こんにちは平です。
私どもではカウンセリングを通して、さまざまな心の問題を扱っているわけですが、じつは肉体的な問題についてご相談に来られるお客さまも意外と多くいらっしゃいます。
たとえば、背が低すぎるとか、高すぎるとか、オッパイが小さすぎるとか、やせすぎているとか、太りすぎているとかいったお悩みです。
こうしたお悩みのすべては、その人の“自己嫌悪”とつながっています。
「だから、私は愛されないのに違いありません」という思い込みをつくっているわけです。
しかしながら、25年間にわたるカウンセリング生活の中で、私が学んだことの一つが、「肉体的なものは、それがどれほどすばらしいものであれ、慣れるし、飽きる」ということです。
もしも、美男美女というのが愛されるための絶対的な要素だとしたならば、美男美女どうしの芸能人カップルが別れることなどありませんよね。
たしかに、美男美女はそのままでも目立つ存在だし、モテる要素には違いありませんが、だからといって、「美男美女どうしだと別れない」ということはけっしてないわけです。
むしろ、意外と美男美女と呼ばれる人たちのほうが、多くの失恋や別れを経験しているともいえそうです。
さて、先ほども申しましたように、肉体的なコンプレックスは「どうせだれも私を愛してくれないのだ」という思い込みとつながりがちです。
その思い込みにしがみついてしまうと、あなたはだれも愛そうとしなくなるでしょう。そのことのほうが、背が低いとか、やせすぎているとかいったことよりずっと、あなたの恋愛の障害物になるわけです。
以前、こんな女性がいました。
彼女はまるでアイドルのようにかわいい人だったのですが、とても大きなコンプレックスをもっていました。
それは、まるで少年の胸のようにペチャパイだということでした。
そして、「女性の胸は大きければ大きいほど、男性は喜ぶものだ」
と彼女は思っていたのです。
その彼女に私はこんな質問をしてみました。
「あなたにちょっと似たアイドルの○○ちゃん、もし、彼女が巨乳だったら、どんなイメージになると思う?」
「うーん、それはちょっと似合わないわね」
で、なんとか聞く耳をもってくれたので、「つまり、人の魅力は胸だけで評価するものじゃないよね。全体のバランスで見てみようよ」と提案してみたわけです。
彼女はそれなり納得してはくれたのですが、胸に関するコンプレックスはほんとうに大きく、彼氏ができても、「こんな胸を見られたら、きっと嫌われてしまう」と思い込んでいました。
そのため、キスから先にはなかなかいけず、ボーイフレンドの多くは「僕のことがそんなに好きではないのか?」と思い、彼女から去っていってしまったわけです。
「ペチャパイのことを知られたら、嫌われてしまう」。これは、彼女にとってはもはや思い込みを超え、信仰に近いものであったわけです。
その彼女にまたボーイフレンドができたとき、私はこう言いました。
「もう、すべて彼に決めてもらおうよ。あなたのペチャパイを好きか嫌いか、それを決める権利は彼のものであって、あなたのものではないものね」
で、彼女はそれこそ清水の舞台から飛び降りるような思いで、その日を迎えたそうですが、そのころの彼女は、自分のコンプレックスについて、彼と話すだけの成熟さをもっていました。
彼女が「彼に身をゆだねてみよう」と思えたのは、そのコミュニケーションの中で、彼が「僕はきみのことが大好きだから、きみの胸がどんな胸であろうと、その胸を僕は大好きになる」と言ってくれたときだったといいます。
彼は、「きみの胸がどんな胸であろうと、その胸はきみ自身なんだ。きみが愛せなくたって、きみのぶんまで僕が好きになって上げる」とも言ってくれたそうです。
その彼にすべてを委ね、そして、彼女のネガティブな思い込みは消えてなくなったそうなのです。
恋愛は、二人でするもの。あなた一人ですべてを決めてはいけないのですよ。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!