浮気を繰り返してしまうのは単に魅力の「不足原則」が原因ではなく、「親密感の怖れ」が関係している場合があります。
親密感の怖れの原因は罪悪感。夫がこれを持っていると、自分は悪いやつ、ダメなやつ、という思いが親しい大切な人=妻を遠ざけます。浮気を繰り返されると妻である自分に魅力がないのだ、自分が悪いのだ、と思いがちですが、夫の親密感の怖れに目を向けると自分を責めなくてもいいことがわかります。そうして自分を楽にしてあげることが修復への第一歩。
次に、親密感の怖れは夫婦お互いが持っていることかもしれない、と思ってみます。妻の側にもあるとすれば、その多くは相手に迷惑をかけたくないために、我慢して弱音を吐かずに一人でやることで、心の距離を取っているケースが多い。そこに気づきを持って、一人でやらない、弱音を吐いていく練習をすることで、心の距離を自ら近づけていくことが、夫婦修復の鍵になる場合も多いのです。
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浮気を繰り返す夫との修復方法
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浮気の原因は「不足原則」と言われますが、浮気を繰り返してしまう人の心理というのは、その他にも「親密感への怖れ」を抱えている場合が考えられます。
*不足原則については下記の記事をご覧ください
親密感への怖れの根底にあるのは罪悪感。
自分は悪い奴なんだ、ダメな奴なんだ、という罪悪感を心の中に抱えていると、人との心の距離を縮めることができなくなります。
「正体がバレては困る」からなのですね。
すると、当然、パートナーとの間にも心の距離を遠くことになってしまいます。
しかし、距離を置けば、そこには隙間が空き「寂しさ」を感じることになります。
愛情をパートナーに求めたくても求められないという葛藤を抱えたままになるので、まっすぐパートナーには求められず、別の誰かになら求めていってしまうのです。
パートナー以外の誰かとなら、親密になって「悪くてダメな自分」という正体がバレても大丈夫なので、浮気相手の方が楽に感じてしまうのですね。
また、新しい誰かとの関係を作ることは、心の距離が遠い状態から始められるということになりますから、その関係性が楽なので、親しくなるまでの短い期間だけを求めて、浮気を繰り返す場合も出てきます。
これが「親密感の怖れ」と言われる心理で、罪悪感を基にした、心の距離を縮められないところからきています。
浮気は許されるべきものではありませんので、こうした心理があるからといって、正当化することはできません。
しかし、こうした心理があることを知っておくことは、浮気を繰り返す相手との関係性を修復していくのにとても役に立ちます。
まずは「私に魅力がないから、私が悪いから相手は浮気をしたのだ」という自己攻撃を減らす効果が挙げられます。
浮気をされると、どれだけ相手が悪くても、激しく自分を責めてしまいます。
自分を責める度合いだけ、自分の心の余裕を奪い、コミュニケーションや行動などを難しくしてしまいます。
自分に原因を求めすぎず、相手の心理を理解することで、心に余裕を作り、その余裕の中で行動に移していくことが修復への大切な一歩になります。
次に、親密感への怖れは、相手だけが持っているのではなく、自分も持っているのではないか、と問いかけてみます。
親密感への怖れを持っている相手を選んだのは、自分と似たところを持った人に惹かれたり、分かり合えると感じたから、という場合が多いのです。
もし、お互いが親密感への怖れを持っているとしたら、それを解消していくには、まず自らの心の中を知り、変えていくことが近道です。
相手は変えられませんが、自分は自らの手で変えていけるから。
親密感への怖れを解決していくやり方で役に立つのは「自立しすぎていないか」という視点。
ここでいう自立とは「我慢してしまう・弱音を吐かない・一人でやってしまう」という三つ。
自分一人で生きていけば誰にも傷つけられないし、誰にも迷惑がかからない、と思って生きている可能性があります。
実は「誰にも迷惑をかけたくないという優しさ」の要素からやってしまうことのウエイトの方が大きい場合が多いのですが、元になっているのが罪悪感と無価値感なので、どうせこんな自分なんて、という思いはこうした愛情を自覚させてくれません。
しかし、それが愛情からであれ、一人でがんばってしまうと、相手からすると、頼りにされてない、役に立ってないという思いを抱かせたり、寂しさを感じさせることになってしまいます。
まずは、どれだけ今まで我慢してがんばってきたのか、弱音を吐けていなかったのか、という自分のがんばりを認めてあげてください。
そして、周りにいる信頼できる友達などに弱音を吐く練習をしていく。
次に、この練習をやりながら、夫へのアプローチを開始していきます。
(1)「おはよう・おやすみ」「いってらっしゃい・おかえりなさい」のような挨拶をする。
(2)夫を見てあげる。何も言わなくてもいいから見守るような気持ちで観察してみる。
(3)チャンスがあれば、話しかける。たわいもない話を目を見ながらしてみる。
これを、夫の、そして自分の心理をいつも思い出しながらやっていきます。
お互いの気持ちを感じながら、こうした行動をとっていくことは、相手からすると「自分を何らかの形で理解してくれようとしている」と感じます。
人は五感の生き物なので、言葉にしなくても思いは伝わるもの。
それがいいもの、理解の目であれば、伝わりやすくなるのです。
重要なポイントは、私は一人じゃないから大丈夫、何かあれば誰かに聞いてもらえばいいから、と自分に言ってあげること。
さらに、私が心の距離を取るのは相手に迷惑をかけたくないという愛情からやってしまうことだから、と自分に言ってあげることです。
自分の中の罪悪感が距離を取るのなら、自分の中の愛情を土台にすれば、距離を取る必要がなくなるし、相手に迷惑をかけてないと感じにくくさせます。
これを続けていくと、夫の心も、自分の心もオープンになっていって、お互いがこれからどうやって二人で生きていくか、幸せになっていくか、という核心の話がしやすくなっていきます。
相手と自分の本当の気持ちを理解しようとする思いが、二人の心の距離の架け橋となるのです。
(完)