相談者名 | mari |
私は母が嫌いです。楽器を習わされ毎日怒鳴られました。。母の顔は鬼で、練習の音が止むとドアを凄い勢いで開け怒鳴りこんできたり、指を切り落とすと言われたり、レッスン帰りに車の中で怒鳴り散らされ、家に着いても車に置き去りにされて夕食を抜かれたり。私は10歳になる前から「早く家を出て、母親から離れたい」と思っていました。そして、自分ができなかった事を子供に強要する母が憎くて、こんな女には絶対なるまいと思っていました。母は妹は溺愛しました。 家族は誰も助けてくれませんでした。母のスパルタが続き、私は次第に泣くこともなくなりました。黙って怒りをかみしめて心で母を憎み続けました。その結果、私は人に自分の本心を言わなくなりました。友人にも家族にも、楽しく接しているようで、決して心の全ては言いません。 人に甘えた記憶もありません。どんなに辛くても、決して人に言いません。 また母はセンスが悪く、家も片づけないし変な小物などで家中飾り散らし最悪です。これが原因で、友人を家に招いた事は高校時代から一度もありません。 結婚もしましたが子供がほしいとは全く思えません。 自分の子が、小さい頃の私と同じ思想を持っていたら私はその子を育てられない、と思ってしまうのです。 それと、母がうっとおしくてたまりません。大学から私は実家から遠く離れて生活しているのですが、母は昔の事を忘れたかのようにしつこく電話やメールをしてきます。 それも、品のない文章だったり、テレビ電話で顔を見ても女性としての品もなく言葉も汚く、無視していると「いつも心配しているのに、親の心子知らずとはこのことか!」と逆ギレしてきたり、もう嫌です。でも、私は周囲には人当たりがよく、いい人と言われます。しかし心の中は母への憎悪の念で一杯で、自分の心の汚さを隠して人に接している自分が嫌になります。 今日もメールがあるのではないか?といつも心のどこかに母の事がひっかかっており、大嫌いなのに私の頭の中から消え去ってくれずどうして良いのか分かりません。 母を憎む私の心は異常なのでしょうか? 心の中は暗闇なのに、表面上は波風立てずにうまくやってしまう自分にもうんざりです。 | |
カウンセラー | 土肥幸司 |
mariさん、初めまして。今回担当させて頂く土肥(どひ)と申します。よろしくお願いします。 ご相談のメールを拝見させて頂き、mariさんの幼少の頃の悲痛な叫びがヒシヒシと伝わってきました。辛かったでしょうね。何もかもを楽しみたい幼少時代、お母様からのスパルタが続き、本当に辛かったと思います。 > 母を憎む私の心は異常なのでしょうか? これはあくまでも私自身の考えですが、これだけのことがあったのですから憎むのは異常ではないと思います。でもmariさんの文章を読ませていただいて感じたことは、ご自身でも書いてくださっている通り、やはり「お母さまへの思い」が強い方だな~と思いました。 上記、文章中に「母」という単語が13回も出てくるのです。20行ほどの文章の中で13回も「母」というワードが出てくるということは良くも悪くも「お母さんという存在」はmariさんにとって大きな方なのでしょうね。 では、なぜそんなに恨んでしまうのでしょうか? 先ほども伝えたように恨むことは異常ではないと思います。でも恨み続けていても何も解決はしなかったと思います。それはmariさん自身が一番お分かりではないでしょうか。実は私も子どもの頃、父に厳しく育てられました。私は野球をしていましたが父に毎日、スパルタで特訓を受けていました。mariさんの文章を読ませて頂き、その頃のことを思い出しました。プライドはズタズタにされ野球を楽しむということも忘れてしまいました。20歳を過ぎるまでは父のことをどこかで恨んでいたと思います。 その根源は『分かってほしかった』『もっと認めてほしかった』です。 本当はもっと父に褒めてもらいたかったのです。ファインプレーをしたときに「良くやったな」と頭を撫でてほしかったのだと思います。でも父も照れくさかったようです。大人になってから、そのことに気付き始め、その頃から、「ただ父は私に冷たくしたわけでもないのかもしれない」 と父の気持ちを察してみるようになりました。するといろいろなことが分かったのです。 mariさんのお母さんも楽器をされていたのでしょうか?何か夢があったのかもしれませんね。その夢を長女のmariさんに託した。 託された方はたまったもんじゃありませんよね。私もそうです。私はプロ野球選手になれるような器ではありませでんした。でも父は期待したのだと思います。