彼女の受けたレイプの古傷

かずとしさんとしてもとても辛いところですね。
彼女自身の大きな痛みを理解しつつも、二人の関係がそこで留まってしまっていることに焦りや苛立ちを感じるときもあるのではないでしょうか。
そんな中でも二人で頑張っていらっしゃると思います。
逆に彼女の痛みが見えるから余計に、かずとしさんも紳士的に振舞ったり、優しい思いをたくさ
んかけてあげられるのでしょう。
それが二人の絆の深さに繋がっていますね。

レイプされた経験を持つと、その心はずたずたに引き裂かれてしまいますね。
お近くで見ていたら、本当に痛々しい様子だったかと思うんです。
彼女もきっと自分なりにその経験を忘れようと努めて明るく振舞ったり、元気になろうと努力したりしようとしてるんじゃないかと思います。
でも、いざとなると、どうしてもそのときの“感覚”を思い出してしまうと思うんです。
この“感覚”ってなかなかコントロールできるものではありませんね。

彼女と同じような経験を持つある女性は、雑誌やテレビで女性・男性の裸が少しでも目に入るだ
けで嘔吐感を覚えてしまうこともあったそうですし、男性が近くにいるだけで恐怖心から逃げ出
してしまっていました。

自分の預かり知らぬところから出てくる拒絶反応だったとしたら、彼女も自分自身を過剰に責め
てしまうものでもあるでしょう。
彼女が「ごめんなさい」という声を思い出してみてください。
胸が締めつけられるような感覚を覚えませんか？
きっと付き合いが長くなれば長くなるほど、彼女自身がそのプレッシャーを強く感じてしまうで
しょう。（だからこそ、意を決してホテルに入ってみたんだと思うんですね）

彼女がこの経験を乗り越えて行くには、かずとしさんの協力がとても大切だと思います。
そして、かずとしさんの元で彼女がその経験ともう一度向き合って行く必要があります。
なぜならば、心理的に見ると彼女の心の一部は今もあのレイプされた時代に置き忘れてしまった
からなんです。
彼女の合意を得て、セックスをしようとしたときの彼女の目や表情を思い出して見てください。
どんな状況だったかにもよりますけど、まるでかずとしさんにレイプされるかのごとくの恐怖感を表していませんでしたか？

誰でもものすごくショックな出来事があるとそのときの記憶を一時的に失います。
そして、そのとき心はまったく何も感じない状態になります。
レイプされた場合も、あまりの恐怖感にあるときから痛みも悲しみも恐れも何も感じない状態に
なることが多いようです。
失神してしまうことだってありますし、うつろでぼーっとなってしまうこともあります。
そして、そのとき心はまるで死んでしまったようになり、そこで時を止めて、封印してしまうの
です。
ところが、彼氏とセックスしようと思うとその封印が一瞬解かれます。
だから、そのとき彼女にはとてつもない恐怖感や嫌悪感が襲ってきていたんじゃないかと思いま
す。

でも、僕がカウンセリングを通じて学んだことは、その経験と向き合い、その恐怖感や嫌悪感を
解放し、その凍ってしまった心を自由にしてあげることが一番早いということです。
ただ、これはかずとしさんがチャレンジしようと思ってもなかなか難しいところかと思いますの
で、カウンセラーなどの専門家にお任せしてみるのが良いと思います。

ただ、お二人とも若く、経済的な理由などもあるでしょうから、本当にじっくりじっくり彼女の
心をほぐしてあげることで、時間はかかるけれど乗り越えて行くことも出来るでしょう。
例えば、手を繋いだり、キスは大丈夫でしょうか？
ＯＫならば、お風呂に一緒に入ることはどうかな。
それが難しければ、例えば、二人でただ寄り添ってくっつくのはどうかな。
もし、それが出来るなら、そこからお互い１枚服を脱いでみましょう。
彼女が「ダメッ」って感じるところまで。

信頼関係があって、お互いがそれを乗り越えていこうと思う気持ちがあれば、彼女も出来る範囲
でチャレンジしてくれると思います。
そこではかずとしさんは今以上に彼女を愛そうという気持ちが何よりも大切です。
その愛情の元でのみ、彼女は心を開こうという意欲が芽生えるから。

そして、二人が体でも結ばれる日が来ることを僕も願ってます。
ちょっと、そのときのことを想像して見てください。
どんなカップルにも経験できないような喜びがそこにはあるんではないでしょうか。
お互い今までの頑張りを思って泣きじゃくってしまうかもしれません。
でも、そのとき本当に二人が深い愛情で繋がっていることが感じられるでしょう。

その日をぜひ、手繰り寄せてください。

ありがとうございました。