不倫相手の二股

相談者名
まっつぁん
はじめまして

私には2年前にW不倫関係になった女性がいました。
彼女には好かれており、ホテル代も彼女持ちでした
彼女と1年ほど続いたある日、「こういう関係は世間的にもよくないのでやめよう」と一方的に関係を終わらされました。

未練はありましたが、私はそれを受け入れました。
その後も彼女とは同じサークルで週1回程度は会う仲で、サークルの飲み会なども参加してきました。
未練があったので会うたびに誘ってみましたが全て断られ続け、半ば諦めに近い感情でサークルもやめようかと思い始めていました。

そして去年の終わりごろ、突然彼女から誘われてまたそういう関係になりました。
そのとき彼女が「あなたが他でも不倫してもいいっていってたから今している」と言いました。
確かに割り切った付き合いをしたかったのでそう言った覚えはありました。
その時は何気なく言った言葉でしたが当時の彼女を傷つけてしまったらしく、それが別れるきっかけになったということでした。

なのになぜ、私とまた関係を持ったというと、何でも話せる相手で、これからもずっと一緒にサークルを続けていきたいからとのこと。(半年くらいは悩み続けたようでしたが。)
でもその不倫相手とも続けていくとのこと。

私にとっては割り切った関係が保てて当初の願いどおりのハズでした。
しかし、関係が再開してから私の感情に変化が表れました。
彼女が愛しくなり、またその相手にも嫉妬を抱くようになっていました。
(その相手は私の知り合いでもありますが、私と彼女との関係は知りません。)

彼女に気持ちを伝えると「なぜ1年前に言ってくれなかったの」と非常に困惑した様子でした。
まさに「自立」と「依存」が1年前と逆転しています。

以降、数回会ってますが相手の影がちらつくたびに切なくなります。
・なぜ軽率に傷つける言葉を言ってしまったのか
・去年ずっと断られ続けていた間にそういう関係になっていたのか
・私とはサークルでの関係を保つためだけの仲なのか
後悔と嫉妬と疑念がずっと渦巻いているような状況です。

世間的にも後ろめたい気持ちがあり、他人に相談できないので困っています。
これからどう気持ちを整理していいのか教えてください。

カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

まっつぁんさんの思いを整理していくために、まず、相手の方の心理を見ていくことから初めていきたいと思います。

ご相談いただいた相手の方の心理を考えてみますと、それはあえて一言でいってしまいますと「私のことをわかってくれる人を探している」ということではないかと思います。

不倫をしてしまう心理は、いろいろな考え方がありますが、「本当の気持ちを感じるのが辛い」もしくは、「本当の気持ちを普段は表現できない」から起こるという見方があります。

この「本当の気持ち」とは、「弱音を吐きたい」とか、「寂しさ」とか、「不安」といった気持ちのことです。
こうした気持ちを抱えている時、それをわかってくれる人が身近にいて、話をできたりすれば楽なのですが、それができないことが苦しみを深めていきます。
身近な人とは、最も近くにいるパートナーや両親等ですが、こうした人に対して、自分が我慢強すぎて話せない、あるいは、寂しさを感じる相手が身近な人であったりして、近い故に話せないという状況が起こります。

こうなってくると、他にその相手を求めるよりありません。
寂しさや不安が強い度合いだけ、「私の気持ちをわかってほしい」という思いが強くなり、その相手を捜してしまうとも言えます。

彼女は、何か根本的に、寂しさを抱えていて、自分のことをわかってくれる人がいないという思いを抱え、そんな時に、まっつぁんさんに好意をもって、こうした関係になっていかれたのではないかと推測します。

それは、「この人なら私のことを見てくれる、わかってくれる」と、まっつぁんさんに感じたからだと思うのですね。
ところが、ご自身が書いてくださっているように、「他でも不倫をしていい」という発言が彼女の中で、「わかってくれる人だと思っていたのに拒絶された」と感じ、そのことにとても傷ついてしまった、ということになっていくのだと思います。

