娘のうつ病について

相談者名
みやざき
22歳の娘が去年4月~働く始めて7月に仕事場の人間関係で「うつ病」になりました。親に告白したのが、10月で末に仕事を退職しました。2,3仕事をしても数日でやめたりしていました。9月から付き合っている彼がいて、彼の側にいると心が休まり、安心できると親には内緒で半同棲していたようです。その彼の勧めで、今年の1月~実家で静養と通院をしています。彼にはまだ、会っていません。4月下旬に6月に彼のところに戻りたいといわれたので、また、早いと反対したら、夜中にいなくなり、死にたいと思い家を出たと言われました。2時間後に連絡が本人からあり、連れ戻しました。それからは、彼の元に行きたい時は行かせています。4時間ほどかかるので、しんどいとは思います。今月からバイトをして、普通の生活が出来るようなら、9月に戻りたいと言います。反対されても家出してでもと聞きません。病院の先生はまだ、9月では早いし彼が親の変わりに面倒を見てくれるなら、連れてきて。と言っていますが、病院も最近は行きたくないとと言います(うつ病の経験がないのにわからないと言うのです)父親が厳格で厳しいですが、娘のために優しくしています。9月彼の元へは、話せません・父親も反対したら、また、死にたいと出ていかれては怖いと思っています。トラウマです。娘はあまりしつこく言わないでほしいといっていますが・・・バイトは12時から17時で週4日
毎日の生活はだいたい10時起床、0時就寝。もっと早く寝てほしいのですが・・・不眠もあり、寝付けないようです。こんなので、彼の元に行かせてよいのでしょうか?彼はokしているようです。来月はこちらに挨拶に来てくれるようです。娘に何といって諦めさせたら、良いのでしょうか???
カウンセラー
池尾昌紀
みやざきさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

「うつ」というのは、一概には言えませんが、何かを我慢して我慢して、その許容量が限界にきてなっている場合もあります。
もしかしたら、みやざきさんも娘さんも、とても我慢強い、我慢に我慢を重ねてしまうタイプの方なのかもしれません。

娘さんの「うつ」や彼との関係などにみられる問題で苦しんでおられますが、みやざきさんご自身が、いろいろな我慢が積み重なってきていて、娘さんがそれをわかりやすく表してくれているのかもしれません。
例えば、夫婦の問題、ご自身の親御さんとの問題、つきつめていけば、今までの生き方が我慢そのものだったのかもしれません。

周りの問題は、実は自分自身の問題を映し出してくれているという表現を我々はすることがありますが、今回の問題は、ご自身の問題に気がついて、ご自身の問題を解決していくきっかけになっていく道すがらなのかもしれません。

こうしたケースは、実際のカウンセリングの中で、よくみられます。
それを整理していくお手伝いを私たちカウンセラーはさせていただいているのですが、こうした視点で自分自身の心の中を整理することは、ご自身だけではく、娘さんや家族を含めて、問題が解決していくヒントになったり、問題解決のきっかけになることが少なくありません。

でも、今はそうしたことより、まず、ここまでがんばってきた、みやざきさんご自身を認めてあげることをしていただきたいのです。

親にとって、子どもが苦しんでいるのを見るのは本当に辛いことです。
今回のご相談のように、苦しんでいる時間が長いのは、本人はもちろんですが、そばにいる親にとっては、本当に辛い。
また、具体的な解決の時期がわからないことも、苦しみの大きな元のひとつです。

それでは、どうして自分のことではないのに、こんなに苦しいのでしょう。
当たり前のことですが、それは、我が子だからです。
我が子だとなぜ苦しいのか。
それは、子どもが心配だからです。子どもを愛しているからです。
子どもが苦しんでいる時、親はそれを我が身のように感じます。
できるなら、自分が身代わりになってやりたいと思うほどでしょう。
すべて、当たり前のことかもしれません。

