ルーズな夫。

相談者名
こじ
これが、私の我侭だと言うことは承知の上です。
どうか、相談させていただけませんか。

主人のことです。
付き合った当初から彼は時間にルーズでした。
約束の時間から1時間、2時間遅れなんて当たり前でした。
でも、それは慣れました。
一番辛いのは彼の連絡不精です。
日をまたぐほど帰りが遅くなるときには連絡をして欲しいのに、
なんの連絡もしてくれません。携帯電話を持っているのに!

こちらから連絡をとろうとしても、返信もかけ直しもなしです。
ひどい時は3、4日音信不通の時がありました。(結婚した今はさすがにありませんが)
わかるんです、仕事で忙しいのも。たまには息抜きしたいのも。
でも、たった一言遅くなるとメールを送ってくれるだけでもいいのに。
もともと心配症なところがあるのですが、
こんな時は心配で気が気じゃなく夜も眠れません。
なんだか大切にされていないようで悲しくなります。
実際に翌日に差し支えるのも辛いです。

どうにか改善して欲しくて、自分の気持ちとともにこの事を訴えた時もありました。
でも彼は、自分だって努力しているんだ、
なぜそのままの自分を受け入れてくれないのか
とすぐ怒ります。
そうなると、私は何も言えなくなります。
彼を怒らせるのが怖いんです。
いつも顔色を伺っているような気がします。
この事に限らず、最近はいつもこうです。
私も知らず知らずのうちに彼を責めるような言い方をしているのかもしれません。
受け入れられない、どんと構えていられない、
こんなことで一喜一憂している私が駄目なのかともおもいます。

本当は私は、毎日ではなくとも、夕食時には家族揃って晩ご飯を囲むような、
暖かな家庭を夢見ていました。
彼とそんな家庭を築くのが私の夢でした。
でも、今この現実に押しつぶされてしまいそうです。
もう、疲れてしまいました。
頑張る気力も湧いてきません。
夢が叶わないのならいっそ、別れて一人で生きていった方がまだ幸せなのかもと最近はよく考えます。

ここまで書いてなお、自分の思い通りに彼をコントロールしようとしている自分を感じます。
そんな自分にも自己嫌悪しています。

カウンセラー
嶽きよみ
こじさん、はじめまして。
今回担当させていただきます、嶽きよみ と申します。
ご相談いただきありがとうございます。

こじさんのごメールを読ませていただいて まず感じたのは、こじさんは、こうやって、今の彼をそのまま受け入れられないご自分のことを、ずっと責めて来られたのではないかなぁということでした。

>これが、私の我侭だと言うことは承知の上です。
>どうか、相談させていただけませんか。

>受け入れられない、どんと構えていられない、
>こんなことで一喜一憂している私が駄目なのかともおもいます。

>ここまで書いてなお、自分の思い通りに彼をコントロールしようとしている自分を感じます。
>そんな自分にも自己嫌悪しています。

まるで、こじさんが ご自分の罪を告白してくださっているような感じですね。

確かに、彼を愛しているなら そんなことくらい慣れて、彼をそのまんま受け入れてあげればいいじゃないか。
連絡の一つをくれるかくれないかくらいで気持ちが振り回されずに、どんと構えていればいいじゃないか。

頭で考えれば 確かにそうかもしれません。
そしてこじさん自身も、何度もそうご自分に言い聞かせようとしたことがおありだったかもしれません。

でも、

出来ないんですよね。
苦しくなってくるんですよね。悲しくなってくるんですよね。
そして、腹が立ってくるんですよね。

>日をまたぐほど帰りが遅くなるときには連絡をして欲しいのに、
>なんの連絡もしてくれません。携帯電話を持っているのに!

こじさんにとっては、ごく当たり前にできることを、彼が何度言ってもしてくれないんですものね。
そりゃあ、情けない気持ちや怒りの感情だって出てくるのではないかと思います。

そして、それを言うたびに、彼が怒ったりするなら、感情を外に出すことも出来ず、それを自分に向けて、自分を責めることで無理矢理に処理しようとしてこられたのかもしれませんよね。
だとしたら、ほんとうに辛かったですよね。

まずは、それが論理的に考えて どんなに 我侭な気持ちだったとしても、感じるのが辛い感情だったとしても、こじさんの心に生まれてくる感情を、そのまんま認めてあげてもらいたいな、と思うんですね。