自分の息子が自身の夢を叶えてくれる...と。そしてmariさんも私も期待に応えようと一生懸命頑張ったのだと思います。mariさんはいつもお母さんの期待に応えようと必死だったのだと思います。それがmariさんの「お母さんへの思い」だったのではないでしょうか? 「もっともっと私の気持ちに気付いてほしかった」「私を大切にして欲しかった」 でもしてもらえなかったと感じたとき、人は誰かを恨んでしまうものです。そしてそれを裏返してみれば本当はその人からの愛情がほしかったと言う事になります。だから大人になってからでもmariさんの心の中にお母さんの存在は大きく残っているのでしょうね。 そして家(うち)の家族のことで言えば父は僕に過度な期待をしてしまい、かわいそうなことをした。だから弟には過度なプレッシャーは与えずに優しくしてあげたい。そうやって接していたようです。どこかでお母さんはmariさんに対して悪いことをしてしまったな~と感じていて、その補償行為として妹さんには優しくしようと思っていたのだと思います。だからこそ、大人になってからお姉さんのmariさんの所に頻繁に連絡してきて繋がりを修復しようとしているのかもしれませんね。 > いつも心のどこかに母の事がひっかかっており、大嫌いなのに私の頭の中から消え去ってくれずどうして良いのか分かりません。 そうですね。とてもいろいろな思いがあるようですので、ゆっくりと進んで行かれたらいいとは思うのですが、最終的には「お母さんを許すこと」が大切だと思います。でもmariさんにとってそれだけは一番したくないことかもしれません。「何で私が許さなきゃいけないのよ」と思うでしょうね。 でもね。許すことで楽になれるのはmariさんなのです。 例えばmariさんは結婚もされて今、お母さんと離れた場所にいるのに、こうやってお母さんのことで気持ちがイライラしています。それって損だと思いませんか 許すことでmariさんがご主人といる時は穏やかな優しい気持ちになれるとしたら、それはする価値があると思うのです。 でも急には許せないと思います。その第一段階として、まずはこうやって誰かに相談する。mariさん自身の気持ちをシェアするということは大切なことだと思います。 > 私は人に自分の本心を言わなくなりました。友人にも家族にも、楽しく接しているようで、決して心の全ては言いません。 小さい頃、もう誰にも頼らないと早い段階から自立されてきたmariさんに取って人に頼ること、人に素直なご自身の気持ちを伝えることはとても怖いことかもしれません。でも信頼できる人からでいいので「mariさんの本当の気持ち」を伝えてみてくださいね。伝えても怒る人はいないと思います。今はもう幼少の頃と違ってmariさんのことを否定する人はいないと思うのです。それよりも「その気持ち、分かるよ」と共感してくれる人が大多数でしょう!もちろん私達カウンセラーにも伝えてみてください。mariさんの気持ちを汲みながら何か前向きなアドバイスをお伝えできると思います。 何かを変えたいと思うとき、どこかでタブーを冒すことも必要です。 mariさんにとって、そのタブーというのは『人に頼る・人に甘える』ということだと思います。 頼っても怒られない。弱音を吐いても傍にいてくれる。だから私達は自分の存在を認められるのです。mariさんにはご主人もいます。決してひとりではありません。幼少の頃、お母様のスパルタにひとり耐えていた頃のmariさんではありません。そうやって心から人と繋がっていく経験をされていくと徐々に気持ちが解放されてきます。 お母様を許すのはそれからでもいいと思うのです。 まずは一番、苦手なお母様と向き合うのではなく向き合いやすいご主人や友人などに、ご自身の気持ちを伝え、「私自身これでいいのだ」と自信をつけてからお母さんと向き合い許していくということに取り組んでいってもいいと思うのです。 そしてmariさんはどこかでお母さんを許したいと思っているのではないかと思います。本当はお母さんに優しくしたいのだけれど優しくできない。その自分自身に苛立っているのかもしれませんね。それは幼少の頃、mariさんに優しくしようとしたのに余裕がなくて出来なかったお母様の気持ちと似ているのかもしれません。 最後にもう一つだけお伝えさせていただきます。 私は父を許して楽になれました。父を許すことで「自由」を感じられるようになりました。 mariさんにもその気持ちを感じていただけたらと思っています。ご自身が幸せになるためにチャレンジしてみてくださいね。 ご相談ありがとうございました。 土肥幸司 |