妊娠中だから余計に心が不安定なのか

 

相談者名
りんか
こんにちは。妊娠7ヶ月になる、りんかと申します。宜しくお願いします。

私はいま、妊娠を継続させる為の手術を終えて入院中です。出産予定日は5月なのですが、このまま出産まで入院かもと言われています。

初めての妊娠で双子を妊娠したのですが、体外授精を勧められながらの人工授精で妊娠に至りました。自分自身まさか出来ると思っていなかったし、双子だし、つわりで体重が10キロ近く落ちて、落ち着いた頃に入院になってしまい気持ちが追い付いていません。

沢山の妊婦さんが入院されていますが、皆さん明るく楽しそうに過ごされているように見受けられるのですが、私は楽しい気持ちで過ごす事が出来ていません。輪に入ることも出来ず、輪に入れない自分を責めながら毎日過ごしています。お腹の赤ちゃんにも良くない心理状況だなと思いつつ、気持ちを上げていけない自分と毎日葛藤しています。どうしたら、楽に入院生活を送れるでしょうか。

カウンセラー
三島桃子
りんかさん、初めまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。

あまり想定していなかった妊娠、しかも双子、きついつわりで10キロもやせて、妊娠
継続のための手術をして、出産までの数か月入院になるかも…、という状況の中で、
気持ちが追いついていない、というのもわかるような気がします。

自分自身の妊娠出産、その後の育児のことを考えると、子どもを持つ前というのは、
どこか「娘気分」が抜けていませんでした。娘時代、つまりは子ども時代は、親に与
えてもらうのが当たり前で、自分の時間やエネルギーも自分のために使うのが当たり
前、なんですよね。

我が子を持つということは、自分が親になり、与える側になる、ということです。自
分のエネルギーを子どもに与えていく立場に立つわけです。

穏やかな妊娠期間であれば、10か月かけて、「自分が与える側になるんだな」という
覚悟を少しずつしていけるような面があるのですが(それでも産んでから「えー!育
児ってこんなに大変なの!」って思う方が多いと思いますが)、りんかさんのように
妊娠の早い時期から怒涛のようにしんどい思いをすると、親になる覚悟をする前に、
自分のエネルギーをまだ見ぬ我が子にもぎりとられているかのような複雑な気持ちを
感じてしまうかもしれません。

親になる、つまりは大人になる覚悟ができると、我が子にエネルギーを与えられるこ
とはむしろ喜びになります。

ですから、「子どもモード→大人モード」への切り替えができると、しんどくい面が
あっても、入院されている他の妊婦さんたちのように明るく楽しい気持ちを持つこと
もできるようになってくると思います。

親になる、大人になる、ということは、子ども時代にサヨナラするようで、時に悲し
い気持ちや苦しい気持ちを感じたりします。でも、本当の「大人」ってすごくかっこ
いいし、子どもにはできないことができるし、大人の楽しみもたくさんありますし、
実は子どものままでいるよりずっとステキなことです。それは、入院するような状況
でもけっこう明るくされている妊婦さんたちを見ていると実感するのではないでしょ
うか。

では、「子ども→大人」への切り替えのためにできることは何でしょうか。

今回は入院中でもできることをご紹介しようと思います。

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ノートを一冊用意してください。

そしてまずは、自分が生まれてから自立するまでに、お母さんが何回ご飯を作ってく
れたか、大まかでけっこうですので計算して、書き込んでください。学校給食も回数
に入れてください。給食のお金は親が出してくれていたもので、親のエネルギーで食
べさせてもらっていたご飯です。

他にも計算できそうなことってありますよね。

洗濯してくれた回数は?掃除してくれた回数は?買い物に行ってくれた回数は?

自分のために使ってくれたお金はいったいどのぐらいなんだろう?

そういったことを思いつく限り、計算して書いてみてください。

それから、「お母さんが自分にしてくれたこと」を思い出しながら書いてみてくださ
い。小さなことも書いてくださいね。箇条書きでかまいませんので、できるだけたく
さん書いてください。

参観日や運動会に来てくれたことや、PTA、子ども会のお世話なども「我が子のた
め」です。(我が子のため、と言っても犠牲になっているのではないです。それがで
きることは親としての喜びです。)

また、お母さんに、りんかさんを妊娠していた時のことや、出産時のこと、また、出
産後すぐの頃のことを聞いて、それもノートに書いてください。お父さんにも聞いて
みてください。

***

これをしている間に、おそらく気分が変わってくると思います。自分がどれだけのこ
とをしてもらったか、がわかると、自分も我が子にたくさん与えたい、と自然に思え
ます。そう思えると、元気が出てくるんです。

これは実は、「お母さんを認める」ということです。お母さんの「親としての力=大
人の力」を認めることができると、自分の中にある「親としての力=大人の力」にも
スイッチが入るのです。

もし、ノートに書く気にもなれなかったり、書いても気分が全然元気になれないよう
であれば、そこには親に対するいろいろな「誤解」があり、親に不満がある状態かも
しれません。

逆に、親には不満がなく、「お母さん大好き」で、「大人になってしまうとお母さん
から離れないといけなくなる、それは嫌だ!」という気持ちが隠れている場合もあり
ます。

いずれにしても、カウンセリングを受けていただくと、気持ちの切り替えのコツをお
伝えできます。入院中だとカウンセリングを受けるのも難しいかと思いますが、よ
かったらいつでもご利用くださいね!

子どもモードでいると、育児が「苦」と感じてしまいますが、同じことをしていて
も、大人モードだと充実感を感じることができて、結果的にけっこう楽しかったりし
ます。かくいう私も、息子が小さい頃はまだまだ大人になり切れていなくて、今考え
ると楽しめたはずのところですごくしんどい思いをしたものです。

「今の自分の心理状態はおなかの子どもによくないな」と感じているりんかさんの中
では、ちゃんと「ママの力」が目覚めてきている思います。それをちょっと加速でき
ると、ご自分の気持ちが元気になってくると思いますよ!

ご相談ありがとうございました!

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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