他人の体臭が異常に気になる

このサイトの心理学講座を読んで、私は「ありのままの自分を受け入れられない」という思いにとらわれていることに気付きましたが、同時に他人のことも受け入れられず、いつも誰彼かまわず荒探しをしている自分にも気付きました。そしてそんな自分に自己嫌悪する毎日です。
他人の臭いが気になるのもその現れの一つではないかと思います。気にしないようにマスクをしたりアロマを焚いたりしてごまかしてますが、その場しのぎではなくもっと本当の意味で心の在りようを変えたいと思っています。しかしどうしたらいいか分かりません。
どうかアドバイスをお願いします。

さて、くにさんのお隣におられた男性社員の方の体臭が引き金になって、くにさ
んの臭いに関する意識がとても敏感になってしまったようですね。

ご相談の中で既にくにさんが書かれているように、この他人の体臭が気になる
（気にしている）問題は、自己嫌悪の問題と大きく関わっています。
くにさんがお持ちの自己嫌悪から出てくる「私は迷惑な存在」という気持ち、そ
してそんな存在だからこそ「迷惑をかけてはいけない」という強い気持ちがあっ
て、それを一人で背負ってしまうと自分ばかりを酷く責める事になって、潰れて
しまいそうになるのですね。
だから、誰かにもそれを分担してもらい「自分だけが迷惑をかける存在ではない
んだ」と反発する事で自分の存在を保とうとしているのです。
そして、特に体臭という事に意識が固着してしまった背景には、無意識（私達が
意識できない意識です。詳しくは当ホームページの心理学講座等をご覧ください）
の深い部分で「人間」という生物自体を見下し、否定してしまう感覚も含まれて
いるような気がします。
これは、完璧な神の様な存在（何でもできる、迷惑をかけない、清らかな存在）
とご自分との対比（何もできない、迷惑をかける、汚れた存在）から生まれてく
る、罪悪感や無価値感（詳しくは当ホームページの心理学講座等をご覧ください）
に基づいた神と人間の相剋を描いたストーリーにも似ています。
そしてこの相剋は、くにさんのみならず殆どの人達が持っている感覚なのです。

さて、ではどうすればいいかという話になりますが、先ずはくにさんが持ってい
る自己嫌悪を勘違いで必要のないものだと認める事です
くにさんが自己嫌悪を持ってしまったのには理由があります。
子供の頃の体験、特に親との関係が大きく影響している様です。
子供の頃、どんな事で傷ついたか思い起こしてみてください。
そして、その時は傷ついたけれども、今の自分でそれがどのような状況で起こっ
たかを理解してみようとチャレンジしてみてください。
傷つけた人の状況、傷つけた人の気持ちなどと、「いい」「悪い」を横に置いて
おいて向き合ってみるのです。
許せない感情が出てきたら、それを感じきってみます。
怒りが出てきたら、それを感じきってみます。
何も感じなかったら、それを感じきってみます。
そうする事によって、自分の深層心理と繋がっていき、自分が勘違いしている自
己嫌悪の正体を理解、開放できるのです。

また、毎日のエクササイズとしては、自分の良いところを２０個紙に書き出し
（自分で見つけられなかったら、誰かに尋ねてもいいです。例えば、髪が綺麗と
か、我慢強いとか、用心深いとか、何でも結構です）、鏡に向かって鏡の中の自
分の目を見ながら口に出してそれを毎日言うのです。
私達は、ともすれば自分の出来ていないところに着目してしまい、良いところが
見えなくなってしまいます。そうすると、駄目な自分ばかりを感じる事になり、
自己嫌悪が強くなってしまいます。このエクササイズは、偏った自己評価から等
身大の自己評価に変えていくレッスンになります。

いずれも、完璧にできなくて結構です。できる形から始めてみてください。
このできる形から始めるのも、くにさんにとっては一つのレッスンになります。

お一人で進められてもいいですが、難しい部分もあろうかと思います。
是非、電話カウンセリングを受けられて、カウンセラーと一緒に進んでみてくだ
さい。
その方がくにさんにとって楽に進む事ができると思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。