心を守るために判断という心理が働くことがあります。
その判断を手放すことで、人間関係に深みや、面白みを、増やしていきませんか?
**********************************************************************
私は、「この人は、こんな人だから・・・」と、パートナーを、
見るところがあります。パートナーだけではなく人間関係全般に言えるかも
しれません。そのせいか、どこか人との関係が冷めてるように思います。
冷めた自分を変えていきたいです。
もっと、深くて、暖かさを感じる人間関係を作れたら、と思います。
その為の心理学講座をリクエストさせてください。
***********************************************************************
こんな心理学講座へのリクエストをいただきましたので、
今回は、この内容を心理学講座で扱わせていただきます。
●判断●
リクエストの内容を、見させていただくと、
“判断”の心理が強く働いているのかもしれませんね。
カウンセリングなどで用いられる“判断”という言葉は、世間一般に使われる、
「物事を判断する」「引き際を判断する」などの、なにかを見極める、決める
という意味合いで使われる判断という言葉と、少し違う意味で使われることが
あります。
何かを見極める為の意味合いではなく、
心理的な防衛の手段としての意味で使われることがあります。
今回は、判断の心理についてのテーマで、心理学講座を進めていきたいと思い
ます。
●防衛の心理●
人は傷ついたり、嫌な目にあうと、
「もう、傷つきたくない」「もう、嫌な目にあいたくない」
そんな気持ちになります。
私たちは、痛い目にあうことは嫌ですから、
そう思うことは、ごく自然なことかと思います。
そうすると、潜在意識的に、無意識的に、もう、傷つかないような考え方や、
もう、嫌な目にあわないようにする為の心理を身に付けようとします。
その身に付ける考え方のひとつが“判断”という心理です。
「この人は、こんな人だ」
「男の人は、こんなもんだ」
「女の人は、こういうものだ」
「偉い人は、こんな人種だ」
最初から、判断しておく(きめつける)ことで、深くかかわらない関係性を作
ろうとしたり、対人関係に信頼しきれない心理(不信感)を作っておくことで
裏切られたときのショックを少なくしよう、などの防衛の為の目的から起こる
心理です。
意識的に防衛するために、判断をしようと思っているわけではなく、
潜在意識的に、無意識的に行っていることが多いので、普段の生活で、
自分が誰かのことを判断していると気づくことは少ないかと思います。
判断という防衛の心理があってね・・・そんな話を聞いて、
普段の自分の言動を振り返ってみた時に、
「そういえば・・・、そんなことしているなぁ・・・」
と気づくことが、ほとんどかと思います。
●判断で得られる物●
防衛の心理という言葉のとおり、
判断の心理が作るものは、なるべく傷つかない為の、人との関係を
作ろうとします。
それは、判断という心理が作る、“傷つかないように・・・”という、
メリットの一つだと思います。
そういうメリットがある反面、
判断することによって、思わぬ収穫が手に入るシーンや、
その人を深く知る機会は、少なくなっていきます。
その人を深く知ることがなくなりますので、人間関係に距離を感じてしまい
がちになります。
例えば、パートナーのことを、
「この人は、弱い人だから、私がリードしてあげなきゃいけない人だ」
そう判断しきってしまうと、パートナーシップで引っ張って欲しいと期待したけ
ど、引っ張ってもらえなくて、がっかりするということは少なくなりますが、
そのパートナーがパートナーシップでリードする機会を全部奪ってしまいます。
そうすることで、リードしてもらう可能性は、ずっと手に入らなくなります。
そして、パートナーを弱い物として扱っていきますので、
パートナーの強さを知る機会を失っていきます。
当然、コミュニケーションも、この人は弱いものとの判断が前提の、
コミュニケーションなので、最初から相手の強さを期待しないコミュニケーシ
ョンになっていきます。
そうすると、パートナーの強さを、はぐくむ機会も失ってしまうかもしれませ
んね。
そして、だいたい予測(判断)した通りのパートナーが手に入ります。
違う結果が手に入る可能性を、最初から放棄しているようなものかもしれません。
予測した結果が手に入るということは、ハラハラドキドキする思いをするとい
うことは、なくなるかもしれませんが、意外性や、相手の新しい側面を知ると
いう機会の面白みも少なくなります。
そうすると、どうせこんなもんだ・・・と冷めてしまうのです。
●判断を手放す●
判断(きめつけ)が、強くなってしまっている時は、
(そうして、冷めた自分になってしまっている時は)
判断することを、少しずつ手放していくと良いと思います。
決めつけてしまうと、最初から、決めつけたものしか見なくなります。
判断を手放して、その人自身を知ろうとすることで、対人関係で手に入るも
のが増えていきます。
判断(きめつけ)をしきってしまうと、深く相手を知ろうとしないので、
人間関係を築こうとする時に、楽で簡単という一面もあります。
逆に、判断を手放すことで、相手を知ろうという作業が多くなりますので、
面倒に感じることもあるかもしれません。
しかし、判断を手放していくメリットは大きいと思います。
判断を手放していくと、その人を知る機会や、その人が持つ可能性、
意外な側面、今まで知らなかった相手の価値を知る機会が増えてきます。
判断を手放していくことで、その人を深く知り、人間関係を結ぶことに、
深みや、面白み、新たな発見を、作っていけます。
判断を手放すと、判断していた時は、しなかったようなコミュニケーションを
自然と、するようになります。
その結果、意外な良いところを知る機会が増えてきます。
良いところを持った人が知り合いや、パートナーにいるというのは、
楽しいことだと思います。
判断を手放すことで、それが手に入る可能性を作れます。
判断を手放すことで、人との関係に、新たな、たくさんの面白みを見つけられ
るかと思います。それは、どこか冷めた目で人を見てる時には無かったような、
新たな発見と、新鮮さが、たくさんある人との関係を得られると思います。