こんにちは 平です。
先日、テレビを観ていたところ、女性たちは合コンに行ったときなど、男性に対して非常に多くのチェック項目をもっているという話題が出ていました。
その査定が厳しすぎるために、なかなか恋愛が成就できないというのです。
もちろん、いろいろな角度から異性をチェックしたいと思うのは当たり前のことです。
ただ、チェックリストが多すぎる場合、その裏にはえてして、「自分の不足をだれかに埋めてもらわなければならない」という信念が隠れているようです。
たとえば、あなたがいま貧乏していたら、彼はお金持ちであったほうがいいと思うでしょう。あなたが学歴にコンプレックスをもっているとしたら、彼には高学歴を求めがちです。
私たち人間には、「自分にはない」と思っているものをパートナーに求める傾向があります。
つまり、異性に対するチェック項目が多いということは、自分自身に対する不満をたくさん抱えていると言い換えることができそうです。そして、その不満をどう解決していいのかがわからず、パートナーに委ねようとしているということになるわけです。
また、それほどたくさんの不満を自分にもっていたとするならば、あなたの中には「こんな私がはたして愛されるのだろうか」という疑問もつねに隠れているものです。
すると、彼がどんなにあなたを愛してくれたとしても、あなたは彼のことを疑いつづけねばなりません。
「信じてないわよ」、「こんなに手がかかる私で大丈夫かしら?」などと思っているかぎり、パートナーに対するチェック項目は増えることがあっても、減ることはありませんよね。
また、なかには過去の男女関係において傷つき、その投影として、パートナーへの欲求が増えていく場合もあります。
「最初の男には浮気をされた」、「二番目の男は働かなかった」、「三番目の男はカネばかりかかった」‥‥、ということであれば、あなたは「浮気せず、働き者で、質素を愛する男がいいな」などと思ったりしますよね。
でも、それは、あなたが心から望んでいるパートナーというよりも、過去に傷ついた補償として求めたパートナーだといえます。
さらに、チェック項目が増えすぎているとき、あなたの深層心理の中には、パートナーとはあなたの「よろこび」ではなく、あなたを「傷つけるもの」という自己概念があることも多いようです。
だから、いろいろな角度から、「この人は私を傷つけない」ということを審査しなくてはならないわけです。
でも、あなたを傷つけない人があなたのよろこびになれるかどうかはまた別の話ですよね。
本来、恋愛とは、その人といるだけで、愛を感じ、優しさを感じ、よろこびに包まれる状況であり、だからこそ、あなたは彼のことをどんどん好きになっていくわけです。
それなのに、なにかにつけて、彼のことを疑いや傷というフィルターを通して見るのはもったいないことですよね。それよりも、あなたのよろこびや愛に彼が共鳴してくれるかどうかということがいちばん大事なことであるはずです。
私のカウンセリング経験からいえば、恋愛がうまくいかないいちばんの原因は、「彼はほしい。でも、また傷つくのはいや」という思いにあるといえそうです。傷つくことから自分を防衛しようとするために、臆病になったり、慎重になりすぎたりしてしまうのです。
日本人はとても繊細な民族だといわれます。だからこそ、恋愛やコミュニケーションについても、細やかな配慮や技法を生み出してきたりもしたわけですが、その繊細さは逆に傷つきやすさにもつながっているのかもしれません。
もし、あなたも異性に対するチェック項目が多いなと気づいたら、これからはネガティブな項目を減らし、ポジティブな項目が並ぶチェックリストをめざしてみたらどうでしょう。
たとえば、「よく笑う」、「情熱的である」、「情が深そうだ」‥‥。そんな目で異性を見ることができたなら、同じ人のことも、いままでとはまったく違う評価ができるようになるのかもしれません。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!