そして、感情というのは、それがどんなものでも、こじさんのために生まれてくる、こじさんになにかを伝えるために生まれてくる、と考えてみてもらいたいなと思うんです。

そういう見方をしてみると、今回のご相談のメールで、私が一番気になった部分は

>なんだか大切にされていないようで悲しくなります。

というところでした。

なぜかというと、

こじさんが彼に求めている たった一言の返信や連絡というものは、こじさんにとっては、きっとものすごく大きな意味をもつことなのではないかと思うんですね。
それなのに、彼がそれを何度言っても大切にしてくれないとしたら、それはとっても悲しいですよね。

つまり、こじさんの心の中では、「彼が連絡をくれない」ということの意味が、ただそれだけの意味ではなく、

「私が大切だと思っていることを彼が大切にしてくれない=彼が私を大切にしていない」

という方程式に変換されて、ものすごく傷ついてしまったり、強い反応が出てしまうのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

もちろん、自分が苦手なことでも、相手のために それを努力して直そうとしたり、変えようと思うことは愛情に他ならないことかもしれません。
だから、それを実行してくれたから愛情を感じる、ということもあるとは思います。

でも、もしもこじさんが、いつのまにか、「彼が連絡をくれるようになること=彼が私を大切にしていること」という自分のルールのようなものを 知らず知らずのうちに作ってしまい、それに執着してしまったとしたらどうでしょうか。

もしかしたら、その行動以外で、彼がこじさんを大切にしてくれていることには気付きにくくなってしまうかもしれません。

また、パートナーシップでは、とても不思議なことなのですが、「これさえやってくれれば***」ということに拘っている間は、相手は、まるで意地悪でもしているのかと思うくらい、それだけはちっともやってくれず、
どういうわけか、そのこだわりを手放してどうでもよくなると、相手が自然とそれをやってくれるようになっていた、なんてことが少なからず起こったりするんですね。

それは、大抵の人は、相手にコントロールされることに嫌な感情を感じるので、相手がコントロールしようとしているか否かにかかわらず、コントロールされ
てしまうような感覚に怖れを感じると、無意識の抵抗が生まれてしまうからか
もしれません。

それと、必ずしもご主人がそうかどうかはわかりませんが、「常に遅刻をする人」というのは、自分の中の罪悪感が強い人である場合が少なくありません。

罪悪感というのは、自分は罰を与えられるべき人間だ、という観念を作り出しますので、罰を与えられるようなことを無意識のうちにやってしまったりするんですね。

たとえば、遅刻の例で言いますと、遅刻をすると叱られますよね。
もちろん意識的には、誰でも叱られるのなんて嫌です。
でも、「叱られる」という罰を受けることが、罪悪感の目的だったりするんで
すね。

例えば彼の中に、そんな感じの罪悪感が強くあると仮定すると、こういうストーリーが繰り返される可能性が出てきます。

>日をまたぐほど帰りが遅くなるときには連絡をして欲しいのに、
>なんの連絡もしてくれません。携帯電話を持っているのに!

罪悪感が、彼自身が罰せられる行動を起こします(つまり、この場合は連絡を入れないということですね)。
そして、もしここでこじさんが彼に怒りをぶつけると、罪悪感の目的は達せられます。
でも、彼自身は、当たり前に出来るであろうことが出来ない自分に罪悪感を感
じます。
そしてそれが日常的になると、彼にとって、「連絡をするという行為=罪悪感を思い出す行為」という構図が出来上がってきます。
つまり、連絡をしようとすると(彼の言うところの 自分も努力している というところですね)罪悪感が出てくるため、それを感じないためにそこから距離をとる(つまりこの場合は 携帯を見て見ぬ振りをするような感じです)なんていう、とってもややこしい罪悪感ストーリーが作られてしまう可能性が出て来たりするんですね。

いずれにしても、彼をすぐに変えるということは、こじさんもお気づきかと思いますが、難しいですし、時間がかかるのではないかと思うんですね。

それよりもむしろ、こじさんが感じたい感情、つまり「大切にされている」とか「愛されている」などの感情を感じるポイントを今よりも広げてみることや、
いったん 「連絡」に関しては棚上げして、彼が実行しやすいことをお願いし、それに対して とっても喜んだり感謝したりすることがおすすめかもしれません。
それは、人は誰でも、相手が喜んでくれるとうれしいものだったりしますので、彼が、自分の行動に対してこじさんが喜んだり笑顔になったりする経験を少し思い出させてあげることで、こじさんのお願いを聞いてもらいやすくなる可能
性が高くなってくるのではないかと思うからです。

今はとても苦しいと思いますが、もしよかったらトライしてみてください。

それでもうまく行かなかったり、難しかったりしたら、初回無料やボランティアカウンセリングなどもありますので、またご相談くださいね。

こじさんの笑顔がたくさん戻ってきますように。
ご相談ありがとうございました。

嶽きよみ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。