性行為が嫌い

相談者名
ちぃ
私(35歳)、付き合って2年の彼が10歳下の年の差カップルです。
彼はSEXが嫌いだといってまだ一度もSEXをしていません。
SEXが何故嫌いなのか?そういった事でよく喧嘩をしました。
でも彼から出る言葉は「SEXは面倒・興味ない・嫌い・やりたくない」
とにかく理由と言う理由をあげてくれないのです。
「汚いと思うの?」っと聞くと、それはそうでもないみたいです。
「腰を振るのが面倒だ」なんては言うのですが…
この事を話すと喧嘩になってしまうので、もう話さないほうが良いと思い今ではこういった話はほとんどしません。
ただ、私は結婚をして子供が欲しいと思っているので「早く結婚したい」とか言ってしまったりします。
彼は「プレッシャーかけられると逃げるよ」っと…
「いつか結婚しようね」っとは言ってくれるものの、私は彼の子供が欲しいですし、もうギリギリラインで・・・
いつ?っときけば「俺が30歳越えたらかな。」っと。私は「私が40越してしまうからダメ。もっと早く」っと焦らせてしまう始末。
SEX嫌いな彼に「SEXできる?子供作れる?」っと聞いたら「大丈夫」っと言うだけです。
彼の実家にも連れてってもらいご両親、ご兄弟、そして地元の先輩などに会ったりもしましたが、やはりSEXがないとどこかで不安になってしまいます。
この切羽詰った年齢で、結婚の約束もしない、SEXもしてくれないのは正直厳しいです。
私は彼と結婚したいですし、彼の子供も欲しいと思っています。
彼に性欲がそんなにないのなら回数は少なくてもいいから彼と重なり合いたい。愛されたいと思ってしまう私。
色々悩み、勃起不全なのか?包茎だから恥ずかしいのか?など色々考えましたが、当たり前のように答えは出ません。
彼を思い出すと、今まで元気になっているモノを見た事がありません。
確認はしたいもののプライドが高い彼に聞く事もできない。
出来ない理由をどうやったら聞けるんだろう?
どうしたら彼を怒らせず、傷つけずにSEXしない・出来ない理由を聞けると思いますか?
私にはうまい言葉が出てきません。
そして、どうやったら結婚したいと思ってくれるのでしょうか?
カウンセラー
池尾昌紀
ちぃさん
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。お付き合いされて2年、その中で、ご相談のような状況が続いているのは、本当に辛いと思います。

セックスレスのご相談をカウンセリングで受けることは多くなっています。
その中で、彼や夫がSEXに興味を持たない、という場合、パートナーである女性はとても傷ついてしまっています。
その理由の大きなひとつは、SEXを求められないということが、女性としての魅力がない、価値がない、ということに直接結びついてしまう、ということがあげられると思います。

例え、彼や夫の側に原因や問題があってSEXを求めてこない場合であっても、女性としては、まるで自分に原因があるように感じてしまいやすいのですね。

そうすると、こんな自分だからだめなんだ、と自己攻撃してしまったり、彼は私を実は愛していないのだと感じて、そのことが本当に苦しくなってしまいます。

今回のご相談の場合は、彼がSEXを嫌っているだけでなく、結婚についても彼の態度が曖昧というお話です。

そうすると、SEXや結婚への態度が否定されたり曖昧にされる度に、先に書かせていただいた辛い気持ちを強く感じるようになってしまうのではないでしょうか。
これは本当に辛いと思うのです。

SEXというのは個人差がとても大きいものなので、セックスレスやSEXへの嫌悪についての原因は、ケースバイケースになってきてしまうことも多いのも、簡単に解決できない理由のひとつのように思います。

ですから、ご相談の文面だけでは判断できないところも多いのですが、その上で、私の推測でお話を続けさせていただきたいと思います。

まず、今回のご相談の彼は、どうしてSEXを嫌悪してしまうのか、という彼の心理から考えてみたいと思います。

ヒントは、ご相談の中で「理由という理由をあげてくれない」と書かれているところにあるようにあるのように思います。

はっきり言えないということは、「はっきりした理由がわからないから説明できない」か、「言いたくない」のどちらかと言えそうです。

もし言いたくないとすると、「はずかしいから」「みっともないから」「プライドが許さない」「弱いところを見せたくない」などの理由が考えられます。

いずれにしても、そこにあるのは、彼の自信のなさ、自分には価値がないと思う無価値観、つまりは「自分はダメな奴なんだ」「どうせ自分は愛されないんだ」という、とても弱い部分であるのではないかと思います。

男性というのは基本的に弱さを見せてはいけない、とか、弱いのはかっこわるい、という思いを持つものです。

でも、それは、弱い自分を隠している口実になっているケースも多いようです。

特に、SEXについては、SEX=男性らしさのシンボルというイメージを強く男性は持っている場合が多いので、SEXが弱いとか、性的なコンプレックス、EDなどを持っている場合は、それが強い劣等感に結びつき、あまりにその劣等感が強いために、この部分に向き合うことができず、この部分に強固なフタをしてしまっている場合があるのですね。

