感情がもたらすもの

こんにちは、平です。

「感情というものが、いかに大事か」というお話は、これまでにも繰り返しお話しさせていただいていますが、きょうもまた別の切り口で、感情についてレクチャーしていきたいと思います。

私たちはそれぞれ、“自己概念”という名の信念をもって生きています。

この信念が、たとえば、「人生とは、つらく、苦しいもの」とか「苦労は買ってでもするのが正しい生き方だ」というようなものだとしたらどうなるでしょう?

この信念の持ち主は、「すべてのことは、つらくて苦しい。しかし、そこにこそ価値があるのだ」という思いをもっているといえるのではないでしょうか。

すると、日常生活において、この人の感じる感情には、「つらい」とか「苦しい」というものがどうしても多くなるわけです。

そして、どうしても、「つらい恋愛」をする傾向が強くなったり、「苦しい仕事」を選ぶ場合が多くなったりしてしまいます。

なぜなら、「つらい、苦しい思いをしなくてはいけない」と思っているからです。

昔、『だめんず・うぉ~か~』というマンガが流行ったことがあります。

ダメな男(だめんず)ばかりを渡り歩いてしまう女性の話でしたが、いってみれば、だめんずを好きになってしまう女性たちも、同じような信念の持ち主といえそうです。

つまり、「つらい」とか「苦しい」という感情を感じやすくするために、その状況をつくりやすい相手や仕事を選択するわけです。

そうして、自分の中のバランスをとろうとしているわけです。

言葉の魔術のようなものなのですが、多くの人は、「失恋」という言葉を聞くと、「つらい」とか「苦しい」というイメージを抱くのではないでしょうか?

「楽しい失恋」とか「愉快な失恋」というのは、イメージとしてないわけです。

すると、実際に失恋を経験したときにも、あなたの心はどうも、「つらくならなければならない」とか「苦しまなくてはならない」と思い込んでしまいます。

でも、考えてみれば、「楽しい失恋」や「愉快な失恋」があったっていいですよね。だって、それなら、苦しむ必要がないのですから。

同じように、私たちは結婚や子育てにも、「つらい」、「苦しい」というイメージをもっているようです。

心の中に、「結婚とは、がまんばかりしなければならないもの」だとか、「子育てのために、自分は犠牲しなければならない」というルールがあるのです。

これは、どうやら、両親から学んだものといえそうなのですが、これではなかなか、結婚しようとか、子どもをもとうとか、思えなくなってしまいますよね。

一方、結婚している人や、彼や彼女がいる人には、「苦労せずに、なぜか簡単にできちゃった」という人が意外と多いようです。

そして、「なぜ、結婚できたの?」という質問に、多くの人が、「なんとなく」と答えます。

なかなか結婚できないと思っている人にしてみれば、「なんとなくで結婚できたら、あたしゃ、こんなに苦労しないよ!」と言いたくなることでしょう。

しかしながら、苦労しない人というのは、どうも、とことん苦労せずに人生を生きていくようなのです。

それは、もっている運命や星が違うということなのでしょうか?

私が思うのは、運命や星ではなく、「その人がたえず感じている感情が違う」ということです。

いつも楽しい感情を求めている人は、楽しい恋愛、楽しい仕事、楽しい友だちづきあい、楽しい旅行ができるようになるには、どうすればいいだろうと考えながら毎日を生きています。

「だれと結婚すれば、自分の人生がより楽しくなるだろう?」
「どんな人たちといっしょなら、もっと仕事がおもしろくなるだろう?」

「だれといっしょに行けば、楽しい旅行になるだろう」

こんなふうに、つねに楽しさを感じられるようにと、ものごとや対人関係について考えているわけです。

もし、あなたがもっと楽しく愉快に人生を送りたいと思うのならば楽しさや愛など、よい感情をいっぱい感じることをいつも求めながら日々を生きてみてはいかがでしょう?

人生を上手く楽しんでいる人には、そんな考え方をもつ人が多いように思うのです。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。