おしゃれの裏側にあるもの

こんにちは、平です。

私は二人の子どもをもっているのですが、うちの子どもたちは双子で、しかも、男の子と女の子の双子なのです。

双子であるにもかかわらず、タイプは正反対です。

娘のほうはお買い物好きで、ファッションにもものすごく興味があります。カラコン、エクステ、つけまを筆頭に、ありとあらゆるアイテムをとりそろえています。

一方、息子のほうはショッピングにはまったく興味がなく、この前、2年半履き続けたスニーカーをようやく買い換えたぐらいです。どれだけ言っても服を買おうともしなくて、冬用のダウンは、私の山用のダウンのお古を着ているようなしだいです。

心理学に、“エディプス・エレクトラ・コンプレックス”という、男女の性に基づくコンプレックスがあります。

“エレクトラ・コンプレックス”というのは一般に女性がもつもので、自我が発達しはじめるころに、「あれ? あたし、オチンチンがないじゃないの!」と気づくところからスタートします。

そして、「どうしてないのよ。なんか、ソンしてる!」と感じ、その欠けたものを埋め合わせようと考えるようになります。で、そのためには、あれもこれも、これもあれも、いろいろなものが必要になるわけです。

それに対し、“エディプス・コンプレックス”は一般に男性がもつもので、男のシンボルとしてのオチンチンがそのベースにあります。で、オチンチンを持っている「男のくせに」、「男なんだから」という発想が生まれるわけです。

これは将来的には、家柄や学歴、会社という付属物をとても大事にするという心理にもつながっていきます。

ですから、会社をリストラされて自殺してしまうのも、圧倒的に男性が多いわけです。心理分析すれば、会社という付属物から切り離された自分は、まるでオチンチンをちょん切られてしまったような気分になるわけです。自分のアイデンティティが失くなってしまうのですね。

そんなわけで、うちのように双子で育つとなおさら、娘は「持っていなくて、ソンだ」と思い、一方の息子は「僕だけ持ってる‥‥」と感じることから、所有することに罪悪感が出てくるようなのです。

実際、傾向としては、男性にはあまり物欲のない人が多いようですね。

これも心理的に見ると“エディプス・コンプレックス”ゆえのことで、「僕はもういいよ。オチンチン1個あるから」というようなことを感じているわけです。ヘンですね。

しかし、年齢とともに、男性の中にも女性性のエネルギーが増えてくると、心理的なバランスがとれるようになってきます。

すると、男性にも物欲が湧いてくることがよくあるのですが、それは往々にして、なんらかのコンプレックスを補おうというところからスタートすることが多いようです。

たとえば、肉体的なコンプレックスが強い人は、かっこいいスポーツカーやバイクに興味を持ち、それを所有することで自分のコンプレックスを補填しようとするとはよくいわれます。

これは、背が低いことにコンプレックスのある人がシークレットブーツを履いたり、髪の薄いのを気にする人がカツラをつけたりするのともたいへんよく似ています。

また、年齢により肉体的な衰えを感じはじめると、われわれ男性もファッションに興味をもち、それを補おうとします。男性のファッション誌の『LEON』は中高年のおじさま向けのファッション誌ですが、毎号、コンスタントに売れていて、これは若者向けのファッション誌以上の販売部数があるとも聞きます。

いずれも、なんらかの損失や欠陥を補いたいという心理から来ているわけで、つまり、年齢を重ねると、男性といえども“エレクトラ・コンプレックス”とでもいうようなものが芽生えてくるようなのです。

最初に述べたように、男性は女性に比べ、若いころにはそうした欲求はさほど強くはありません。でも、「おれももう若くないから‥‥」というような年齢になると、新たな動きをはじめるというわけですね。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。