しげるさん、こんにちは。 池尾昌紀と申します。ご相談ありがとうございます。「病は気から」という言葉がありますが、確かに、心の不安定さな どが体調に影響を およぼすことはあります。 ただ、体調が悪いという症状については、まずは病院にいって、き ちんと検査を受けるという ことも大切だと思います。 もし、本当に身体の病気だった場合は、それを治療する必要がありますし また、何でもなかった時には、とりあえず病気の心配がなくなるわ けですから、 そのことで、ひとつ心配の材料が減る、という心理的な効果もあります。実は、このことで、もうひとつ効果があるのですが、なんだと思わ れますか?それは、奥様の心配を減らすことができる、という効果です。 奥様は、休んでいるしげるさんに、どうしてイライラされておられ るのでしょう。 例えば、子育てを手伝ってくれないから?。家事をかわりにやって くれないから? もちろん、そういうこともあるでしょう。 でも、一番は、しげるさんが調子が悪いということ、そのものです。 実は、奥様が一番気にしていることは、しげるさんの体調が悪いこ となんです。 ちょっと想像してみてください。 もし、これで本当に身体的な病気で入院することにでもなったら、 奥様はどうなるでしょう。 家事や育児の手伝いがますます減ってしまうことに怒りだすでしょうか。 とても心配されるのではないでしょうか。 奥様のイライラが爆発した時には、 「僕のことを心配してくれる気持ちから怒っているのかもしれない」 そういう視点で一度見てあげてください。 何か違った発見があると思います。 さて、しげるさんは、自分がしたいことよりも「こうあるべき」に 追われてしまっている とも書いておられます。 それで気力がなくなってしまうのではないかと。 こうした思いは、いつから発生してきたのでしょうか。 今のお仕事に就かれた時からずっとでしょうか。 あるいは、結婚してからでしょうか。 それとも、お子さんが生まれてからでしょうか。 それによって、考えられる原因は少しずつ変わってきますが 現時点でのことだけを考えると、それは、お子さんが生まれたことで 「自分の生き様」に対する責任を強く感じておられることが原因で はないかと思います。 それは、家族を養っていかなければならないという経済的な責任感 だけを指すのではありません。 父として、子どもが背中を追いかけていけるような存在になりたい という「想い」です。 生まれたのは男の子ですから、お子さんは文字通り自分の分身です。 彼がこの先、成長していくにあたり、尊敬される自分でいられるだ ろうか。 そんな熱い「想い」を、しげるさんは持っておられるから、 だからこそ、「自分がしたいこと」を優先させていない今の状況を 苦しく思われるのでは ないでしょうか。 その苦しみを解決する方法のひとつは 父として、男として成功することに対する「観念」を手放すことだ と思います。 男性は何のために働くのか。それは得てして、自分のためよりも 「家族のために」 働いていると言われます。 そして、それは経済的な成功や、地位や名誉を得ることによって 成し遂げられると思いがちです。 それは、時に、プレッシャーとなり、逆に自分自分を縛って苦しめ てしまいます。 しげるさんは、1%でも欠けてしまったらそれだけで0%と同じだ と思うほど 自分に厳しい方なのではないかと思います。 そうした「完璧主義」であればあるほど、今の自分がだめに感じ、 気力を失い するとますます自分をだめに感じてしまい、どんどん自分自身を苦 しめてしまいます。 けれど、妻や子どもが一番望むのは、父親であるあなたが「健康で 幸せな気持ちでいてくれること」 なのです。 「あなたが笑っていてくれること」それだけなのです。 そのためのご提案をさせていただきたいと思います。 まず一つ目は、「自分がとっても疲れているんだ」と自分に言って あげてください。 そして、何かひとつリラックスできることを月に1回はやってみて ください。 マッサージに行く、スーパー銭湯のようなお風呂につかるなど、何 か見つけて実際にやってみましょう。 二つ目。自分が楽しいと思える事を紙に10個以上書き出します。 そして、それに優先順位をつけます。 すぐに実行できるもの、多少の準備や段取りがいるもの、実行にう つすには様々な壁を乗り越えないと いけないもの。 そうやって分類してみましょう。 すぐに実行できるものは、すぐにやってしまいます。そして、次に いつやるかも書いてみましょう。 多少の準備や段取りがいるものは、それをどうやったら実際にやる ことができるかを書き出し、 実行予定日を書いて、実施しましょう。 最後に、最後にのこった困難なことについては、がんばった自分へ のご褒美をあげるつもりで 目指す実行予定日を決め、そこにいたるまでの準備を書いて行きます。 こうして、実行にうつす段取りをしましょう。 このリストができただけでも、自分の心の中が整理されます。 また、どれくらい自分が今、せっぱつまっているのか、それも目に 見える形で あらわれてきます。 切羽詰まっている度合いが強いほど、この楽しいと思えることが書 き出せないからです。 三つ目。 誰かに今の思いを聴いてもらう。 今回、ご相談くださったように、誰かに話を聴いてもらいましょう。 話ができるお友達、あるいは、カウンセリングサービスの電話相談 をご利用いただいても結構です。 話をすることは、心の負担をとても軽くしてくれます。 機会がありましたら、お話できればとてもうれしく思います。 しげるさんの幸せのお手伝いが少しでもできれば これほどうれしいことはありません。 ありがとうございました。 |