父に接する母の態度について

相談者名
ちはる
離れて住む実家の母について相談です。
退職した父には年金がなく70歳近い今でも父母はパートで働いています。
実家には弟がいますが、2年前に統合失調症となり、今は寝たり起きたりの状態。
又、父の母(祖母)は痴呆で施設に入っており、母は昔から祖母と仲が悪く、祖母の面倒は一切見ないので、父が一週間に2回程洗濯等の面倒を見ています。
母は昔から気が強く、自分の気分次第で家族に当たる性格でした。
「年金がないのは父のせい。
よく考えなかった。
貯金はあるが、私がパートで働いたお金。
それも「働かなくても生活していけるのに」と父は言っていたが、私が働いていて正解だった。
」「世帯主は家族を養う義務がある。
もっとお金のいい仕事を探して働いて」等と言います。
父は土曜日も仕事なのに、自分は朝からでかけて留守、テーブルの上に「掃除と洗濯しておいて」と置き手紙があったりして、最近はほとんど会話もないようです。
これは父から聞いた話で、母は私に「父とうまくいっていない」ことは言いません。
「今はパート収入だけでは足りず、(母の)親の遺産を使っているが、その大事な遺産を使うのが馬鹿らしい。
父も遺産を使ってると知っているのに「悪いな」の一言もない」と私に愚痴ります。
私にしたら、親の面倒を見るのは当たり前なのに、祖母のことは一切しらんぷり、なのに「父には感謝の気持ちがない」なんてよく言えるな…と思うのです。
母が愚痴った時に私は「父も歳で働くのは大変だし、私がフルタイムで働いてお金を渡す」と言っても「あんたの世話になる気はない」と言い、話になりません。
父は温厚な性格で、文句も言えず、ストレスを発散させる機会もなく、こんな状態ではいつか病気になるのでは…と心配です。
時々母のいない時に私が父に電話して、話を聞くくらいしかできないのですが、何か他にできる事はないのか?自問する日々です。
母に「きつく言うのはやめて」等と言っても、それを聞く性格ではないし、母の姉に相談しても、身内だから母の肩を持つだろうし…などと考えると、何もできません。
主人に、この悩みを話すことも考えたのですが、家族に対しての考え方も私と違うようなので、主人には話しをするつもりはありません。
もう少し親の関係を良くするために、私にできる事はあるのでしょうか?何とか父のために、もう少し住みやすい状態になれば良いと思うのですが。
お答えいただければ、幸いです。
カウンセラー
三島桃子
ちはるさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。親も70歳を越えると、ただでさえ何かと心配になってくるものですが、ちはるさんの
ご両親は年金がないということですから、経済的なことなども本当に心配になります
よね。その上夫婦仲がうまくいっていない様子だと、娘さんとしてはため息が出てし
まいますよね。弟さんのこともご心配のことと思います。

それにしても、ちはるさんはとても親思いな方ですね。ご両親のことを気遣う気持ち
が文面から伝わってきました。こんな娘さんのいるお父さんとお母さんは幸せだなあ
と思います。

さて、それではご相談内容についてなのですが、ちはるさんにとって一番気になるこ
とは、お母さんのお父さんに対する態度がきついことなんですね。

お母さんはパートの仕事もしつつ、お休みの日はお出かけされるとのことで、エネル
ギッシュな方のようですね。それに、お祖母さまのお世話のことや、ちはるさんの経
済的援助の申し出に対する態度からしても、きっぱりしたところもある方のようで
す。

きっぱりしていることは、お母さんのいいところでもあるのだと思いますが、ちはる
さんとしては「この人に合わすのはしんどいな」とか、「ぐさっとくることを言われ
た」などと思ったことは、子どもの頃からけっこうたくさんあったのではないかと思
うのですが、どうでしょうか?

そして、お父さんに対するお母さんの態度を見ていると、「この母のこういう態度
に、私もいつも困らされたり、傷ついたりしてたのよ」というような気持ちになりま
せんか?