一方で「好きな思いをこれ以上大きくするのが不安」という心理も働いたのではないかと思います。
彼女にとって、一番辛いのは、好意を寄せている人がわかってくれなくなったり、去っていくことでしょうから、「これ以上好きになって、本当に離れた時に辛すぎるから、距離を置いたほうがいいのではないか」という気持ちもあったのかもしれません。

そうした理由から、彼女は、まっつぁんさんとの関係を終えることにして、新しい誰かを探していったのだと思います。

しかし、時間が経っても、彼女のまっつぁんさんを思う気持ちは、好きなままだったのではないでしょうか。
ですので、再び彼女から声をかけてしまうことになり、でも、もう一人の人との関係性を続けながら、という気持ちになっているのは、これ以上辛い思いをしたくない、という心理がそうさせるのではないかと思います。
ある意味、あなたのことが好きだからこそ、彼女はこうした状況を作ってしまったのだと思います。

彼女の「なぜ1年前に言ってくれなかったの」という言葉は、「こうした好きだけど辛い思いをしたくない」という複雑な心境の現れではないかと思います。
この発言は、一見すると、「1年前に言ってくれたら二人の関係はうまくいっていた」ように思われるかもしれませんが、この気持ちを考えると、結果はどちらにしても同じだったのではないでしょうか。
1年前に彼女に愛しいという気持ちを伝えたとしても、最初のうちは、お互いの気持ちが盛り上がっていいかもしれませんが、時間の経過とともに、結局は彼女は、あなたから離れて行こうとしたのではないかと思います。

そう考えてみると、結局、どのようにおつきあいを続けていても、彼女は、まっつぁんさんとの距離を置くことになってしまったのではないでしょうか。

でも、彼女のこうした振る舞いは本人にとっても、それに関わる人たちにとっても、辛いやり方であるように思うのです。
まっつぁんさんも、彼女のこうした生き方や振る舞いに、彼女自身のこれからについて、心配されておられているようにも思えます。

では、どうしたら彼女がこうした辛いやり方から解放されていくか、というと、そのキーワードは、冒頭に書かせていただいた「私のことをわかってくれる人を探している」ところに戻ることになります。
わかってくれる人を探して不倫をしてくことになったとしても、そこでは、本当の意味でわかってくれることを実感できません。
普段は見せられない顔を見せることができたり、弱音を吐いたり、甘えたり、一緒にいて寂しさを感じなくてすむかもしれません。
でも、それは、一時的なものであり、本当の気持ちから目をそらしたりしていることにすぎないからです。
表に見えている部分ではないところに問題の本質があり、それを感じたくないからの行動であるように思います。

では、本当にわかってくれる、という思いを得るためにはどうしたらいいのでしょうか。
そのために必要なのは、「何をわかって欲しいのか」そして「誰にわかって欲しいのか」ということを知ることです。
これが「本当の気持ち」に当たります。

まずは、この「本当の気持ち」に気づくこと。それがこの状況を変えていく大きな一歩となります。
多くの場合、わかって欲しいのは「寂しさ」であり、わかって欲しいのは「パートナー」です。
つまり、「本当の気持ち」を「わかってもらう」というのは自分のパートナーとの間でしか解決できない思いなのです。

実は、これは僕自身の体験でもあります。
僕はカウンセラーになる前は、カウンセリングを受けていました。
ここで書かせていただいたのは、カウンセリングとの出会いによって、僕が自ら知って、それによって自分が変わっていくことができたことです。

そして、まっつぁんさん。それはあなた自身にも当てはまることではないでしょうか。

まっつぁんさん。
あなたはどうして、今回、この相談コーナーにご相談をお寄せくださったのでしょう。
それは、彼女への思いを整理できなくて苦しいからなのでしょうか。
僕は、それは表面的な苦しみであるように思います。
今回のご相談は、その苦しみの下にある、本当の気持ちを知りたい、何とかしたいという思いが心を動かしたことでお寄せくださったように思うのです。
僕がそうであったように。

どうか、こうしてご相談くださったご自身の勇気を認めてあげてください。
それは、ご自身の心にある、本当の気持ちを知り、変えていく大きな勇気であると思います。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。