手放すことが難しいです

相談者名
アタル
はじめまして。宜しくお願い致します。
長く好きだった人に失恋しました。
私はCさんの目標に向かって頑張っている姿をずっと応援し続けてきました。そして応援の気持ちから徐々に好きになっていきました。Cさんは、私が落ち込んでいる時によく心配してくれたり、話を聞いてくれたりしました。Cさんは困っている人を放っておけないタイプなので、私のことを特別好きだったわけではないと思うのですが、私の気持ちには気づいてくれていたと思います。
そのうち、ふとしたきっかけで私の家に時折来てくれるようになり、男女の関係にもなりました。
ただ、Cさんのその時やるべきことを優先しなければという気持ちがあったので、こちらの想いをはっきり伝えることはしませんでした。Cさんの目標が達成されるまで、待っている気持ちでした。
それが突然、最近知り合ったばかりの人を好きになり、付き合うことになったと言われました。
私のことは特別に想ってくれていたわけではないことをCさんから直接聞きました。
私はずっと前からCさんのことを知っていて、Cさんの姿を見てきて、私なりにですが理解しようとして、それなのに、まだお互いによく知らない間柄で、知り合ってすぐにお互いが好きになって、付き合うことになったということにショックを受けました。
Cさんのことをまだよく知らない人を、Cさんは選んだのだ・・ということが、とても辛くて。
(私とその彼女は全く無関係というわけではないので傷つきました。)自分の中では、Cさんに「アタルさんは自分のことを一番よくわかってくれている」と思っていてほしかった・・と思います。私は自分がCさんの支えになれたら、と思っていました。
そして、私もCさんに支えてもらいたかった。
でも何かの本に「女性が尽くしすぎるのはいけない」ということが書いてあって、自分の行いに後悔もしたり。
久しぶりに本当に好きになった人でした。自分が心を開けた貴重な人でした。
Cさんを好きでいていいのか悩んで距離をとろうとしたこともありました。それも含め、Cさんに受け止めてもらおうとしていたのかと思います。
「手放す」とかわかっていても、気持ちがついていきません。こんな気持ちをCさんにわかってもらいたいような。でも重いですよね。
読んで頂き、ありがとうございます。
カウンセラー
三島桃子
アタルさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。手放すことって難しいですよね。なんだか割に合わない感じがしたり、悔しさも出て
きたり、執着する気持ちが出てきたり…。手放してしまうと絶望の中に放り込まれる
ような気がしたり。いろんな気持ちを感じると思います。まずは、手放すとか手放さないとかいうことよりも、アタルさんとCさんとの関係は
どのようなものだったのか、アタルさんに起きた出来事はどういうことだったのか、
ということを整理してみてはどうでしょうか。そうすることで手放すための準備もで
きますし、今後のアタルさんの人生をよりよくしていくヒントにもなるのではないか
と思います。アタルさんはCさんを応援していて、そこから好意も持つようになった。

Cさんの方も、アタルさんが落ち込んでいると心配してくれたり、親切な感じだっ
た。

そして、Cさんがアタルさんの自宅に出入りするようになり、男女の関係になった。

しかし、アタルさんは、Cさんのやるべきことを優先させないと、と思い、ご自分の
気持ちを伝えることはなかった。

Cさんは突然、最近知り合ったばかりの人とつきあうことになった。アタルさんのこ
とを特別に思っていたわけではないとCさんが言った。

さて、ここで疑問が出てきます。Cさんはアタルさんのことを特別に思っていたので
はないのなら、どうしてアタルさんの自宅に出入りするようになり、男女の関係に
なったのでしょうか?

