離婚の心理学3~傷ついたハートを癒そう~

前回の離婚の心理学2の続編

相手を責めない頭でそれは解っているのだけど、でもしてしまう時はありますよねー。

前回の離婚の心理学2では、浮気をした相手に悪いことをしたというのを認めさす為や、
浮気によってどれだけ傷ついたかを解ってもらう為に相手を責めてしまうことは、効果があ
るのかということについて触れました。
この場合逆に相手の罪悪感に触れるので、相手が逆切れしてしまい逆に状態が悪化してしま
うことがあることについて書かせていただきました。

理屈では、あまり罪悪感を刺激するとかえって二人の関係性が悪化しちゃうからあまり刺激
すぎないほうがいい。たしかにそうなんですね。

でも、これは理屈上での話。

浮気されたことについて、腹立つものは腹立ちますし、許せないものは許せない、そんな気
持ちがでてくると思います。

許せないという気持ちがでてくる。そんな気持ちがでてきても不思議じゃありません、それ
だけのことをされたんでしょうから。
でも、うらみつらみを彼にぶつけると二人の関係はますます悪化しそう・・・
そんな葛藤も生まれてくるでしょう。こんな時はとっても苦しいと思います。

理屈では解っていても、感情がついてこない、そんな気持ちになると思います。

じゃあ、それはどんな時かというと、“傷つきすぎてる時”
いっぱい悲しい思いがあって、いっぱい傷ついて、そんな時じゃないでしょうか?
自尊心が傷ついたり、自分の女としての(男として)魅力に自信を失ったり、自分って
いったいなんなんだろう・・・そう思ったり、いっぱい傷ついた時でしょう。
そういう時は本当につらいと思います。

心理学的にみると怒りというのは、感情の蓋という見方をします。
僕たち人間は本当の感情にあまりふれたくない時、その感情がつらい時、怒りという感情を
作って本当の感情に蓋をしてしまいます。
では、怒りに蓋された本当の感情は何かというと2種類しかないと言われます。
それは、悲しさか、寂しさか、もしくはその両方。

傷ついて、たくさんの悲しさ、たくさんの寂しさを抱えているので、怒りという感情がなく
ならないのです。それが理屈では解っていても、感情がついてこないという状況を作り出し
ているのです。

ですから、理屈では解っていることに、感情がついていけるようになる為には、自分の傷つ
いた心のケアーが大切になってきます。
悲しさ、寂しさを癒すことそれが二人の関係を修復することに大切な要素になってくるで
しょう。

つまり、相手にどう接していけばいいか、相手のことをどう思っていけばいいのかという相
手へのアプローチだけではなく、傷ついた自分をケアーしたり、関係修復する為にはどんな
私になれればいいのか等の自分へのアプローチの両方がいるということですね。

● 誰かに受け止めてもらう ●

怒りの下にある悲しみや寂しさを癒して行くには、どうしたらいいのでしょう?
まずは、自分の中に悲しみや、寂しさがあるということを解ってあげるということがいるで
しょう。
悲しさや、寂しさがあると自覚できなければ、その気持ちを上手く処理できにくいでしょう
から。
怒りの下に隠れている自分の中の気持ちを見つけてあげることは、とっても大切です。

でも、この気持ち上手く怒りの下に隠れてしまい、なかなか見つかりにくかったりもします。
本来見たくない感情だったりすることもありますから特にです。

プライドとか、強さを保っている気持ちとかを一旦横に置くつもりで、誰にも教えることな
く自分だけに教えるつもりで、悲しい気持ち、寂しい気持ちを抱えてないかい?って自分の
心と会話するつもりで、自分の心に聞いてあげてみてください。何度も何度も聞いてあげて
みて下さい。
すると隠れていた気持ちが出てきやすくなるでしょうから。

その出てきた気持ちを一人で何とかしようと思うのではなく、外に表現していき誰かに受け
止めてみてもらいましょう。
傷ついたハートは誰かに受け止めてもらい、解ってもらえた、共感してもらえた、受け止め
てもらえたことを感じることで癒しに向かっていけますから。

誰かに自分の感情を受け止めてもらうこと、これは悲しさや寂しさを癒す一つのいい方法で
す。
受け止めてもらいたいそんな気持ちが大きくなりすぎて相手のが受け止められないのが許せ
なくなってしまうとこれもストレスになり困りものですので、相手も受け止められない時も
あると認めてあげた上で受け止めてみてもらいましょう。

信頼できるお友達、親兄弟、カウンセラー、誰かに助けを求めてみてください。

私たちは成長して大人になると自立していきます。、自立が進んでくると一人でなんとかし
ようとしてしまいます。
自立が進んでいると悲しみ、寂しさを抱えていても、悩みを抱えていても、一人で何とか乗
り切ろうと思ってしまいます。でも、一人で何とかするのはしんどかったり、乗り切るのに
時間がかかったりします。
しんどい時間を短縮する為にも苦しい時ほど誰かに助けを求めてみてください。
これは自立している人ほど苦手だったり、勇気がいったりすることでもあります。

● 自分を許す ●

私たちは誰かを責めてしまったり、うらんでしまったり、攻撃してしまったりした時は、罪
悪感や自己嫌悪を持ってしまいがちです。
例えそれが自分を傷つけた相手でも、心の奥の自分ではなかなか解りにくいところに罪悪感
や自己嫌悪を知らない間に持ってしまっていたりします。

ましてや、理屈では解っていても、感情がついてこなず、相手を責めないで置こうと思った
のに責めてしまった時なんかはなおさらです。

すると今度はその罪悪感や自己嫌悪から自分を責めてしまいがちになってしまいます。
それでなくても、傷ついているのに、そんな自分を責めてしまうのです。
そんなことをすると更に傷ついてボロボロになってしまいます、それではあまりにも自分が
可哀相です。

ますます心に余裕がなくなってしまいます。
その心の余裕のなさから相手を責めてしまうこともあるでしょう。すごい悪循環です。

相手を責めてしまうことは当然のことだ!と奨励はしませんが、
責めてしまうだけの事情があるのではないでしょうか?それだけ傷ついてるのではないで
しょうか?

誰かを責めてしまったり、うらんでしまったり、攻撃してしまった時、
そうしてしまう自分の気持ちを誰よりも自分が解ってあげてそれだけ傷ついた自分の気持ち
を自分自身が誰よりも受け止めてあげることがいるんでしょうね。
そして、誰かを責めてしまったり、うらんでしまったり、攻撃してしまった自分を許してあ
げてください。

「あっ、言ってしまったな。」
「あっ、そんなこと言うつもりじゃなかっのに・・・」
こう思ってしまった時は次に訂正する学びとしてみましょう。
罪悪感で自分を責めたり、自己嫌悪になったりする必要はありません。
なぜならミスは訂正を求められるだけで、自分を責めることはいりませんから。

自分を許してあげて、自分を責めないであげてください。そして何よりも自分のことを大切
にしてあげてください。
それが関係修復の第一歩となりますから。

● 次回予告 ●

離婚の心理学1~破局の危機は乗り越えられる~
離婚の心理学2~相手を責めることは効果はあるの?~
離婚の心理学3~傷ついたハートを癒そう~
では関係修復をする為にはどうするのかという視点から心理学講座を紹介しましたが、

離婚問題が起きた時には関係修復をしなければならないのか?
と問われるとそうではないと思います
関係修復以外の視点で再来週の心理学講座“離婚の心理学4”を紹介させていただきます。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。