めてしまいます。さらに彼女の気分次第で対応が変わるため、前回OKだったルールが次は注意されるなどということもしょっちゅうです。

そして、仕事だけでなくプライベートにも干渉し、家族や彼氏など私達の個人的な出来事を社内外問わず周囲の人に言います。また何でも自分の都合で解釈し、社長や周囲に事実と異なる報告をしていることもあります。
幸い女子社員同士は仲が良く、みんなで助け合っていますが、先輩は自分が入れないため疎外感を感じているようで、部下を一人ずつ呼び出して別の人の悪口を言います。そんな毎日にみんな疲れ果て、仕事も楽しくなくなってしまいました。
男性社員は影で心配してはいますが、彼女に反論できる人はいません。

先輩の家庭は2人姉弟で、弟を可愛がっている母親とは今でも仲が悪いそうです。また結婚した男性は働く意欲のない人のようで「家族を養う気持ちはない」と言われてからずっと別居状態が続き、離婚も近いそうです。
そして別の男性と5年位不倫関係が続いており、周囲にはこの人のことを夫だと言って会わせています。過去にこの男性の子供を流産した経験があるそうです。

先輩の心の痛みはこのあたりから来ているのでしょうか?
みんなが前向きに良い関係になるにはどうしたら良いですか?

カウンセラー
寺島やすこ
yacchiさん、こんにちは。
カウンセラーの寺島と申します。
ご相談、ありがとうごさいます。

yacchiさんのメールを読む限り、とてもトラブルメーカーな方のようですね。
何故先輩がそのような方になってしまったのか?
それはyacchiさんのご推察のとおり、
たくさんたくさん傷ついた体験をされてきたのでしょう。
お話では、お母さんが弟ばかりをかわいがる、
私はお母さんにすら愛されない子供なんだという思いや、
結婚の失敗など、とても痛い体験されてきたのだと思います。

こういう方を癒すためには、
本当に何度も何度も優しくしてあげる、
何度も何度も褒めてあげるということが効果がありますが、
それをしたうえで結果がすぐあらわれることを期待すると、
なかなか難しいかもしれませんね。

例えれば、先輩はいじめにいじめられた野良犬みたいな状態なんです。
誰にも優しくしてもらったこなんてない、
何かをもらったこともないから、
自分が何かを得る時には奪う方法しかしらない、
戦って勝ち取ったり、生き残る為に常に相手を叩きのめしてきた・・・
そんな感じの状態だと思ってくださいね。

ジャック・ロンドンという人が書いた物語で、
「白い牙」という狼のお話があります。
主人公(主人犬?)のホワイト・ファングは、
森の中で狼の群れに生まれますが、
ふとしたことからインディアンに飼われることになり、
そこでは人間に仕えることを学びます。
でも、そこで学んだのは仕事をして餌をもらう、
命令に背けば罰をうけるという毎日でした。

ある時、闘犬をしているアメリカ人が、
ホワイトファングの強さに目をつけます。
インディアンは仕事がよくできるホワイトファングを手放したがりませんでしたが、
闘犬で稼いでいるアメリカ人に酒を教えられ、
酒びたりになって、とうとうホワイトファングをウイスキーと引き換えに売ってしい
ました。
そこからホワイトファングの地獄のような日々が始まります。
いつもいつも戦って、負ければ更に罰を受けるだけ。
強かったホワイトファングも、
最後にはブルドッグにのどをかまれ、死にそうになりました。

けれども、そこに偶然居合わせた犬好きの技師が
ホワイトファングの命を助けてくれます。
技師は瀕死の犬の治療をしてやりましたが、
体の傷は治っても、ホワイトファングの心の傷は癒えてなかったのです。
もちろん、技師もそれはわかっていたので、
そっとそっとホワイトファングに近づきました。
それでも、ホワイトファングには人間が怖すぎて、
親切に肉をやろうとした技師の手を噛んでしまったこともありました。
でも、最後には、技師の限りない優しさのおかげで、
やっとホワイトファングの人間への不信がとけたのです。

これ物語は、私の大好きな物語の一つなんですが、
よかったら、読んでみてくださいね。

それで、何が言いたかったというと、
yacchiさんの先輩も、技師と出会う前の、
ホワイトファングみたいな状態だということなんです。
物語だと、一冊読んであっという間の展開になりますが、
実際に人間不信に陥った方の心を癒すのは、
かなり時間かかり、本当に気長で忍耐のいる作業です。
特に相手が信用しようと心を開いてくれるようになる前には、
その前段階に相手はものすごい恐れを抱いたりすることがあります。
また裏切られるんじゃないか?
また傷つけられるんじゃないか?
という気持ちになってしまうので、
あなたがどれくらい自分を好きでいてくれるかを
無意識で試そうとしてくることもあるのです。
つまり、ホワイトファングが技師の手を噛んでしまったように、
親切で優しいあなたに、逆にひどいことや裏切るようなことをしてくる可能性もあり
ます。

だけど、それは本当はその人があなたことを
憎くてやってるのはないことに気がつき、
相手の方が、あなたより、もっともっと怖がって、怯えていて、
自分の身を守ろうとして、やっているのだということに気がつけたら、
きっとそれは乗り越えられるでしょう。

みんなが仲良くするにはどうしたらいいか?
それは私自身がカウンセラーを目指すきっかけになった命題でもあります。
やっぱりその答えは優しさと思いやりの愛かなあなんて思います。
yacchiさんは、とても優しい思いやり深い方なのだと思いましたよ。
どうか、先輩にあなたのできる無理のない範囲で優しくしてあげてください。
それは必ず返ってきますよ。
たぶんあなたの思ってないような形かもしれませんが、
人に与えた愛は自分に返ってくるものなのです。

愛を人から与えてもらうのを待ってばかりいるのではなく、
自分から愛を与えることができるって素晴らしいことだと思いませんか?
愛は無限ですから、尽きることはありません。
そのyacchiさんの心の愛をたくさんの人と分かち合ってくださいね。

苦しくなったら、yacchiさんもいつでも私たちを頼ってください。
心から応援しています。ご相談ありがとうごさいました。

この記事を書いたカウンセラー

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