状況から考えられるのは、アタルさんがCさんにとって「都合のいい女」になってい
たのかなということです。

Cさんにとっては

○自分のことを応援してくれる
○自分の都合を優先してくれる
○体の関係ができてもはっきりしたことを求めない

という感じです。さらに、Cさんからすると、「Cさんが都合のいい女であることを
アタルさんに求めた」というよりは、「アタルさんが都合のいい女である自分を差し
出した」というような感じだったのではないでしょうか。

Cさんからすると、「自分がそうさせたのではなく、君がそれでいいという感じだっ
た」のかもしれませんね。

アタルさん自身は無意識にしていたことかもしれませんが、「相手の都合に合わせて
自分を差し出してしまっていた」のではないでしょうか。また、こういった行動は、
実は今回のことだけではなくて、今までの恋愛や、家族や友だちとの関係の中でも
あったものではないでしょうか。

さらに、「相手の都合に合わせて自分を差し出す」という行動の下には、「自分を大
切に扱わない、扱えない」という心理がある場合がほとんどです。つまりは、「自分
は大切に扱うほどの価値のある存在ではない」と思っているわけです。それは、「私
は愛されない」という感覚だと言ってもいいでしょう。

そうすると、

>Cさんを好きでいていいのか悩んで距離をとろうとしたこともありました。

というように、好きな相手と距離をとらないといけないような気持ちになったりする
ことも起きやすいのです。そうすると実際に何となく距離ができ、関係の進展を邪魔
してしまうことにもなります。

また、「相手の都合に合わせて自分を差し出す(自分を大切に扱わない)」という行
動をとっていると、周りの人は感覚的に、「アタルさんは自分を大切にしてないな」
ということを感じます。頭ではそんなふうに思わないのですが、無意識の部分で感知
するのです。そして、心理的な反応として、周りの人もアタルさんを大切に扱わなく
なるんです。なぜかそうなってしまうんです。

これが、『他人は、あなたが自分を扱うように、あなたを扱う』という心理法則で
す。

結果、Cさんも、アタルさんを大切に扱ってくれなかった、という見方もできます。

>でも何かの本に「女性が尽くしすぎるのはいけない」ということが書いてあって、
自分の行いに後悔もしたり。

「女性が尽くし過ぎるのはいけない」というより、「尽くし過ぎる女性」というの
は、「私には何の価値もないから、ものすごく尽くさないと振り向いてもらえない」
という気持ちを持っている場合が多く、つまりは自分を大切に扱えないような心理状
態なので、相手にも大切に扱ってもらえない結果になりやすいのだと思います。

さて、もしアタルさんが「自分には愛される価値がない」という感覚を持っていると
したら、その感覚はいつ頃からあったのでしょうか?

「自分には愛される価値がない」というのは、誤解です。そうは思えないものですけ
どね。

私たちは、何かのきっかけでこういう誤解をしてしまうものです。アタルさんの場合
は、そのきっかけはどのようなものだったのでしょうか。カウンセリングなどでその
辺りを探っていくと、もっといろいろなことに気付けると思います。そして、「愛さ
れる価値がない」という誤解を解いていくこともできます。自分の心と向かい合う作
業をしていくと、Cさんのことを手放す、ということも自然にできるようになると思
います。

また、今後同じようなことを繰り返さなくてもよくなりますから、すてきなパート
ナーを手に入れることにもつながると思います。

「相手の都合に合わせて自分を差し出してしまう」という感覚を持つタイプの人は、
もともと細やかで、相手の様子や相手の求めるものを察知する能力に優れています。
その能力に「自分は愛される価値がない」という思いが重なった時、犠牲的になって
しまうのですが、「自分には愛される価値があるんだな」と思えるようになった時、
その能力は才能としていい形で活かされるようになりますよ。

今すぐできることとしては、とにかく自分に優しくしてあげてくださいね。アタルさ
んが悪いわけではないですし、Cさんとしてもアタルさんを傷つけようとしたわけで
はないと思います。ただ、人と人の相互作用の中で、こういう出来事が起きたのだと
思います。

無理して元気を出す必要もないですよ。きっと精神的にもとても疲れたと思いますの
で、その疲れを素直に感じつつ、ゆっくり過ごし、自分をいたわってあげてくださ
い。そういうこともとても大切です。

ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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