過去をなだめたいです

 

相談者名
はるか
20代後半の女性です。

父は、私が社会人になるまで単身赴任でした。

母はその間、私と妹を一人で育ててくれました。

大人になった今は、
あのときの母の大変さがわかります。

感情的になったのもわかります。

しかし、まだ妹も生まれる前、
母と二人きりの時は、私はおこられつづけました。

子供なので、うまくできないことも多いのですが、
母にはそれをかわす余裕がなかったのだと思います。

妹は、私と五つ離れていて、
母自身も断言していますが、

私を構いすぎて育てて、
私が消極的な子供になった為、

妹はあまり怒らなかったそうです。

母が父と二人で私を育ててくれたら
おこられつづけた私にも、逃げ場はあったと思います。

今でも、
幼いながらに自分を否定し
びくびく怯えていた記憶が消えません。

そして、
妹と話すときの母は、楽しそうに見えますが、

私と話すときの母は、いまだにつまらなそうで、悲しいです。

ぽっかりと穴の空いた感覚が胸の中にあります。

埋めたいのに、埋められません。
悲しいです。

カウンセラー
大谷常緑
はるかさん、こんにちは。
初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。ご相談を拝見しました。
はるかさんは子供の頃とても辛い思いをしながら大きくなってこられたのですね。
そして今のはるかさんは、お父さんが単身赴任で離れておられた度合いだけ、お
母さんがはるかさんをしっかりと育てなければと一生懸命になられていて気持ち
に余裕が無かったこともちゃんと理解されていますね。とっても優しい方だなぁ
と思いました。

さて、はるかさんが子供の頃に傷ついた気持ち、そして今も続くその気持ちを処
理するには、少し辛いことかも知れませんが、その感情を実際よりも強調して感
じ切ることです。
今、当時の状況をよく理解されていること(頭で分かっていること)を取りあえ
ず横に置いて(自分の感情を抑圧せずに)当時の自分の感情と向き合う事です。
お母さんに何が言いたかったのでしょうか?
お母さんにどうして欲しかったのでしょうか?
お父さんに何が言いたかったのでしょうか?
お父さんにどうして欲しかったのでしょうか?
妹さんと比べて、自分をどう感じていたのでしょうか?
怒っても構いません(怒りを感じることと、怒りをぶつける事とは異なります。
感じる事です)。
寂しかった、悲しかった、理解して欲しかった・・・それ以外の感情も含めて、
素直に感情と向き合ってみてください。

感情は、感じ切れば溶けてしまいます。
私達は、感情を感じるのがとても怖いので、何らかの理由(例えば、お母さんに
も事情があったなど)をつけて、感情を感じることに抵抗します。
そうすると、感情が心の中に残ってしまい、それがいつもズキズキと痛むのです。

この自分の感情と向き合うエクササイズは、部屋を少し暗めにして、静かな音楽
でも流しながら、ゆっくりと深呼吸してから行われると、ご自分の深い意識と繋
がりやすくなって効果的かと思います。
ただ、お一人でやられるよりは、私達カウンセラーが行っている面談カウンセリ
ングを利用して行われると、行いやすいかとも思います。

さて、次に、お母さんが今でもはるかさんとお話されるときより、妹さんとお話
しされる時の方が楽しそうに見えるとのことについて、少しお話ししたいと思い
ます。
これには、3つの可能性があります。
先ず1つ目は、お母さんの問題です。
お母さんは、はるかさんを厳しく育て過ぎたと思っておられるようですので、は
るかさんに申し訳ないという思いがあります。
誰かに申し訳ないという思い(罪悪感)があると、その人に近づくとその気持ち
を強く感じてしまうので、誰しもその人に近づき難くなります。
ちょっと考えてみて欲しいのですが、仮に、はるかさんが誰かに迷惑をかけたと
きにもそんな感じにはならないでしょうか?
はるかさんに対する申し訳ないという気持ちがお母さんにそのようにさせている
だけであり、決してはるかさんの事を嫌っている訳ではありません。
2つ目は、はるかさんの問題です。
はるかさんの気持ちの中に第1番目のお母さんと同じような気持ちがある場合が
あります。これは、はるかさんが意識しておられるかどうかは別で、はるかさん
が頭では理解できない、潜在意識の中にあるかも知れません。
それは、「お母さんが思うような子供でなくてごめんなさい」という気持ちであ
ったり、「お母さんを助けられなくてごめんなさい」という気持ちであったりし
ます。
そうすると、「自分は不十分で愛される存在ではない」という気持ちになり、そ
んな自分はお母さんからよく思われていない、従って妹と話す方が楽しいのに違
いないという気持ちになります。
これは、はるかさんの気持ちの中にある「愛されない自分」という心のフィルタ
ーを通してお母さんの行動を見てしまうのでそう感じてしまうのですが、心理学
ではこれを「投影」といいます。
決してお母さんがそうしているのではなくて、私の気持ちがそう感じているので
すね。
3つ目も、はるかさんの問題です。
はるかさんが、仮に、お母さんのことを心のどこかでよく思っていなかったとし
ます。潜在意識かも知れませんし、無意識かも知れません。
そうすると、「私がお母さんの事をよく思っていないのだから、お母さんもそう
思っているに違いない」という「投影」が働きます。そして、2つ目と同じよう
に感じるのですね。

以上3つの可能性を示しましたが、いずれの場合でも、これを解消してしまう方
法があります。
それは、はるかさんが決意して、お母さんと楽しく話そうと積極的に話をする事
です。
最初のうちはネガティブなことも含めて色々感じるかも知れませんが、続けてい
くうちにきっとお母さんとの信頼関係が取り戻せると思います。

いずれにしても、お一人で進まれるのはとても辛いことかも知れません。
電話カウンセリングをご利用になって、是非一度カウンセラーに相談されてみる
ことをお薦めします。
お話しされるだけでも、心が軽くなると思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。