母との関係について

相談者名
まり
 私は結婚するまで父母、弟、私の4人家族でした。私が小さい頃から父母の仲は悪かったと思います。母は、気性が激しく私にはとても怖い存在でした。弟のことは可愛がっていたので、何故こんなに違うのかと思うこともしばしばでした。
母はイライラしてくると突然、「わーっ」などと大きな声を出して、私のところに来て怒り出します。何で怒られているのか解らないこともあるのですが、とにかく怒るのを止めて欲しくて、子供の私はただないて謝っていました。そして一度怒り出すと止まらないのか、本当に酷い言葉を投げつられました。私には口に出来ないような言葉で怒鳴ります。母が立ち去った後の私は、頭が真っ白で、呆然と座り込んでいる、何も考えられない状態です。この時の気持ちは、何と言えばいいのか、言葉では現せません。小学生の頃から死んでしまいたいと思っていました。
結婚して離れて暮らすようになりましたが、今でも、外で子供の喚声とか、笑い声などが聞こえてくると、一瞬、母の叫んでいる声に聞こえてしまい、ドキッとして心臓が激しく打ち、とても不安な気持ちになります。母と電話で話さなければならないことがあると、怒鳴られるんじゃないかと緊張して、大変疲れます。 17
母は今までの人生で「うつ病」だといって体調の悪くなることが何度かありました。そんな時は私を頼ってきたりするのですが、私にしてみれば「こんな時だけ何なの?」という気持ちです。それでも出来るだけ手伝ったりしてきましたが、気に入らなければ怒るし、私の言い方がきつくなれば「もっと優しくして欲しい」といわれます。「優しくされていないのに、優しくできない!」と、心の中で叫んでいました。どうしても母に対して割り切れない気持ちを持ってしまいます。40歳も過ぎていつまでもこんなことを思うのは、私が執念深いのかと思ってしまいます。どんな風に気持ちを切り替えて母に接していけばいいのか、アドバイスをいただければと思います。
カウンセラー
伊藤昌代
まりさん、初めまして。
今回は、ご相談ありがとうございます。お返事お待たせいたしました。
担当させて頂きます伊藤昌代と申します。よろしくお願いします。

メールを拝見しました。
わーっと怒りだしたら止まらなかったお母様との関係について、なのですね。

子供の頃の、お母様から怒りをぶつけられて、頭が真っ白になり、死んでしまいたい
と思っていたまりさんに
「でも、よく考えて! ご両親の中が悪い事や、お母様の病気は、まりさんのせいじゃ
ないよ。あなたは悪くないよ~」
と伝えて抱きしめてあげたくなりました。

まりさんには、今まで、そういってくれる人は誰もいなかったのでしょうか?
お母様が怒りなしでまりさんに関わられることはなかったのでしょうか?

子どもの頃、何がなんだか分らなくて、悲しくて、苦しいことがあると、私達は、
「『私』だからかな」と自分自身を責めてしまう事があります。
酷く責め過ぎて心が傷つき、そのままでは辛いから、真っ白にした相手に怒りが湧き、
その事でまた自分を責めてまうんです。

まりさんは、ご両親の仲が悪いのを見て、「何とかならないかな」「何でかな」とい
う気分になってしまうくらい、思いやりや責任感がお強かったのだと思われます。
だから、自分の都合で関わってくるお母様のお世話を続ける事が出来たのでしょう。
「優しくされていないのに、優しくできない!」と、心の中“だけ”で叫んだのは、
言っても仕方がないというあきらめだけでなく、
言っている場合ではないという、…それは、もらっていないものをあげるという、
立派な優しさだったのではありませんか。
これまで、まりさんはよくやってこられたでしょう。。
優しさや思いやりに関して、お母様を越えられたんだと思いますよ。

> いつまでもこんなことを思うのは、私が執念深いのかと思ってしまいます。どんな風に気持ちを切り
> 替えて母に接していけばいいのか、アドバイスをいただければと思います。

「優しくされていないのに」優しくしなければならないと感じる状況では、何だか
「損した」気分がしてしまうかもしれませんね。
貰った事のないものをあげてしまったら・・・、自分には何も残らないような、奪わ
れてしまった感じもするかもしれません。

今、まりさんが迷っていらっしゃる所、腹立たしさや被害者であると感じる所は、
長年、お母様が居続けている所なんです。割り切れない気持ちというのは、酷い言葉
を投げつけていた時、そして今もかな…、まさにお母様が感じていた感情そのものなん
です。今、まりさんは、お母様の感情にとても近づいていらっしゃると思われます。
…ここは確かに、とても苦しい所ですよね。
お母様は、この感情から動けなくて、今日までのお母様でした。お母様は、道はここ
までだと考えていらっしゃるのです。

けれど、幼い頃からずっとお母様を見てきたまりさんは、
どうしてそんなことしてるの? こうしたら楽しいのに! ああしたら楽なのに!
…と思ってこられましたよね。
まりさんには、道の先が見える訳です。
残念ながら、「道がない」と考える人が歩むのは、とても難しいことです。
もうないと考えていた道の向こうから、「こっちはいいよ~。楽しいよ~。大丈夫だ
よ~」と呼ばれてみて、初めて、歩いてみようかなとかすかな興味が湧くんです。

私達は、自分だけがより幸せになってしまうのが申し訳ないような気がして、両親が
歩みを止めた所で同じように止まってしまう事があります。でも本当は、ご両親を越
えてより幸せになったとすると、そんな子どもの姿を通して、止まっていた両親もよ
り大きな幸せを手にれることが出来るんです。直接、当人に何かしなくても、与えた
り助けたり出来るんですね。
もっと言うと、先頭を進むのは、誰からでもいいんです。

では、お母様を通して、こうしたらいいのに…が見えているまりさんと、絶対無理!と
考えているお母様では、どちらが今の「出来ない!!」という苦しみの場所から抜け出
しやすいと思いますか?

…まりさんですよね。

…だから、「優しくされていないのに、優しく」していらっしゃるんですよ。

子どもの頃の傷が今の事のように痛む時、やる気も下がり、怒りすら出てくるかもし
れません。そんな時は、まずは、大人のまりさんが、「悪くないよ」って、小さいま
りさんを抱きしめてあげてくださいね。犠牲感からし続けるのは、もうしんどいので
すから…。

きっと、まりさんは、お母様との関係を見つめた時に、お母様に近づくことだけを考
えていますよね。
けれど、同じ場所に居続けたお母様は、まりさんだけでなく、ご主人やうつ病の時に
は他に関わっていた方などとの関係も困難だったようです。
ということは、お母様との関係を見ていくことで、まりさんにとって、お母様のうし
ろに並んでいる人たちとの距離感、関係性をも変えていけるということなんです。
どんな人がいそうでしょうか。ご主人やお子様もそこにいらっしゃるのでしょうか。。

いっぱい傷ついた経験があるまりさんは、その分、優しくされること、愛されること
の大切さを知りましたよね。
「どんな風に接していけばいいのか」って結局、「どう愛していけばいいのか」とい
うことですね。
お母様や、そのうしろで待っている多くの人を愛していくために、歩んでいきましょ
う! 応援しています。

慣れないことをすると、不安や恐れから様々な感情が出てくることもありますので、
苦しくなりすぎるまでに、また、無料やボランティアの電話カウンセリングなどもご
ざいますのでご利用ください。

ご相談ありがとうございました。

伊藤 昌代

この記事を書いたカウンセラー

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