相談者名 | かまくら |
今40歳前ですがずっと実家に住んでいます。父に対しては、子供の頃からずっとこの人に合わせて自分を作ってき、いつも顔色をうかがっていました。そのためか子供の頃から仲のいい人一部の人たちを除いて、集団の中では自分を全く主張しない、誰にでもいい顔をしてしまうというキャラクターで、現在会社の中でも同じような感じです。少し前からこういうキャラクターが嫌になり、本当の自分を出した人間関係がしたくなりました。大人になった分、きもが座って来たのか、父に対しても、かなり殿様のような自分勝手な人なのてすが、自分の意見を言えるようになって来ました。ところが、もともと正しい主張がうるさく聞こえるタイプの人で、おまけに私の言う主張は、正しいけれど今までずっと自分を押さえて、いいたいことも言えずに来た、その頃押さえていた気持ちがその一言に結びついた、と情動がかなり入っているのが自分でもわかります。この言い方が父には気に入らないようで、今この歳で世話になっているらしいので、昔のことはわきへやり昔の感情とは離れて「今」の事実だけをみて、今のもつべき、感謝といった感情だけで接するようになれるでしょうか。 | |
カウンセラー | 嶽きよみ |
かまくらさん、はじめまして。嶽きよみ と申します。 よろしくお願いいたします。 かまくらさんは、これまでずっと、ご自分の気持ちを抑え、集団の中で主張することもなくて生きてこられ、 そして、少し前からご自分の意見を言えるようになってこられた、というのは、とても大きな変化ですね。 ただ、お父様に対しては、これまでの想いが言葉の中に込められてしまうため、それをどうにかしたいと思っていらっしゃるんですね。 まずは、少し 心理学的なお話をさせてください。 私たちの心が育っていく段階で、「父親」という存在は、社会との繋がりにとても関係が深い、と考えられています。 それは、私たちが胎児として「お母さんの一部」だった頃から、外の世界へ生まれ出て、はじめて出合う「最初の 社会」が父親だからです。 なので、父親との心理的な関係が、そのまま 現実の社会との関係に影響を与える、と考えるんですね。 つまり、かまくらさんが、会社の中で自分を主張せず 周りの人にいい人でいようとしてしまうのは、父様に対するパターンが、そのまま現在の社会に投影されている、というふうに考えます。 とは言え、父親と会社の人たちは別だ、というのは、もちろん頭ではわかっていらっしゃいますよね。 でも、その感覚は、「無意識」という領域に沈み込んでいて、「なぜだかそうしてしまう」とか「なんとなく」というところに影響を与えているんですね。 なので、 かまくらさんが、今 お父様に対してご自分の態度を変えようとするとき、その無意識のパターンを振り払う必要があるんですね。 つまり、矯正ベルトのようなものをつけていると、より強い力で動かさないと、ベルトの圧力に負けてしまいます。 >正しいけれど今までずっと自分を押さえて、いいたいことも言えずに来た、その頃押さえていた気持ちがその一言に結びついた、と情動がかなり入っているのが自分でもわかります。 かまくらさんが「情動」と書いてくださっているのは、その矯正ベルトを振り切るときに必要なエネルギーの量だと思ってください。 エネルギーを、強い出力で使わないと、まだ違う姿勢が取れないのです。 >この言い方が父には気に入らないようで、今この歳で世話になっているらしいので、昔のことはわきへやり昔の感情とは離れて お父様には、話の内容よりも、そのエネルギー(この場合は 怒り のようなエネルギーですね)が先に伝わってしまうようですね。 >父に対しては、子供の頃からずっとこの人に合わせて自分を作ってき、いつも顔色をうかがっていました。 お父様は、厳しい方なのでしょうか? >昔のことはわきへやり昔の感情とは離れて「今」の事実だけをみて、今のもつべき、感謝といった感情だけで接するようになれるでしょうか。 まずは、いったん「今のもつべき、感謝」というのは忘れましょう。 それは「もつべき」というものが持てないと、よけいに苦しくなってしまうからです。 感情というのは、それを自分がしっかりと感じるまでは、昇華されないものだったりします。 セラピーででは、その雪だるまを溶かしたり、解放したりするのですが、ご自分でそれを解決していく方法として、今日は、起こっていることの「意味付け」を変える練習というのを提案したいと思います。 心理学的には「認知」を変える、ということですね。 >私の言う主張は、正しいけれど今までずっと自分を押さえて、いいたいことも言えずに来た、その頃押さえていた気持ちがその一言に結びついた たとえば、その頃 おさえていた気持ちを「恨み辛みの感情」のように意味づけるのではなく、「矯正ベルトを動かすための力みのエネルギー」のように意味づけてみてはどうでしょう。 「感情」はコントロールが難しくても、「力み」はもう少しコントロールがしやすいのではないでしょうか。 つまり、その言葉を発する(矯正ベルトをつけたまま姿勢を変える)ために、どのくらいの力が必要なのかを、自分で少しずつ調整する感じです。 「あーー!」というのに、力を抜いて言うことも、入れて言うことも出来ますよね。 力を入れないで言うことが出来ると、それは、相手に内容がすんなりと伝わりやすい状態だということになります。 「言い方」のコントロール権が自分に戻ってくると、同時に自信が感じられるようになります。そうすると、 >もともと正しい主張がうるさく聞こえるタイプの人 という人が、聞き入れやすい言い方を工夫したり、本当は自分の間違いに気付いていながら素直になれないところを許せたり、などの余裕も生まれてくるんじゃないかと思います。 感謝だけで接するようになれるのは、それからでも遅くないのではないでしょうか。 まずは、今ある かまくらさんのポジティブな感情、つまり、「感謝といった感情だけで接するようになりたい」という気持ちに目を向けるところから、はじめてみてはいかがでしょうか。 何かの参考になれば幸いです。 ありがとうございました。 嶽きよみ |