身近な人の死

 

相談者名
きり
はじめまして、きりといいます。

昨年、職場の先輩が亡くなりました。
仕事ができて、優しくて、大好きな先輩でした。
半月経つのに、まだ現実を受け入れられません。
私のデスクの正面が、先輩のデスクでした。
からっぽになった席を見るたびに、心をすきま風が
通っていくような気がします。
悲しいと感じるのに、涙が出ません。
先輩のぶんまで、がんばって働かなくちゃ、と
思うのですが・・・

どうしたら立ち直れるでしょうか。
よろしくお願いします。

カウンセラー
池尾昌紀
きりさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。人は、親しい人を亡くした時など、本当に悲しい事実に直面すると
涙がでないものです。
あまりに悲しすぎるために、それを感じないようにブロックしてしまうのですね。言葉で書くとさらさらと流れてしまいますが、
このことは、実際に体験してみないとなかなかわかりにくい感覚です。
僕自身も、親しい友人を亡くして、はじめてそれがわかりました。

自分自身の経験からも、今、この苦しい時期の過ごし方として大切なのは
「がんばらないようにすること」だと思います。

これだけ悲しいのです。
なのに、悲しまないようになろう、と思うことは無理ですよね。
けれど、その悲しみに浸ってしまうと、亡くなった方に申し訳ないような気がして
がんばらなくては、と思ってしまいます。
そのがんばりも、無理ないことですよね。
だから、まずは、がんばろうとする自分も含めて、悲しいのは当然なんだ、こんなに苦しいのは当たり前なんだと自分に言ってあげてください。
これだけの悲しみが薄れていくのには、時間がかかります。
時間が必要なんだな、とも思ってあげてください。
きりさんが優しい度合いだけ、その思いは強くなりますが

次に、他のことに意識を向けてみる、気分転換をするというのをお薦めします。
具体的には、きりさんのこうした思いに共感してくれる人と語り合ってみる。
苦しい思いを誰かと分かちあうことは、苦しさをとてもやわらげてくれます。
亡くなった方を知る人と話をするのは、かえって苦しい時もありますから
そんな時は、面識なくても、気の合う友人に話をきいてもらってはどうでしょう。
また、友達と飲みにいくのもいい方法です。

もし、先輩と今、話ができたとしたら、一番、先輩が苦しむことってなんだと思いますか?
それは、きりさんが苦しんでいる姿を見ることだと思います。
お友達と飲みにいったり食事をして、気分転換をしていくことは悪いことではありません。
どちらにも言えることは、無理しないこと、がまんしないこと。
それで自らを苦しめてしまうことをできるだけやめることです。
それを先輩も望んでいると思いますよ。

最後に、僕自身の思いについて書かせていただきます。
僕は、とても悲しい出来事の中にも、メッセージがあるのではないかと感じるようになりました。

もし、先輩が残してくれたメッセージがあるとしたらそれはなんだろう。
そう思いをはせることで、何か、先輩が贈ってくれた宝物があると思うのです。
今すぐには無理だと思いますが、落ち着いてきたら一度考えてみてください。

あなたには、きっとこれからやるべきことがあると思います。
そのために、今、ここにいるのではないでしょうか。

このお話は、この夏に僕がお世話になった叔父を亡くしたことからの思いを綴った「心理カウンセラーのコラム」の中の池尾昌紀のコラム(2008年09月16日 「光」)に書かせていただきました。もしよければ、お読みいただければ幸いです。

きりさんが、この悲しみを乗り越えて、幸せになられることを
心から祈っています。
機会がありましたら、お話伺えれば、うれしく思います。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。