こんにちは、平です。
男女関係が終わろうとしているときに、私どもにご相談にこられるというケースはとても多いものの一つです。
そして、その多くの人は、パートナーが別れたがっているのにもかかわらず、そのパートナーにしがみつこうとしています。
これは、大なり小なり、だれもが経験しているのではないでしょうか?
こんなとき、「別れたいならしょうがない。縁がなかったのね」とあっさりスッパリ別れられる人は、次のパートナーにもすぐにいけることが多いのですが、反対に、その失恋というよりも、パートナーのことが忘れられない人は、5年も6年もその思いを引きずり、ほかの人にまったく目がいかないこともあります。
別れた彼氏や彼女に執着してしまいがちな人に多いのが、まるで「この世の中に、異性はあの人しかいない」というような思い込みをもっているということです。
その深層心理を見ていくと、「こんなダメな私を愛してくれる、唯一の人」、「こんなバカなおれのことを愛してくれる、奇特な人」というふうにパートナーを扱っていることが多いようです。
つまり、パートナーに執着しているというよりも、「こんなにダメな自分、こんなにバカな自分が、パートナーなどもてるはずがない」という自己概念に執着しているといえるのですね。
そのため、「自分を好きになってくれた、奇跡のようなあの人」への執着が手放せなくなるという場合が圧倒的に多いわけです。
こうしたケースでは、一見、彼や彼女のことを、心から愛し抜こうとしているように見えるかもしれません。
しかし、相手からしてみれば、「あなたが去ったら、私はひどく傷つくわよ」、「もう、人生を生きていけないかもしれないわ」などと、まるで強迫されているような気分になってしまいます。
あなたが彼や彼女のことを心から愛していると思っていたとしても、相手はあなたから、愛ではなく、恐れを感じていることが多いのです。
こんな話をすると、ほとんどのみなさんが「こんなに愛しているのに、なぜ?」とおっしゃいます。
その答えは、あなた自身の恐れがパートナーに伝わっていることにあります。
なぜなら、多くの場合、「彼が彼女がいなくなったらどうしよう」と、“いなくなってしまうこと”に対しての恐れを感じ、それをなんとか防止するために執着しているからです。
愛というものは、自由で、ゆとりがあるものです。
執着はまったく逆で、ゆとりどころか、せっぱつまっていて、必死にあがこうとするエネルギーをつくりだしてしまいます。
その裏には、「いま、離れていこうとしている彼や彼女を手放してしまったら、私は金輪際、恋愛できないに違いない」などという思いがあるわけです。もちろん、そんなことはまったくないのですが・・。
でも、その考え方によって、あなたは心のゆとりをなくし、そして、あなたの愛は恐れに変わり、彼に伝わってしまうようなのです。
そんなとき、私はよく、こう問いかけます。
「いま、あなたのパートナーは、“あなたを傷つける人”になっていませんか?」
本来、パートナーというのは、あなたを愛し、あなたの心をよろこばせる人であるはずです。
ところが、そのパートナーのことをあなたを傷つける人だと思っていると、あなたはそれ以上傷つかないようにと自分を防衛し、そのなかで、しばしば相手を無意識的に攻撃してしまうのです。
つまり、あなたも、パートナーにとって愛やよろこびではないことをしてしまっているということに気づいていただきたいのです。
さらに、私はこういうこともよく言います。
「あなたが全精力を上げて勝負を賭けるときは、いまではありませんよ。
だって、いま、彼や彼女はあなたから逃げようとしていますからね」
ここであなたは、「いっぱい悩んだみたいね。私のこと、いっぱい気づかってくれて、ありがとう」などと言い、パートナーを気持ちよく手放してあげることはできるでしょうか?
もし、それができたら、パートナーをあなたに対して感じている罪悪感から救ってあげることになりますから、あなたのイメージは非常によいままで二人の関係を終われるわけです。
その後、パートナーはさまざまな人とおつきあいするかもしれませんが、ケンカしてもめたりすることもあるでしょう。
そんなとき、「これまでに、いちばん私を愛してくれたのはだれだろう?」などと考えたら、まっさきにあなたの顔が浮かんでくるのではないでしょうか。
そして、久しぶりにあなたに「メールでもしてみようかな」などと思うかもしれません。そんなときこそ、もう一度、勝負をかける大チャンスなのです。
いったん退却し、再攻勢をかける。それは、大英断といえますが、新しいチャンスを運んでくれるかもしれないのです。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!