ほんとのロマンスは40代から

こんにちは、平です。

ある若い男性から、先日、こんなふうに聞かれました。「なぜ、若い女性は中年のオヤジと不倫関係にハマるんでしょう?」。

彼曰く、「オヤジのみなさんは僕らより年収が高いので、一見、経済的にゆとりがありそうに見えますが、たいていは結婚していますから、子どもの学費がかかるし、ローンだって抱えていますよね。だから、そんなにお小遣いはもらっていないと思うんですよ。しかも、腹が出て、加齢臭がして、頭がハゲてきていたりもするのに‥‥」。

不満げな彼はさらに続けます。「その点、僕ら若手は、給料はほとんど自分の小遣いとして使えます。ファッション誌だってちゃんと読んでるし、おしゃれなレストランも調べています。合コンにもちょくちょく行って、女性の好みもよく知っているのに、なぜ、あのオッサンたちに、不倫という将来のない関係で、かわい子ちゃんたちをもってかれるんでしょう!」。

まことにごもっともな疑問であるわけです。

彼の言うとおりなのですが、私はこう答えました。「あなたにはなくて、おじさんたちにあるのはなにかといったら、“ガツガツしていない”ということかもしれませんね」。

ガツガツしていない‥‥?

これはホルモン・バランスの問題なのですが、若い男性は男性ホルモンが強く、女性ホルモンは少なめです。そして、男性ホルモンが強い若い男性は、女性に対し、「お願い、させて!!」という状況にたえずあります。

一方、女性は「ロマンチックな気分で私を心から愛してくれるなら、もちろんいいけど、ガツガツして、体だけが目的ならいやよ」と思っています。

つまり、女性の中では、セックスよりロマンスが優先するわけですね。

 

中年のおじさまたちも、若いときはもちろんガツガツしていたわけです。しかし、年齢とともに男性ホルモンが次第に減り、女性ホルモンが増えてくると、それぞれのホルモンがほどよく拮抗するようになります。

ちなみに、女性ホルモンが増えてきた証しとして、あの立派な中年体型になってくるといわれているのですが、そうなるとなぜか男性もロマンチックなことが好きになってくるのです。

中年のおじさまの愛読誌といえば、『一個人』、『男の隠れ家』、『レオン』なでですが、こうした雑誌にも「雪見温泉宿」とか「ロマンチックな寝台列車」など、ロマンチックな気分を刺激するような特集ばかりが掲載されています。

そして、それらは、若い女性も大好きなものであるわけです。

同じお酒を飲むにしても、夜景が美しく、素晴らしい気分になれる場所でロマンチックに過ごしたいと思う女性と、それを理解できる中年のおじさまという図式が成立するんですね。それで、不倫関係に陥る人というのも少なくないようです。

同じように、40代以上の女性もまた、心からロマンスを求めています。その欲求の強さといったら、純情そうな韓国人の青年に「アナタノコトガ スキダカラ」とつぶやかれるだけでメロメロになり、韓国まで追っかけていくほどです。それだけロマンスに飢えているわけです。

こうした奥さまたちの多くは、「ロマンスが欲しい」と心から思っていた若いときにご主人に放っておかれました。

ところが、すっかりロマンスをあきらめたいまごろになって、なぜか、ご主人がキッチンにいる彼女たちのオシリのあたりをウロウロとしはじめたりするわけです。

「もーう、ウザいわね。ビールなら冷蔵庫の中よ」と追い払ってしまったりするのですが、まさか、ご主人がロマンスを欲しがりはじめているとは、気づきもしません。

もっといえば、定年退職後、ご主人は奥さまと世界一周旅行をしたいと思っているのですが、奥さまは若いときにかまってもらえなかったことを根にもっているので、「いいわよ、旅行なら友だちと行くから。あなたもお友だちと行ってくれば?」と言ったりします。

つまり、若いとき、あれだけロマンスが欲しいと思っていた私を放っておいたくせに、「いまさらなによ!」と怒っているようなのです。

とはいえ、ロマンスが欲しいのは、じつは二人ともまったく一緒なので。

ほんとうのロマンスは40代から。

若い読者のみなさん、将来がとても楽しみですね。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。