私たちは「過ぎてしまう」ことがあります。
「食べ過ぎる」「お金を使い過ぎる」「働き過ぎる」「飲み過ぎる」という4つのテーマで、過ぎる心理についてお話しさせていただきます。
ですが、私たちが過ぎてしまうのは、この4つだけではありません。
他にも「やさし過ぎる」「怒り過ぎる」「はしゃぎ過ぎる」「頑張り過ぎる」など、たくさん過ぎてしまうことってあります。
過ぎてしまうと、もれなく「やってしまった・・・」と罪悪感を感じるものです。
適度であればいいのですが、過ぎてしまうとき、それがどんなことであっても、私たちの感情と関連があるのです。
何らかの感情を感じないためや、感じるために、私たちは過ぎることをしてしまっているのかもしれません。
私たちは「過ぎてしまう」ことがあります。
過ぎてしまうと、もれなく「やってしまった・・・」と罪悪感を感じるものですね。
今回の心理学講座は、そんな「過ぎる」心理について、いくつかお話しさせていただこうと思います。
第1回目は、食べ過ぎる心理についてです。
食べるということは、私たち人間にとって、とても大切な行動です。
肉体的に大切な行為ですが、今回は肉体的な側面ではなく、心に焦点を当ててお話しさせていただきます。
食べるのは、「口」からですよね。
私たちは、赤ちゃんの頃、口から愛情を感じていました。
オッパイを飲むのは口であり、多くの場合、お母さんからの愛情を感じていました。
ですので、この食べ過ぎるという問題も、愛や母親との関係性が影響していると考えることができます。
食べ過ぎるというのは、食欲は満たしているにも関わらず、それを過ぎてまで食べてしまうということですから、肉体ではなく心のどこかで、「足りない」と感じていたり、「欲しい」という欲求を持っていたりするということになります。
何が足りなくて、何が欲しいかというと、それは愛です。
「私は愛されていない」と感じていると、食べ過ぎてしまうことが少なくありません。
一概には言えませんが、お母さんから愛されていないと感じていると、過食症などの問題を抱えてしまうことも少なくないようです。
ですから、いくら食欲を抑える行動をとろうとしても、愛されているという実感を持てないでいると、食べ過ぎるという行動が収まらないのです。
「さみしい」「助けがない」「愛されていない」などの感情があると、それを食べ物で満たすがごとく食べ過ぎてしまうのです。
たくさん食べると、食欲は満たされますが、肝心の「さみしい」「助けがない」「愛されていない」などの感情は全く満たされません。
なんたって、食欲とは全く関係のない感情ですからね。
ですから、食べ過ぎるという行動をやめていきたいのであれば、「愛されている」という実感が必要になってくるのです。
さみしい気持ちを解消するには、そばいいてくれる人が必要ですし、話を聞いてくれる人が必要です。
助けがないという気持ちを解消するには、助けを求めて、それにこたえようとしてくれる人が必要です。
誰か自分以外の人が必要になってきますね。
ですから、食べ過ぎてしまうことを解決するには、自分以外の誰かが必要なのです。
誰かから大切にされていること、誰かから必要とされていること、誰かから愛されていること。
食べ物で満たすのではなく、足りないと思っている感情を、満たしていく必要があるのです。
心が「愛されてる」という感情を感じることができるようになると、必要以上の食べ物を食べて、愛の代わりに満たそうとする行動は収まってきます。
食べることが悪いわけではなく、過ぎることが問題なのですが、過ぎるということは、理屈や理性での制御が効かない状態です。
理屈や理性で、コントロールできないのは、そこに感情があるからなのです。
食べ過ぎてしまう自分を責めるのではなく、「何を満たそうとしているのだろう?」と考えてみてください。
「愛されていない」「愛が足りない」と思っていませんか?
理屈や理性でどうにも抑えられない問題の下には、感情があります。
感情を物質で満たすことはできません。
本当に欲しかった愛で、満たす必要があるのです。
>>>『様々な過ぎてしまう心理(2)~お金を使い過ぎてしまう心理~』へ続く