男性心理から言うと、この部分を表に出すというのは「死ぬより辛いこと」であることが多いのです。はずかしくて死んでしまいそう、男ではないと宣言されてしまうような感覚です。
まずは、こうした男性の心理を知っておくことは、大切なポイントになってくると思います。

私は男性なので、自分で言うのもなんなのですが、こうした男性の弱い部分を見せられない感覚は、とても面倒くさい、と思います。なければもっと楽なのに、とも思いますが、それがあるのが男性、ということも事実なんですね。

女性からしたら、そんなものより、もっと大切なものがあるだろう!と思われるかもしれません。
SEXがない不安、つながりたいのにつながれない寂しさ、結婚への不安。
そして、女性には子どもを産むための年齢的なリミットがあります。
それは、本当に切実な問題です。

なのにも関わらず、ここは男性からすると理屈で説明できないものがある。
わかっていても、どうすることもできないような感じです。
それでも、相手のために、自分を変えていこう、という勇気を男性は持つべきとは思うのですが、そうはいかないところが、SEXに関する問題の難しいところでもあると私は思います。

では、どうしたらこうした男性の気持ちを解きほぐすことができるのでしょう。

まずは、先に書かせていただいたように、男性心理を知ること。
知ることの大きなメリットは、「私じゃだめなんだ」と自分を責めなくていい、と思いやすくなることです。
「私じゃだめなの?」「魅力がない、価値がないの?」と自分を責めてしまった時には、逆に、そう思っているのは彼のほうだ、と気持ちを変換してあげてください。
これだけで、気持ちが楽になることがあります。
その時初めて、いかに自分で自分を責めていたのか、そのことがどれくらい苦しかったのか、を知ることができるかもしれません。
私たちは、相手を責めている時、相手に原因がある時でも、一番の苦しみは自己攻撃なのです。

こうすることで、自分の中に少しの余裕が生まれます。この余裕が、良いアイディアを生んだり、彼と接することを楽にしていくとも言えるんですね。

あなたに余裕が生まれる度合いだけ、彼も安心することができます。
いってみれば、彼は小さな男の子がすねているような状態です。

「僕はこんなことができないんだけど、それを言ったら怒るよね、ばかにするよね」とすねている男の子。
そんな男の子の心を開くには、「大丈夫だよ、安心していいんだよ」と根気よく言ってあげる必要が出てきます。

彼の場合、これはSEX以外にも当てはまるのではないかと思います。
基本的にプライドが高くて、弱音がはけない。
でも、本当は弱音をはいたり、甘えたりしたいはずなんですね。
まっすぐSEXの話にいくのは、かなり難しいと思われます。
ですから、その他のところで、彼が弱音を吐きやすい、甘えやすいように、彼が喜ぶことをしてあげたり、安心やリラックスできるように声をかけたり、してみる方法が有効なことがあります。

彼のほうが強い、優位に感じたりすることもあると思いますし、別れを切り出されたらどうしよう、という不安もあるので難しいところとは思うのですが、実は、立場は逆なんです。
彼の一番の怖れは、あんたなんか男じゃない!と見捨てられることなんですね。

こうした視点が、気持ちを楽にさせることもあります。

でも、そんなこと、こちらの心に余裕がなければ、絶対できないですよね。
ましてや、結婚、SEXへの不安、子どものことなど、相手のことをかまっている余裕がない状況です。
彼が変わっていくのには、ある程度の時間がかかります。
ですから、一人で抱えない、誰かに相談したり、支えになる人や場所を作って、やっていくことが大切になってきます。
一番に考えないといけないのは、自分のケアなんですね。
こうした状況では、心の身体も疲れてしまいます。あなたが倒れてしまったら、彼と幸せになるこも難しくなってしまうと思うのです。

そして最後に、それでも、こうしたアプローチができるのか、ということがカギになってくるように思います。

カウンセリングの中で、恋人同士や夫婦の問題を扱っていく中では、どうしても避けて通れないものとして、「本当にこの人が一緒に人生を生きていく相手なのか」という問いがあります。

ちぃさんのご相談は、おそらく、この記事を読まれる多くの方が、ちぃさんの辛い気持ち、不安に共感されるのではないでしょうか。
話しにくい話題ですが、もし、親しい人に話すことができていれば、ちぃさんの辛い気持ちをわかってくれ、あなたを心配してくれるはずです。
心配してくれるだけに、時には「別れたほうがいいんじゃないか」と言われることもあるはずです。

そして、それは、ちぃさん自身が、何度も自問自答をくり返してきたことではないでしょうか。

そう考えたら、彼と別れる決断をしてもいいはずなのです。
それでも、あなたが彼を選ぼうとしておられる。
それが大切だと思うのです。

なぜ、あなたは彼を選ぼうしているのでしょう。
彼にはたくさんのいいところがあるからではないでしょうか。
彼にしてもらったたくさんのことがあるからではないでしょうか。
そして、彼を愛しているという強い気持ち。
それを大切にしていただきたいのです。

そして、その上で、本当に彼なのか、という選択していくことが必要になってくると思います。
逆に言えば、彼の良さ、彼を愛している気持ちをきちんと知って感じなければ、この選択はできないと思うのです。

彼を愛するという、ちぃさんの気持ち。
その思いこそが、この問題を解決していく大きなカギであると私は思います。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。