苦しいです

相談者名
りん
ごめんなさい。ここで相談してもいいのかわからないのですが、苦しいので聞いて下さい。
私はカウンセリングを受けています。
でもカウンセラーさんに執着してしまって苦しいです。
自分のことを見てもらいたい、自分だけを見てもらいたいと思い、苦しくなってしまいます。
執着を手放そうとがんばっているのですが、手放そうと思えば思うほど、手放せなくて苦しいです。
他の人にも嫉妬してしまい、余計に苦しいです。
こんな自分がどんどん嫌いになります。
このことは全部カウンセラーさんも知っています。
でも、自分の気持ちを伝えることさえ罪悪感に感じるようになってしまいました。
執着を手放さないと苦しみから抜け出すことはできないとわかってはいるのですが、手放せなくて、苦しくて、もうどうしたらいいのかわかりません。
なにか、抜け出すヒントがほしいです。
よろしくお願いします。
カウンセラー
池尾昌紀
りんさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

今は、本当に、本当に苦しい時だと思います。
夜も眠れず、食べるものも喉を通らず、この思いは日夜頭から離れず。
そんな毎日なのかもしれません。

けれど、この苦しみは、自分よがりなのではありません。
その相手を大切に思えばこそ、こんなに苦しんでおられるのです。

りんさん、あなたは、ここまで自分を苦しめるほど
誰かのことを大切に思うほど、やさしい人なのです。
そして、そのことは、相手の方には確実に伝わっていると僕は思います。

「手放す」という言葉はとても大切な言葉だと思います。
けれど、時に、それは、少し重くなってしまうことがあります。
りんさんは、そう感じることはありませんか?

「手放す」という言葉は、元々、英語の
「Letting go」を日本語訳したものです。
訳としては、とてもよく考えられたものだと思いますが、
本来の英語の意味としては、
「Let ~ 」で、「~させる」というような意味になるようです。
そうすると、 「Letting go」は、直訳すれ
ば、「行かせる」というようになり、
自分から手を離す、というよりも、相手が自ら行く、とか、
自然に向こうへ行く、というようなニュアンスになるのではないかと
僕は思っています。

誰かに執着してしまっている時、
執着を手放そうと思っているのに、
その思いが強ければ強いほど、時に、その思いの強さ故に、
執着よりも、「手放す」といいう思いそのものが重く苦しくなってしま
うことがあります。

「手放す」ということを思う時、
時には、「自分から手を離す」ということではないという視点を持つことで
気持ちが楽になることがあると思うのです。

僕の英語の得意な心理学を学んでいる友人に聞いたところ、
その人は、心理学をふまえながら、とても大胆な日本語訳を
してくれました。
それは、

「かわいい子には旅をさせろ」

というものでした。

手放そうと思う時、対象となるものや人などは、永遠に自分のもとから
離れていってしまう
と思えます。
それが辛く苦しいのです。
けれど、それは、永遠の別れとは限りません。
もしかしたら、いつか、全く違う形でまた、自分のところに帰ってくる
かもしれないのです。
それは、とても大切な友人、頼りになるビジネスパートナー、
どんな形になるかわかりませんが、大切な存在として。

そんな視点でみてみてはいかがでしょうか。

「手放す」とは、何かを捨てることではありません。
今までとは違う、新しい視点でとらえること。
そして、それは、自分自身を縛っているものから、自分を解放すること
でもあります。

「手放す」ことは、「許し」ということでもあります。
りんさんは、もしかしたら、執着している相手を恨んでしまっているの
かもしれません。
それだけではなく、この状況を、さらには、自分自身を。
そして、そのことを、ご自身でも理解されておられるのかもしれません。

でも、同時に、「許したい」とも思っておられるのではありませんか?
相手を、状況を、そして自分自身を。

それができないことが、また苦しみになっているのではないかと思います。

「許し」への第一歩は、「自分から許そうと思う事」と言われます。
ということは、りんさんは、その第一歩を今、踏み出していることになります。
なぜなら、こうして相談をしてくださったからです。

思い出してみてください。
この相談をお送りくださった理由、それは、どうしてだったのでしょう。
自分が苦しくてしょうがないから、それだけの理由からでしょうか。
僕はそうは思いません。
それは、誰かを苦しめたくないから、ではないのでしょうか。

はじめに書きましたが、それは、りんさんがやさしいからなのです。
そして、そのやさしさは、必ず、りんさんを救うと僕は思います。

「許す」ことは、確かに、そう簡単にできることではありません。
一度に起こることではなく、少しづつ起こっていくことが多い。
けれども、「許し」起こっているのです。
たとえ、少しづつであっても、積み重なり、必ず大きくなっていきます。
そして、それは、今まで、りんさんが努力されてこられたことでもあると
僕jは思います。

自分一人だけでやろうと思ったら、「許す」のは難しいことです。
そんな時は、さらに、誰かに頼ってみてください。思いを直接伝えてみ
てください。
機会があれば、お話できれば幸いです。

りんさんの幸せを心から祈っています。

ご相談ありがとうございました。

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。