ちょっと意外な方に話が行くように感じるかも知れませんが、ちはるさんの心の中に
「お母さんにつらい思いをさせられた自分」というのがあると、「お父さんも私と同
じようにお母さんにつらい思いをさせられている」と思ってしまいがちです。これは
「投影」という人間心理です。

自分の心の中にあるイメージを、自分の外で起こっていることにもあてはめてしまう
のが「投影」なんですね。

お父さんは電話でちはるさんにこぼすぐらいですから、お母さんのことではつらい気
持ちも実際にあるのだと思います。ただ、ここが大事なところなんですが、お父さん
のつらさは、ちはるさんがお母さんのことでつらい思いをしたのと同じつらさかどう
かはわからない、ということです。

お父さんとお母さんは、数十年(もしかしたら50年ぐらい?)夫婦として暮らしてき
ているわけです。ちょっときついところもあるきっぱりタイプのお母さんと、文句も
言わない温厚なお父さん、の関係は、案外もちつもたれつ、バランスがとれているの
かも知れません。

お母さんはきつい態度をとりつつも、内心、「たよりない人だけど、このはっきりタ
イプの私に文句も言わず、好きなようにさせてくれるだんなさんは、他にはいないか
もね」なんて思っているかもしれません。

お父さんもお父さんで、「きつい嫁さんだけど、しっかりしているから実際助かって
いるところもいろいろあるよなあ、あいつがいないと案外寂しいもんだろうなあ」な
んて思っているかも知れないわけです。

でも、ちはるさんの心の中に「お母さんに傷つけられた私」がいると、どうしても
「お母さんに傷つけられているお父さん」というふうに見えてしまいがちです。

もし、「私はお母さんに傷つけられた」というような思いがあるようでしたら、その
ご自分の気持ちと向かい合ってみませんか?その気持ちを癒した後で改めてお父さん
とお母さんの姿を見ると、今とは違うように見えるはずです。

癒し方については、電話カウンセリングや面談カウンセリングがお役にたてると思い
ますので、よかったら考えてみてくださいね。

さて、最後に応急処置についてご提案をさせていただこうと思います。「ちはるさん
自身の心を癒す」ということは、根本的なものですが、少し時間がかかる作業でもあ
りますので、とりあえず、今すぐ少しラクになる方法について書かせていただきます
ね。

ちはるさんは、「父の話を聞いてあげることぐらいしかできない、他に何かできるこ
とはないのだろうかと自問する」ということを書いてらっしゃいますね。この問いに
対する答えは、話を聞いてあげることだけで十分、ということです。

親身になって話を聞いてくれる娘がいるということは、お父さんにとって、どんなに
嬉しいことでしょう。ちはるさんも自分が70歳ぐらいになった時、優しく話をきいて
くれる我が子がいるのを想像すると、お父さんの嬉しさが想像できるのではないで
しょうか。

ちはるさんの存在そのものが、お父さんにとって大きな癒しになっているのです。

ですから、今のままでOKなんですが、余力があるようなら(余力がなければ無理し
ない方がいいです)、お母さんの話を聞く時も、お父さんの時のように優しくしてあ
げてみてください。

優しく、が難しければ、とりあえずはお母さんを責めない感じにしてあげてくださ
い。ちはるさんがお母さんを責めたり批判したりする気持ちがあると、それはお母さ
んに伝わります。そうするとお母さんもあまり嬉しくはありません。

でも責めや批判なしに話をきいてあげると、それだけのことで、話した方は気持ちが
とてもすっきりします。気持ちがすっきりすれば人間は心に余裕ができますから、お
父さんへの態度は少しはやわらぐはずです。ほんのわずかな変化かもしれませんが。

そう、お母さんも心に余裕がないのだと思います。心がゆったりとしていて態度がき
つくなるという人はいませんよね。

そしてもう一つ、これも大切なポイントです。お父さんやお母さんの愚痴を聞いた分
だけ、ちはるさんもお友だちなどに愚痴を聞いてもらってくださいね。もちろんカウ
ンセラーに話してもいいと思います。

とにかく、ご自分の中に溜めてしまわないことです。愚痴をきいたらおいしいランチ
を食べに行っていいことにする、など、自分にごほうびをあげるという方法も取り入
れるといいかも知れません。

親思いのちはるさんがいるだけで、ご両親はとても癒されているのです。どうかその
ことに自信を持ってくださいね。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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