人に迷惑を掛ける人に衝動的にいらだってしまいます

 

相談者名
トロ
30代女性です。

人に迷惑を掛ける人に衝動的にいらだってしまいます。

何か事情があるんだな、とパッと見てわかれば、そのいらだちはすぐ忘れます。
例えば、前を歩く人のスピードが遅いとき、
「何たらたら歩いてんだよ(←言葉が汚くてすみません)」と思っても、
お年寄りが前に見えたりすれば、
「あぁ、お年寄りが前にいたのか」と思って、スーッと怒りがおさまって終わります。

ですが、そうでない場合は本当に腹が立ってしまって、なかなかおさまりがつきません。

駅の階段で、下りの矢印のところを上ってくる人には、
降りてくる誰かにぶつかって落ちて、痛い目見りゃいいのに、と思います。

道幅のせまい商店街でスピードを出して走ってくる車を見たときは、
「あたしが轢かれて、運転している馬鹿に精神的ダメージを与えてやろうか」ととっさに思いましたが、
結局はよけてしまいできませんでした。

後から考えれば、轢かれなくてよかったです。
そんな馬鹿な運転者の運転する車なら、なおさらです。
でもその時は、その車をよけた自分は弱い、という気持ちになり、悔しい気持ちでした。

いつもそのとき、瞬間的に、衝動的にそう思ってしまうので、
なかなかコントロールできず、いつか危険な目にあってしまうのではないか、と心配です。

どうしてこんな風に思ってしまうのか、客観的に教えてほしいです。
穏やかな気持ちで毎日を送りたいです。

ちなみに私は不安神経症という病気なのですが、それも影響しているんでしょうか…

よろしくお願い致します。

カウンセラー
大谷常緑
トロさんこんにちは。はじめまして。
ご相談を担当させて戴く大谷です。よろしくお願いします。ご相談を拝見して、怒りたくないのに腹が立ってしまうトロさんは、辛いだろう
なぁと思いました。
そういうシーンに出会うと、感情がコントロール出来なくなってしまう自分も情
けなく感じてしまいますね。

さて、このような心の動きを先ずは例え話を使って解説したいと思います。
トロさんがダイエットをしていたとします。目標は、10kg減量です。
好きなケーキを遠ざけ、肉は鶏肉しか口にせず、何かといえば海藻と野菜と水で
空腹を紛らわせる、なんて一生懸命頑張っていたとします。
ある日、友達からのお誘いで一緒に喫茶店に入ったとします。そして私は喉から
手が出るぐらいにケーキセットが食べたいのですが、それを我慢して、涼しげな
笑顔でブラックコーヒーを注文。友達はというと、レアチーズケーキとカフェモ
カのケーキセット。
「うん、ここのレアチーズケーキ美味しい」と言いながら満足げにケーキをほお
ばるその友達を見てあなたはどう思うでしょうか?
そう、殺意すら感じるほどの怒りを覚えるのではないでしょうか?
そうなんです。私が一生懸命我慢している事を目の前でやられると、人は誰しも
が怒りを覚えるのですね。
トロさんが怒りを覚えるのも、このようなメカニズムからです。
トロさんの場合、たらたら歩く事や、駅の階段で逆行する事に腹が立つからとい
って、たらたら歩く事をがまんしていたり、駅の階段を逆行する事を我慢してい
るわけではありません。
トロさんが我慢している事は、人に迷惑をかける事なのです。人には迷惑をかけ
てはいけない、と強く思っておられるのです。
では、なぜ「人に迷惑をかける」という事に強烈に意識が向くのでしょうか?
それは、トロさんの心のどこかで「自分は迷惑をかける存在である」という意識
があるからです。それは、我々が意識できる顕在意識にもあるかも知れませんが、
おそらくはもっと深い部分、意識できない無意識領域に刻み込まれてもいるよう
です。
人に迷惑をかけるという意識がない人は、その事は気になりませんね。しかし、
人に迷惑をかけるという意識がある人は、それが気になるのです。

トロさんは、いつか、おそらくは子供の頃でしょうが、心のどこかで自分は迷惑
をかける存在であると思ってしまったのです。そして、そうならないために、自
分の中で様々なルールを作り上げたのですね。そのルールで自分自身を縛らない
と、そうなってしまうのが怖いからです。
でも、そのルールはトロさんを生きにくくしてしまった様ですね。がまんして従
っている訳ですから。

一方、トロさんは結構色々考える方ではないでしょうか?そして何でも完璧にし
たい、完璧主義的な側面をお持ちではないでしょうか。ここで、よく誤解がある
のは、完璧主義とは完璧に何事でもこなせる人の事ではありません。完璧にやら
ないと気が済まない人の事なのです。

昔、トロさんには何をやればOKがもらえて、何をやれば怒られるかの区別が分
からなくなった時代があるようです。これらの多くは、OKをもらう人の気分な
どにも左右されるのですが、子供の頃にはそれがわかりません。
そこで、一生懸命考えて辿り着いたのが、「正義」だったのですね。
トロさんの腹立たしいポイントは、ご相談を見る限り「正義」に反する悪人ども、
という感じですね。前をたらたら歩いていても、事情があればOKなのですから。
この正義の感覚は、自分の正しさを証明をしたい、という気持ちの現れになりま
す。
「私は悪くないでしょ」と心のどこかで怒っておられるのですね。
この怒りが、もう一つの形として人に迷惑をかける時に現れる腹立たしさの一面
でもあります。

さて、ではどうすれば、こうならないようになるかと言うと、2つの事を実行し
てください。
一つ目は、私は変わりたい、と思い続ける事です。これは、日常の様々な出来事
の中で、「どうせ変われない」などと心が揺らいだときに思い返してください。
決して変わる事を諦めない事、これが一番大切です。
二つ目は、自分の愛の部分を信じる事です。
トロさんは、自分の愛の部分を感じる事ができるでしょうか?
例えば、たらたら歩いていても事情があるとわかれば許せる、これが愛の部分で
す。
愛がなければ、事情がどうであろうと許せないですからね。
トロさんの中にはデッカイ愛があるのです。その部分を信じてください。
そして、その声に耳を傾けるようにしてみてください。

そして、ご自分で前に進まれる方法もありますが、一度電話カウンセリングを受
けられてはいかがでしょうか?
より的確にアドバイスができて、トロさんの問題解決も早くなると思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。