料理が好きになれません

相談者名
ガーネット
36歳の独身女性です。
家事が嫌いです。特に料理が嫌いです。
残業することが多く平日は社員食堂や友人と居酒屋で飲んだりします。
休日は、コンビニ弁当かレトルト食品で済ませます。

やらなければと思うのですが、面倒臭くてどうしても出来ません。
昔から料理だけは手伝いもしていません。毎回親子喧嘩になっていました。
このままでは結婚も出来ない、最悪独りでも生きていけるようにしてほしいと両親に言われて、
料理教室に通ってみたりもしましたが、教室内では出来ても、家に帰ってやる気になれません。

付き合っている彼が家に来たときに、付き合い始めは作ってあげたりもしましたが、今は作っていません。
付き合う前に、他の友人から「料理が苦手だ」と聞かされているからか、彼は何も言いません。

いつか結婚したいと思っていますが、このままでは無理そうで、何とかしたいとは思っています。
どうしたら料理を好きになれるでしょうか?
私は甘い、大人になり切れてない人間なのでしょうか?

カウンセラー
三島桃子
ガーネットさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どう
ぞよろしくお願いいたします。

ガーネットさんは料理がどうしても好きになれないことで悩んでいるのですね。料理
教室に通ったりと努力もされてますから、よけいに「何で私は…」って思ってしまう
かもしれませんね。文面から、ガーネットさんの重たい気持ちが伝わってくるような
感じがしました。

この重たい気持ちから抜け出すためにできることを一緒に考えてみたいと思います。

まずひとつ考えてみたいのが、お母さんとの関係です。子どもの頃にお母さんとの間
で感じた何かの気持ちが、「料理」というものに投げかけられているのかもしれませ
ん。

例えば、お母さんはけっこう何でもこなす「良くできた奥さん」で、自分はあんな風
にはなれないだろうな、私は女としては失格だな、と、ごく早い時期に思い込んでし
まうこともあります。

または、お母さんはいつもお父さんの言いなりで、ただ家事をこなして、がまんばか
りしていた。私はあんな生き方はしたくない、という気持ちかもしれません。

あるいは、お母さんに、「女の子はこれくらいできないと」「女の子はお行儀よくし
ないと」とやたらと口うるさく言われて、何で女だからって細かい事をうるさく言わ
れないといけないの?とすごく反発を感じていた、という場合もあり得ます。

いろいろなケースが考えられますが、ガーネットさんにとっては「料理」という言葉
がキーワードになっていて、料理をしようとすると、劣等感や反発心など、何か嫌な
感覚を感じるために、「料理」を遠ざけたいのかもしれません。どうでしょうか?

もうひとつ考えてみたいことは、ガーネットさんはとてもがんばり屋な性格なのでは
ないかということです。

こうやってご相談をしていただくほど料理が嫌いなのに、料理教室に通ったり、彼と
付き合い始めた頃はごはんを作ってあげたり、すごく努力をされていると思います。

がんばり屋さんであることはいい面もあるのですが、一方で、「こうでなければなら
ない」という気持ちが強くなりがちで、ついつい自分の「嫌だ」「しんどい」という
気持ちを後回しにして、あれこれがんばってしまいます。

こういう傾向は、あらゆる方面で出てきます。仕事、人付き合いなど、生活のいたる
ところで「ちょっと無理をしてしまう」ことが多くなります。そして、ひとつひとつ
は「ちょっと」でも、積み重なると、けっこう大きなストレスになってしまうんで
す。

そうすると、自分でも気付かないうちに、心はいつも疲れていて余裕がないような状
態になります。心が疲れていると、好きなことに対してでさえ、いまひとつ意欲が持
てなくなったりします。まして、あまり好きでないものに対しては…。やる気など出
てくるはずもありません。

2つの要因をあげましたが、ガーネットさんの今の状況は、この2つが重なって起き
ていることなのではないかな、と私は感じています。この状態を改善していくために
は、「料理」というキーワードに知らず知らず重ねているネガティブな感情があると
したら、それは何なのか、ということを見つけていくこと、また、生活全般の中で無
理のしすぎに気をつけて、心に余裕を作れるようにしていくこと、などでしょう。

少し時間がかかるかと思いますが、ゆっくりとご自分の気持ちと向かい合っていくこ
とで、きっといろいろとヒントが見えてくると思います。

最後に、今すぐ効くポイントになるかな、と思うことに少し触れておきますね。

>私は甘い、大人になり切れてない人間なのでしょうか?

とガーネットさんはおっしゃっていますが、「料理が苦手であることを克服できな
い」としても、「甘い、大人になれきれない人間」ではけしてないと思います。

ただ、「『料理が好きになれない自分』のことを好きになれない」としたら、そのこ
とは、ちょっと未熟な感覚かもしれません。

『料理ができない自分』を、認めてあげて、「誰でも苦手なことはあるし、人生何と
でもやりようがあるよ!料理が好きじゃなくても大丈夫!」と自分に言ってあげられ
るとしたら、何だか成熟した大人の雰囲気を感じませんか?

ガーネットさんは、むしろ自分に厳しすぎるところがあるのかもしれませんよ。「が
んばり屋」の話と通じるところでもありますね。

料理が好きじゃない女の人って、私の友人にも何人かいますか、彼女たちはそういう
自分のことは嫌いではないようで、「料理めんどくさー、おかずはレンジでチンする
ものばっかりよ~、そんなもんだよね~」とあっけらかんとしています。自分が変だ
とか、そんな風には全然感じていない様子です。

そして私も、あまり料理は好きではありません。比較的手をかける晩ごはんでも、メ
イン料理はコロッケ屋さんで揚げてもらったものとか、切り身魚を焼くだけ、とか、
お刺身、とか、で済ますことが大半です。あとは野菜入りの味噌汁(毎晩味噌汁で
す)を作り、トマトやきゅうりでも切るか、という程度です。

ガーネットさんへの回答を書いていて、そういえば、以前はメイン料理を買って済ま
すことに抵抗があって、「もっとちゃんとしないといけないのでは…」と自分をすご
く責めていたことを思い出しました(笑)。今は、「『餅は餅屋』って言うじゃな
い、コロッケはコロッケ屋よ~」と、ごく素直に思っている自分を再確認しました。

私も、以前よりは成熟した大人になったようです!

ガーネットさんのことを応援していますね。ご相談ありがとうございました。

三島桃子

 

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