けれども、それ故に、子どもがアドバイスに従ってくれなかったり反発したりすると、腹が立ったり、実際に衝突してしまうこともあります。
そんな時には、こんなに心配しているのにどうしてわかってくれないのか、と思ったりします。
それが積み重なってくれば、愛情よりも怒りや憤りばかりを感じてしまうこともあるでしょう。
すると、心配していたはずの気持ちが、怒りや憤りばかりに感じてしまい、そのことで自分を責めてしまうこともあります。
でも、やっぱりそれは、子どもを愛するが故に起こることなんですね。

では、今度は、親が一番幸せを感じるのはどういうときなのか考えてみましょう。
何よりの幸せは、子どもが幸せになることではないでしょうか。
子どもが幸せである時、親はそれを我が身のように感じます。
それも、子どもを愛するが故のことですよね。

それでは、こんどは、子どもの立場になって考えてみましょう。
親がそうだとしたら、子どもはどう思っているのでしょうか。
成人した後にも、あれこれ心配して、子どもにアドバイスする親御さんはたくさんいます。
そんな時に、口出ししてくる親に、子どもはうとましさを感じることもあるかもしれません。
「うるさいなあ、自分でやるからほっといてくれよ」
そんな台詞を言ってしまうこともあるでしょう。
では、そんな時、子どもは親のことを嫌っているのでしょうか。
いろんな事情で衝突したり喧嘩していたりしても、普段はそんなそぶりが一切見えなかったとしても、やっぱり親のことを嫌いなわけではありません。
例えば、親が病気で倒れたりしたらどうでしょう。
いがみあっている仲だったら、子どもは病床の親に向かって「ざまあみろ!」なんて悪態をつくでしょうか。
親が苦しんでいれば、子どもは苦しくなります。
それこそ、我が身のように苦しむでしょう。

親を心配しない子どもはいません。親を愛していない子どもはいません。
何かの事情で親子の関係が険悪であったとしても、表面的には衝突していても
心の底では親を心配して愛しているのです。

では、子どもにとって一番の幸せはなんでしょう。
やはりそれは、親が幸せであることではないでしょうか。

つまり、親も子もお互いのことを心配し、愛しているということなんです。

こんな風に整理するまでもなく、考えてみればこれって自然なことですよね。
けれど、苦しい時には、そんな風に考えられないくらいに、いっぱいいっぱいなんですね。

みやざきさんの苦しみは、娘さんの問題を悩んでおられるからです。
娘さんをどうしてあげたらいいのか、と悩むのは当然ですが、まずは、今、あなた自身のことを大切にしてあげてほしいと思うのです。

みやざきさんは本当に今まで苦しんでこられ、そして、本当にがんばって娘さんを支えてこられました。
まずは、そんな自分をほめてあげてください。
娘さんの問題が解決していないのに、そんな気持ちになれないかもしれません。
けれど、娘さんが一番苦しむのは、親であるあなたが苦しむ姿を見ることなんです。

娘さんのために、一生懸命心配し、やれることはすべてやってこられたのではないでしょうか。
それは素晴らしいことだと思います。
他にこれほど一生懸命になれる人はいたでしょうか。
だからこんな風にご自身に言ってあげてください。

「今までよくがんばってきたね」と。

自分以外の誰かの問題を解決したいと思う時、一番に考えてあげなければいけないことは、自分を大切にする、ということです。
自分がいっぱいいっぱいでは、いいアイディアも浮かびませんし、その心配している姿を見せることが、問題を持っている人をより苦しめます。

こう考えてみると、今、親子の間でも我慢大会をしているような状態になっているのかもしれません。

それを解決する方法は、まず自分が我慢をやめること。
急には無理ですから、最初は自分がリラックするしたり、気分転換すること、少しでもいいので楽しいことをやってみることです。

そして、自分が苦しくなったら思い出してみてください。
あなたが苦しんでいることが、娘さんの苦しみになること。
あなたが幸せでいることが、娘さんの幸せになるということ。

あなたの幸せは、あなただけの幸せではありません。

これが娘さんを幸せにしていくキーワードなんです。

ご相談ありがとうございました。
この回答が少しでも、みやざきさんが楽になるヒントになれたのなら、これほどうれしいことはありません。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。