ご相談、ありがとうございます。 忍さんは、本当に彼女のことが大好きなんですね。 そして、とっても愛情も、表現が豊かなんでしょうね。一方の彼女は照れ屋さんなのかもしれませんね。 彼女は、「好き?」と聞いたら返事をしてくれるんですよね。 ところが、彼女がちゃんと言ってくれているにもかかわらず、不安になってしまうのは、忍さんは「自分が聞いたからいってくれただけ」と思ってしまうのではないでしょうか。 そう、「好き?」と聞くのは、相手に疑問符を投げかけているのではありませんね。 これは「好きといって欲しい」という自分の欲求(ニーズ)なのです。ニーズは、誰にでもあるものですし、なくなることはありません。 ですから、無理に抑える必要もなければ、こんな風に思うなんて、と思う必要もありません。 自分の中で受け入れて、時には、しかるべき形で表現していく必要があります。 一方で、私たちは、何も言わなくても、分かって欲しいというニーズも持ち合わせています。 特にパートナーシップではその気持ちが大きく出てきます。 これは、何も言わずに感じあいたいという気持ちでもありますが、実際に言おうとすると「言いたくない」「言えない」という部分もあり、これが問題のタネになってきます。 なぜ、言えないのでしょうか。 それは、過去に自分がもらえなかった(と思っている)痛みからきます。 特に、パートナーシップレベルでは両親との親密感に影響されることが多いです。 ここでは家族関係が普通かどうかはさほど重要ではありません。 ご両親とのかかわりで、「子供のあなたがどう感じたか」が重要になります。 私たちが子供のころに欲しかったものはひとつだけ。 愛と親密感です。 もし、これを両親からもらえなくて、さらにパートナーからももらえなかったら、いったい誰からもらったらいいのでしょうか。 だから、怖いのです。 愛して欲しいけど、愛されないのではないか? そんな恐れはあまりにも怖いので、否定したくなります。 「絶対に」愛されていることを証明したくなります。 ここで、絶対に、というこだわりが出てきます。 愛して欲しいという気持ちよりも、手に入れることそのもののほうが重要になってきます。 すると、遠まわしな表現になったり、お願いなのに態度が大きかったり、命令口調になってしまう場合もあります。 そうなってしまうと、もはや、愛して欲しい、というより、愛しなさい、愛さなければならない、という感じです。 忍さんは、あまり子供時代に甘えられなかったのかもしれません。 彼女に嫉妬してしまうのも、あたってしまうのも、自分のことを理解して欲しい、愛して欲しい、そんな言葉にならない気持ちの表れではないでしょうか。 これを、上手に表現できるようになるといいですね。 そのためには、子供時代に遣り残したこと、ありのままで充分に愛されている、という感覚を持つことが必要になります。 そのあたりは、もう少し掘り下げて確認したいところですね。 「愛されている」という安心感があると、不思議なことに、さらに彼女からの愛を受け取れるようになります。 そうなれば、次は、大人の男性として愛される自分、というのがテーマになります。 また、いつも愛されたいばかりではなく、与えることも必要になってきますから、大人の男性として、彼女を愛してあげることも考えるといいですよね。 そこで、大人の恋愛という視点から、お伝えしておきますね。 彼女が「それはなかなか出来なくて・・・」と言っているのは、どういうことでしょうか。 彼女が忍さんのことを好きではないなら、おつきあいはしていないはずですから、これは単に、二人の愛情表現の違いなんですね。 見方を変えれば、忍さんが「好き」といってもらうと嬉しいように、彼女にも「してもらって嬉しいこと」があるはずなんです。 そのことを言葉には出さない彼女かもしれませんね。 彼女のして欲しいことは、彼女の忍さんへの愛し方を見れば分かります。 私たちは自分がして欲しいように相手を愛するからなんですね。 彼女のやり方で、彼女を愛してあげることができたら、彼女はどんなに喜ぶでしょうか。 実際にこのことを忍さんが行動に移せると、大きな変化があります。 彼女の喜ぶ顔を見ときに、感じられるのです。 愛されているな、と。 心底、自分がされて嬉しいことを自分にしてくれていたのだと、実感できるのですから。 そして、何よりも自分に対する自信と、二人の絆が深まります。 そのためには、自分のこだわりよりも、彼女を大切にするということなんです。 これが大人の恋愛への入り口です。 お互いに全てをゆだねられるような、成熟した深みのある大人の恋愛。 今は信じられないかもしれませんが、こうして相談してきてくださっているということは、そんな日も近いかもしれませんね。 このモヤモヤを乗り越えたい、とあなたもおっしゃっています。 彼女のことを愛しているからこそ、こうしてご相談くださった、この気持ちを大切にして欲しいと思います。 きっと、素敵な関係が待っているでしょう。 ご相談ありがとうございました。 山下ちなみ |